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勝負の日に“最高の私”になる!【元宝塚スター真織由季さんインタビュー #1】

元・宝塚の男役スターとして活躍していた真織由季さんのインタビューを全4回に分けてお届けします。今回は第1回です。

勝負の日に“最高の私”になる!【元宝塚スター真織由季さんインタビュー #1】

元・宝塚の男役スターとして活躍していた真織由季さん。周囲からはトップスターへの道のりを順風満帆に歩んでいたかのように見えた彼女だが、ある日突然、原因不明の体調不良に襲われ、舞台を二度も降りることを余儀なくされる。極度のストレスとプレッシャーから夢半ばで宝塚を退団。その後も女優を続けるかたわら、パニック障害を始め、様々な心身の不調と向き合う日々は27~43歳に渡って続いた……。

真織由季さん
1967年横浜生まれ。ストレスケア・カウンセラー。
ジェンヌ VBM宝塚受験クラス講師。日本アンチエイジング歯科学会理事etc
宝塚音楽学校を卒業後、新人公演では『ベルサイユのバラ』のオスカル役に抜擢される。
星組の男役スターになりながら、心身の不調によりトップスターを目前に退団。
その後も女優業を続けるかたわら、自身がストレスに苦しんだ経験から、ストレスケア教育のパイオニアBTUにて学び、併せて講師資格も取得。近著『勝負の日に“最高の私”になる30日のレッスン』(WAVE出版)の他に、『プラス』(ポプラ社)『心の疲れをス~ッと消す方法』(KADOKAWAメディアファクトリー)などがある。

■ストレスケア・カウンセラーと出会って人生が変わった

―― 宝塚を退団しても、体調不良は続いていたのですか?

そうなんです……。退団すれば治ると思っていたパニック障害は一向に良くならず、さらには過呼吸症候群に拒食症、過食症、赤面症、過敏性大腸症候群、月経前緊張症、過眠症、不眠症など、ますます悪くなっていく一方でした。心療内科や自己啓発本やヨガなどに頼っても劇的には改善しなくて。そんな何をしても八方塞がりの中、現在講師を務めているBTU(バランスセラピー)のストレスケア・カウンセラーの方に出会ったんです。

―― ちなみに、どうしてBTUを学ぼうと思ったのですか?

当時は体調が悪いだけでなく、人間関係も上手くいかなくなってきて。あるとき、ひどいギックリ腰をやってしまい病院へ行ったら医師から「極度のストレスが原因。これからはストレスとも上手に付き合っていく方法を見つけて下さい」と言われ……私の不調は、もはや整体やクスリで解決できるものではないんだと目からウロコでした。たしかに当時は、芸能関係の仕事にも行き詰まりを感じていました。宝塚を退団したのだから女優の仕事をやっていきたいのに、やっぱり舞台では男役が多くて……その頃は舞台仲間との関係にも「ついていけない」と勝手に思ってしまって孤立していました。そんな私を見兼ねた知人がBTUを紹介してくれたんです。

■「この人に敵はいないんだろうな」憧れの人と出会った

―― そこで転機が訪れ、スペシャルキーマンにも出会えたのですね。

はい、41歳のときでした。ホメオストレッチ(筋肉応用覚醒進展法)を受けて、久々にリラックスできて眠ってしまった感覚は忘れられません。山内晴美先生(BTU東京校「東京アイリス」室長)という方は、自然体でほどよく力が抜けていて、言葉に嘘がなくて、私が悩みや失敗談を告白しても、穏やかな笑顔で「あら~いい経験ができたわね」って……。


「大変だったわね」とか「可哀想に」とは言わないんですよ。ふと「この人には敵がいないだろうな。意地悪する人なんていないだろうな」と羨ましく思いました。
当時の私は体調だけでなく、人間関係も良くなかったので、なおさらそう感じたのでしょう。
先生のところへ通っていくうち「私もこんなふうになりたい!」とBTUスクールへの入学を決めました。それがね、学ぶだけでなく「私も教える側になりたい!」といきなり思ってしまったんです。まだぜんぜん元気になれてないのに(笑)。新たな目標を持つことで、急に光が射したんですね。だけど当初は90分の授業もお腹が痛くなってしまい、「先生ちょっとスミマセン……」とトイレに何度も駆け込んでいました(苦笑)。


でもストレスケアについて学ぶ中で、私の長い間の不調は決して心が弱かったせいではなく、脳(脳幹)が疲れ果てていたんだ、とわかったら、とても楽になりました。もう学ぶことが楽しくて嬉しくて。私の場合、その頃は藁をもすがる想いだったので、とにかく直感を信じて賭けてみることにしたんです。それまで自分を責めてばかりいて、でもどうしようもなくて、ずっと疑問だった点と点がつながってゆくようで、本当に救われました。そして1ヶ月ほどして気づくと、あんなに長く続いてた不定愁訴が次々と改善していたのです。


私はどんなときも「直感は嘘をつかない」と思っています。だって「ストレスケアの講師にまでなる!!」という目標を持つことで、自分との約束も守れましたから。

次第に心も体も再生してゆき、現在はストレスケ・カウンセラーの講師としてスクールで活躍しつつ、今春から芸能活動も再開した。そんな真織さんの栄光の光と影を“さらけ出した”3冊目の『勝負の日に“最高の私”になる30日のレッスン』が今話題を呼んでいる。

■ストレスケア、上手に力を抜く方法を紹介した本が話題に

勝負の日に「最高の私」になる30日レッスン

―― 『勝負の日に“最高の私”になる30日のレッスン』を出版したキッカケは?

私は現在のBTU講師になる前から、宝塚受験生のためのレッスンも担当しているのですが、2015年の4月に毎年40名ほどしか受からない合格者の中で、うちから3名が合格したんです。「その秘訣は?」「何か共通点があるのでは?」というところから本の企画がスタートしました。試験や面接で緊張を強いられる場面で、いかに生徒たちがリラックスしてオーラを出せるかが合格のカギを握ります。BTUでのストレスケアやストレスマネジメントの手法を取り入れ、上手に力を抜いて、勝負の日に最高のパフォーマンスができるようレッスンしています。この本の中では勝負の日の必勝法だけでなく、私自身の体験をもとに、ストレスケアの大切さなどについても書かせていただいてます。

#2につづく

Text=鈴木ユミコ(MC & Writer)

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