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【運命よりも、幸せになる。#2】置かれた場所で咲く花は美しい

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19歳のときに「余命半年」と宣告され、摘出手術後に再発と転移を繰り返し、今も肝臓がんと闘う山下弘子さん。今置かれた場所で、自分にしか咲かせられない花を咲かせているから、彼女は美しく輝いている――山下さんと出会って2年になる鈴木美穂さんが綴ります。

【運命よりも、幸せになる。#2】置かれた場所で咲く花は美しい

「運命よりも、幸せになる。」

この連載のタイトルを決めたときから、私の頭にあった女性がいます。
山下弘子さん(23歳)です。

9歳も下で普段は妹のような存在だけど、その生き方や考え方たるや師匠と崇めたいレベル。
運命よりも圧倒的に幸せそうに生きています。

そんな弘子さんと出会ったのは今から2年前のこと。
友人から「この子知ってる? 美穂と気が合いそう!」と、弘子さんのブログのURLが送られてきたことがきっかけでした。

そこにのっていたのは、彼女が行った講演の原稿。

19歳のときに肝臓に19センチのがんが見つかり、「余命半年」宣告。
その後手術をするも再発、肺転移……。

抜本的な治療法は見つかっておらず、私なら精神的にまいってしまうであろう状況のなか、「全てのことに意味がある」と綴られ、「ありがとう」の言葉が並んでいました。

この女性に会ってみたい!
反射的にメッセージをして、お返事がきた翌日、予定をすべて変更して始発の新幹線に飛び乗り、彼女の住む大阪に向かったのでした。

■そのときの彼女にしか咲かせられない花――だからとびきり美しい

今考えるととても失礼ながら、あまり説明もせずに「はじめまして」のシーンから直感的にデジカムをまわし、取材を始めました。

日本テレビで5回特集した彼女の生き方は大きな反響を呼び、今日(2016年5月16日)からは一般の女性として初めてアフラックのテレビCMにも起用されています。

そんな弘子さんが大切にしているのが、渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」という言葉。
初めてそれを聞いたとき、なるほどと思いました。

置かれた場所で全力で咲いていることが、弘子さんを一層美しく輝かせているんだって。
私の乳がん闘病中は、自分の置かれた場所が嫌で仕方がありませんでした。

隣の芝生が青く見えすぎて、健康に笑っている人を見るだけで自分よりもずっと幸せそうだと羨んだり嫉妬したりしてしまい、そんな自分に自己嫌悪して……負のスパイラルに陥っていました。

それが、弘子さんは今置かれた場所で、そこだからこそ咲かせられる花を咲かせている。
大学時代の友人が就職していくなか、他人の芝生と比べずに自分の芝生を一生懸命耕し、治療を続けながらできる執筆活動や講演など弘子さんだからこその道を切り開いて。

■どこであっても自分らしく花を咲かせられる人生は幸せ

「がんは人生の道理を教えてくれる先生。がんになって自分らしく生きられるようになり、世界が広がり、がんになる前よりも今の方が幸せ」と言い切る姿には、いつも惚れ惚れします。

そして口を開けば「ありがとう」を言い、いつも家族や今まで助けてくれた先生、友人知人の名前を列挙して、「あの人にもあの人にもあの人にも恩返しするために生きるんだ!」と話す姿を見て、私だけでなく会う人誰もが応援したくなるんだと思います。

そして、そんなふうに大輪の花を咲かせていると、周りからたくさんの水や肥料が注がれて、ますます美しく育っていく。

多くの女性は、環境に恵まれた花畑で咲きたいと思うかとしれません。
でも、そこには、すでにたくさんの美しい花が咲いていて、自分も美しく咲くには努力が必要。
スペースも狭いし、ライバルもいっぱい。

一方、アスファルトの隙間から芽を出すのは孤独だしかなりの鍛錬がいるけど、ひとたび咲いたらひときわ可憐で美しい。

だから、もしこんなはずじゃなかった……という場所に置かれたら、ここで咲けるのはチャンスだ!くらいに切り替えてそこでどうやったら咲けるかを考えてみる。
置かれる場所はなかなか選べないけど、どこがいいも悪いもなく、どこであってもその場所で自分らしく咲くことができたら、それは誰がなんと言おうと美しく、幸せなのだと思います。

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鈴木 美穂

日本テレビ報道局記者、NPO法人マギーズ東京共同代表。 1983年東京生まれ。2006年慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、日本テレビ入社。2008年、24歳の時に乳がんが見つかり、8ヶ月間休職して闘病。復職後、社外活動とし...

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