好きな人の筆跡、思い出せますか?
ある駅の構内に数枚掲示されていた、近隣の小学生が作った「壁新聞」。サイズはいわゆる模造紙、おそらく私たちの頃と変わらない割と大きいあの紙 ……にプリントアウトしたであろう綺麗なPCの文字が切り貼りされていた。
ある駅の構内に数枚掲示されていた、近隣の小学生が作った「壁新聞」。
サイズはいわゆる模造紙、おそらく私たちの頃と変わらない割と大きいあの紙にプリントアウトしたであろう綺麗なPCの文字が切り貼りされていた。
見出しも、それに続く文章も、ゴシック体のすっきりと見やすいPC文字。
見栄えはいいけど、どのチームも似たり寄ったりの没個性(に見えてしまう)。
えぇっと……こういうことでいいんでしたっけ?? 小学生なら「マッキー」でぐりぐりと書けばいいじゃない。 手を動かして書く&描くという行為をこの年齢でしなくてどうするのよ!なんて思ってしまったんですが、この子達の親って私くらいの年齢かしら。 担任の先生はもしかしたら年下かもね?
アナログな良さって絶対にあると私は思う。
その良さを知っている私たち世代(仮に親&先生)が、見た目の綺麗さを重視してしまうとしたら、それはなんか悲しい。というか残念。だって昔、授業中に先生の目を盗んで手紙をまわしたりしませんでした? そんなの次の休み時間に話せばいいのに、他愛もないことをわざわざ書いてまわしてしまう。 あの時のあの子の文字。
藁半紙に刷られた学級通信の先生の文字。
入学手続きの必要書類に記入してくれた親の文字。
たくさんの個性に囲まれていたあの頃は案外豊かだった気がするのです。
そういえば(かなり)大人になってからの恋愛では、好きな人の文字を簡単に思い出せないことにも気づく。 女に比べて男の人は筆まめじゃないからプレゼントの際に手書きのカードを添えて……ということもほぼないし、仕事の書類だって当然PCで作成されたものだし、ふだんのやりとりだって携帯メールとかだし……たぶん余程親しくならないと好きな人の筆跡を知ることができない。
とっておきのメールを「保護」しても、どこか感情のこもらないもののようにも見えるのは私がアナログ世代だから? (とは言え、穴があくほどニヤニヤしながら読み返したりしますが)
その人にしか持ち得ない個性を少しでも多く知りたい! という欲求をちょっと満たしてくれる「書き文字」。好きな人の文字なら別に上手じゃなくても愛おしくて「なんかいいなぁ」と思うもの。だから自分の字に自信のない女の人も、もちろん男の人も、好きな人に対して、ちょっとでいいから「書く」ということを煩わしく思わないで欲しい。 いつものメールを手紙で、なんて言わない(怖いし)。
1年に1度の誕生日か何かに書き文字のメッセージカードを添えることを奨励したい! アナログ回帰な今日この頃です。