【ジルデコ chihiRo 連載 #2】結婚式BGMにおすすめのジャズ
結婚式準備で悩ましいもののひとつがBGM選び。シーンに合わない曲を選んで興ざめされるのもつらいもの。そこそこ大人感を出せて、バランス◎のBGMとして使えるのが「ジャズ」でした。
■ウエディングの準備で意外と大変なBGM選び
6月になればいろいろな雑誌でウエディング特集を見かけるようになります。本当にジューンブライドが多いのであれば、その新郎新婦は今頃から本格的な準備に入っていることでしょう。
周りから「大変、大変」とは聞いていましたけれど、自分自身、実際に結婚式を経験してみて大変だったものの中に「BGM選び」がありました。
まず挙式、ゲストが待っている間、新郎入場、新婦入場、誓いの言葉、バルーンリリース、退場……そして披露宴に至ってはゲストの方が待っている間、入場、乾杯後、歓談、新婦の手紙、花束贈呈、退場……。
「え、こんなにたくさん決めておかないといけないの?」
「皆さん、こんな大量のBGMを自分たちで決めているの?」
正直「お任せしたいっす!」と投げ出したくなるくらいでした。
しかし、ここはミュージシャンである私。
誰にも期待されていなくとも、好みでないものが流れるのはちょっとプライドが許さない。
それにこれまでに出席した結婚式の中でも「え、今これ?」だの「うわ……ダサい」だの、心の中で言いたい放題だった私としては、ここで投げ出すわけにはいきません。
ただでさえ結婚式の準備に追われている新郎新婦さんにとって、BGM選びは意外と面倒なのです。
■格好つけすぎず、主役になりすぎない音楽
やっぱりゲストにも感動してもらいたいなら音楽はBGMとはいえ、結構重要ですよね。
感動シーンでアンニュイな音楽を流されて、今ひとつ感動できなかった記憶がありますし、ベタな音楽で「はい! 感動してください! どうぞ!」と言われているような主張の強いものに興ざめしてしまうこともありました。
こんなこと言っていると考えすぎて一向に進まなくなってしまいそうですが。
そこそこ大人で、いいバランスのものをと考えたときに「ジャズ」は案外使えます。
■ナチュラルな野外パーティのような雰囲気に
豪華絢爛が好きな方には合わないかも知れませんが、私がぜひお薦めしたいのが「Django Reinhardt(ジャンゴ・ラインハルト)」というギタリスト。
1910年ベルギー生まれでジプシー音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィングの創始者として知られています。
軽快なスウィングで昔の船上パーティや屋外でのパーティで流れていそうな、とにかくおしゃれで楽しい雰囲気になれる音楽です。
映画『ギター弾きの恋』の雰囲気そのもの!
音源も古いので、その埃っぽさもまた空気をガラッと変えて、その世界に連れていってくれます。
■歌詞が入っているものも選び方次第!
歌詞が入っているとBGMとして邪魔になるのでは、とも思いますが、選び方次第でとてもいい効き方をしてくるものもあります。
1920年代のような世界で楽しい雰囲気にしてくれるのが「akiko with Chai-Chii Sisters」の「Swingy Swingy」というアルバム。古いスタンダードを軽快なスウィングでかわいいハーモニーで聴かせながら、途中で日本語の歌詞が入るところは、ゲストに「おお?」と思わせ、こだわりを感じさせるかもしれません。
■デュエットものも程よく甘い雰囲気に
「TONY BENNETT&LADY GAGA」のデュエットアルバム「CHEEK TO CHEEK」。
ここまでくると結構「歌が強いな」といった印象を受けるかもしれませんが、たとえば乾杯の発声のすぐ後や、退場のシーンなどでは歌がドーンとくるものも素敵ですよね。私はこのアルバムのタイトルにもなっている「CHEEK TO CHEEK」というスタンダードナンバーが大好きです。「君と頬を寄せ合い踊っているとまるで天国にいるみたいだ」なんて歌詞もウエディングにピッタリだと思います。
■オムニバスの中から美味しいとこどり
ジャズの作品だからといってCDを聴いても、本当にいろいろなジャズがあって、ウエディングには全然向かないものもあります(笑)。そんなときは「スウィング」をキーワードに探してみるといいかもしれませんね。きっときっと会場をいい雰囲気にしてくれることでしょう。
準備に追われて「わー! もうわからない!」となったら、ぜひオムニバスのCDをダーッと聴いて好みを見つけるのも楽しいですよ。
優雅な気分や小気味良い軽やかなムードにしてくれるスウィングジャズは、大人ウエディング向き。
それでは準備、がんばってください!