ニューヨークで学んだこと。vol .4【松井里加のちょっとメイクが好きになる話】
ニューヨークでビューティーボランティアが発足して15年。そこで生まれるのはメイクが持つ愛の力。メイクアップアーティストの松井里加さんは、それこそが自分自身を奮い立たせる原動力になっている、と話します。
女性とは一体何歳まで美しくなる可能性を秘めているものなのでしょうか。
私は”永遠である”と自信をもって答えることが出来ます。
下に7人の女性達のポートレート写真があります。ミュージカルスターではありません。ニューヨークのマンハッタンにある高齢者施設に住む70〜100歳の女性たち。メイクアップボランティアによるメイク後の写真です。
私がこの活動を始めるきっかけになったのは、メイクアップを通じて社会とつながってみたい、何らかの形で人のお役に立ちたい。そんな夢をこのニューヨークで実現できないかと考えたことでした。
あるとき、友人のしているボランティア活動がヒントになり、老人ホーム施設へ行ってヘアメイクをさせてもらい、写真を撮り、ポートレートをプレゼントさせてもらうのはどうだろうかと思いついたのです。思い立ったらとにかくやってみようとマンハッタンにある施設数カ所に問い合わせてみました。しかし、なかなか個人では取り合ってもらえず途方に暮れていました。
そんななか、友人の紹介でNPO法人「New York de Volunteer」を主宰する代表の日野紀子さんとお会いすることができ、事情を説明すると提携施設があるので、まずそちらで一緒にやりましょうと、一つ返事で協力してくださることになったのです。すぐにヘアメイク仲間たちに声をかけ、友人のカメラマンに来てもらい、ボランティアの方々にもたくさん参加していただき、ウキウキドキドキで初めての日を迎えました。
メイクアップする側とされる側の間に生じる不思議な安らぎと信頼関係は、手と肌が触れ合うからこそで、言葉以上のコミニュケーションをつくり出すのだと改めて感じました。そして人が綺麗になるという喜びは心を華やかにして、生きる力を与えるくらいポジティブなパワーで周りや家族を包み込み、人々に跳ね返って、染み込んでいきます。ボランティアをしている側の私たちが逆にたくさんのエネルギーをいただいて、元気な気持ちで帰ったのを今でも覚えています。
こうして約15年前にニューヨークでビューティーボランティアが発足し、多くの仲間たちや、応援してくださる企業、人々に支えられ、今現在でも活動はニューヨークだけでなく東京でも続いています。素晴らしいメイクの愛の力が、日々私が頑張れる源になっているのだと実感し、感謝する日々です。
http://www.newyorkdevolunteer.org/activities/spa/index.html
http://www.tkdv.blogspot.jp
vol.5に続く。