【ジルデコ chihiRo 連載 #4】名古屋の名物ジャズスポット案内
chihiRoさんによるおすすめのジャズスポットをご紹介。初回は名古屋の「金山Mr.kenny’s」を取り上げます。
くる、くる、と言われていた「ジャズ女子」が本当にきているのかどうか、不安になる今日この頃。なんと言いますか、まるで実感がない。
ただ、我々ジルデコのライブに足を運んでくださるお客さんに女性が増えていることは実感している。
ジャズを楽しむ女子が増えたのか、ボーカルの私が35歳も過ぎてアイドル要素が完全に消滅したのか、原因はまだまだ定かではないが。
さて、現在妊娠8ヶ月になる私は増税前の駆け込み需要を思わせる勢いで全国へライブをしに飛び回っているところ。
皆さんにもぜひ知ってもらいたい素敵な場所がたくさんあるので、全国のジャズスポットを少しずつご紹介していけたらと思います。
お仕事帰りにふらっとジャズクラブへ立ち寄ると、通常なら高いチャージを払わないと見られないようなプレーヤーが遊びでセッションしているなんてこともしばしば。
とんでもない奇跡のような夜に遭遇できることもあるのです。
■名古屋・金山Mr.kenny’sとの出会い
名古屋・金山にある「Mr.kenny’s」とのそもそもの出会いは、我がバンドリーダーtowadaが名古屋へ行った際に「名古屋、ジャムセッション」で検索をしてヒットしたお店で、足を運んでみると、ちょっとジャズにうるさそうなマスターと美人ママがいて、
地元のミュージシャンに愛されている様子。
とりあえずジャムセッションに飛び入りし、地元のミュージシャンと仲良くなろうと、1曲ごとにテキーラを浴びながら演奏して、記憶の糸がつながらない状態になったところから出会いは始まっているようなのですが、幸い、出禁になることもなく、その後ジルデコも恒例でライブをさせていただくようになり、名古屋の実家的存在のジャズクラブ。
マスターはいつも本気なのか冗談なのか微妙なラインの話を淡々としてくれ、常に試されている気分だが、なんだかクセになってくる。
ギタリストなのだが、マスターのバースデーライブに駆けつけたときには、機材トラブルで音が出ず、ただステージで椅子に座っているだけの人という感じだったが、あとで「音が出なかったのは、わざとだ」と言っていた。
■ママも料理も素敵すぎる
ママはキラッキラの笑顔とハグで迎えてくれ、あれ食べなさい、これ食べなさい、今夜うちに泊まってね、お母さんと呼ぶには若すぎるが、そんな人。
先日は妊婦の私を深夜1時にステーキ屋さんへ連れてってくれた。パワフル。
お店はそんな二人のように気取らず、アットホームな雰囲気で、入りやすいのも魅力。
食事も美味しく、手作りメニューがまた何とも魅力的。
特製おでん、特製ローストビーフ、特製ラーメン。
ジャズクラブで、だ。
日曜日のお昼はランチセッションも開催され、プロ・アマ問わず楽器を持って遊びにきます。
ジルデコも土曜日にライブをさせていただくと、翌日セッションにひょっこり来ておでんを食べていたりする。
■柴犬、ケン太ともふれあってみて
そして運がいいときには「ケン太」に会えます。柴犬です。
柴犬というのは飼い主への忠誠心が強いぶん、周りにはちょっと厳しい一面もあり、私がマスターへ挨拶にと勢い良く駆け寄りすぎるとケン太からお叱りを受けることも。
ジルデコのkubotaもギターソロを弾いている最中にダメ出しをされることもあり、かなりジャズにもうるさい様子。中途半端なソロは許さない。
好物は肘。
ケン太と仲良くなりたいときは肘を差し出してみてください。
永遠に舐め続けてくれます。
「お店は人だなぁ」とつくづく思わせてくれるジャズクラブ。
だから一流ミュージシャンが集まり、たくさんのエピソードを作って帰っていきます。
ジャズをどこから聴いたらいいかわからないという大人女子にはライブという入り口がオススメです。CDを聴いているだけではわからない楽しさに出会えます。
近くへお住まいの方や、名古屋へ遊びに行った際は、ぜひ立ち寄ってみてください! また私の大好きなジャズクラブをご紹介したいと思います。