ダブル不倫や社内不倫など、私たちの生活にとって身近なトピックとなってきた「不倫」。ここ最近の間に、略奪愛ともいえる禁断の恋愛に溺れていく人たちが多いのは一体なぜでしょうか。リアルな不倫の体験談やエピソードなどからその真実を追求していきます。
不倫する既婚女性はセックスレスが原因? 単純に責められない複雑な事情
ドラマや漫画の中だけではなく、リアルの世界でもしばしば取り沙汰される不倫。既婚の男女ともに不倫にいたる原因の多くは、実は「セックスレス」である。だからこそ、夫婦になりたいと思ったとき、セックスの相性を無視するのは、怖いことかもしれない。
最近不倫が面白い。
なんていうと不謹慎だが、不倫ニュースが多すぎて、びっくりを通り越して「おまえもかー!」と、テレビに向かって叫んでしまう。
そして不倫はドラマも面白い。林真理子さん原作の大ヒット小説を20年ぶりにドラマ化した「不機嫌な果実」は面白すぎて、放送日の酒の席は22時解散をマストにするほどだ。
このドラマ、なにかとバブル臭を感じる設定はさておき、栗山千明さんと稲垣吾郎さんのすれ違い夫婦の描写がリアルすぎる。そして成宮寛貴さんと市原隼人さんというイケメン不倫相手たちが、女のキュンをこれでもかと突きまくる。ほかにも、親友の夫を寝取るバツイチ女だったり、金のために不細工夫と結婚して不倫しまくる妻だったりと、それぞれのキャラクターや話しの展開が強烈すぎて、毎週目が離せない。
ただ、主人公・麻也子のセックスレスの描写だけは、リアルすぎてゾゾッとなる。彼女は不倫を決意する夜、3年間ご無沙汰な夫にセックスを迫るのだが、セクシーな下着をつけた甲斐もむなしく、「眠いんだから……」と夫にお断りされてしまう。
涙する主人公を見たとき、ここだけは笑えないなーと思ってしまった。というのも、私が出会った不倫をする既婚女性の多くは、セックスレスが原因なのだ。
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■不倫相手の子どもを「夫の子」として産む決意
たとえば少し前に話を聞いたある女性。郊外に一軒家を持ち、「なに不自由ない生活」という感じの美人妻な彼女は、不倫することもう2年。夫のことは好きだったというが、セックスは結婚した頃から半ば義務感があったという。それでも“そこ”を重要視せず、定期的な行為には応じていたという彼女。しかし、第一子を授かったところで限界を迎え、彼女の中では完全にコトが無理になってしまったそうだ。
以降本格的なレスが始まるのだが、女としての自分も手放すことができなかったといい、パパ友(こちらは家庭内別居中)のひとりと関係を持つ。
と、ここまでならよくある不倫ストーリーなのだが、事実は小説より奇なりという展開が待っている。彼女は不倫相手の子を妊娠。バレないためにタイミングをみて夫とも関係を持ち、ヒミツを抱えて生むことにしたそうだ。
話を聞いたときは既に安定期に入っており、「今後どうするか迷い中」と、淡々と語っていた。
母は強し……って、おい! おい! おい! と驚きまくったけれど、裏側に抱えた寂しさや女としての孤独感がわかるだけに、安易に口出しできない空気がある。
不倫は傷つく人がいることはわかっているけど、内情の一つひとつはフクザツだ。片方だけを責めることはできないな……と、話を聞くたび思ってしまう。
■セックスの相性を考えず結婚したらつらいかも
ところで、婚活女子と話をしていると、よく「この人となら結婚しても大丈夫かな?」というセリフを聞く。
大丈夫の中には、金銭的な安定感、価値観、将来像の一致などが含まれているが、思うことがひとつある。
「その“大丈夫”のなかに、セックスはふくまれていますか?」
まーたそんなことばっかり気にして……と呆れられるかもしれないが、不倫に走る既婚男女の多くの原因はセックスレスだ。
もちろんレスになるまでには、いろいろな要因がある。だけど最近の婚活は、男性の条件や安定性にばかり重きをおいて、セックスの相性は二の次三の次にする人も多い。いや、しなくてもいいとハナから手放す女性もいた。
体の相性だけで突っ走れとは言わないけれど、セックスというコミュニケーションをおざなりに決断すると、体のつながりはそのぶん早く離れると思うし、同時に心のつながりもベリベリと剥がれてしまうことはあると思う。
そういえば、先の不倫に走る女性も、夫とのセックスは「応じている」と表現していた。応じた結果レスになって「私は、損をしている」と、不機嫌な果実の主人公のように愚痴っても、現実は誰も助けてくれない。
不倫がブームのように取り上げられることが多いが、炎上や批判はさておき、増える裏側には別の理由がある気がしてならない。
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Text/おおしまりえ
雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター
10代より水商売やプロ雀士など人気商売に身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、現在鋭い観察眼と、男女のコミュニケーションの違いを研究し、各種エッセイを執筆中。
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※ こちらは2017年1月10日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。