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夫婦をやめたいけど仮面夫婦でい続ける? 相手の不幸を願う生き方は自分までも不幸せにする

夫婦をやめたい。そう思うことがあっても、家の中でも外でも本当の顔を隠している“仮面夫婦”。そのままずっと、仮面をはずさないつもりですか? 仮面夫婦をやめる簡単な方法を、経営者で心理療法家の稲垣佳美さんに寄稿いただきました。

夫婦をやめたいけど仮面夫婦でい続ける? 相手の不幸を願う生き方は自分までも不幸せにする

仮面夫婦というのは夫婦で人前にいるときは仲が良さそうに見えるのだけど、家の中では、まるでお互いに関心がなく、口もきかず、顔も見せないような夫婦関係をいいます。

外ではにこやかに仲の良い夫婦を演じる仮面を付けている、ということで、そう呼ばれるようになりました。

本人たちは、本当は夫婦仲がうまくいっていない、ということは周囲には言いません。夫婦仲のことは、ずーっと隠し続け、ごまかし続けているのです。しかも、周囲にバレてはいけないので、冷めた夫婦関係を誰かに相談することもありません。外ではひたすら仮面をかぶり続けます。

なぜこんなことが起こるのか。
なぜこの夫婦は離婚しないのか。
誰でも疑問に持つでしょう、なんてバカなことをしてるんだ、と。

社会的地位や仕事、両家の親の問題、子供の教育などを考えると、夫婦仲が良く見える方が都合が良いし、話し合って改善するのも面倒くさい、だから仮面夫婦でいる、という理由が大半です。

ですが、こういう社会的なこと、外側にある物事が、仮面夫婦の真の問題なのでしょうか?
本当は違います。よく考えてみてください、外と家の中の自分が全然違うことを。そんな生活をしていてよく疲れないな、と思いませんか?

このふたりはこの状況を外の問題がなくなるまで、たとえば会社の立場が問題なら、定年するまで、続けるつもりなのでしょうか? この先、何十年も。

でも、今の状況を考えたとき、それが一番ラクだし、良いだろうと思い込んでいるのです。

■夫婦をやめたいのに。意識しながら無視する歪さ

仮面夫婦は家の中では、お互いに無視し合います。
無視というのは一見、無関心に思えますが、実際の心理では、相手のことを相当意識しています。意識していないと無視はできません。

気が緩めば、ちょっとしたことを話してしまうように、何らかの交流を持とうとするのです。相手がそこにいないかのように振る舞うのは、実はかなり難しい。

それができる、ということは、相手をものすごく意識しているからです。意識をしながら、相手を無視している、という矛盾。

そもそもなぜこの夫婦は、家の中ではお互いを無視するような関係性になったのでしょう? 差はあるにしろ、一度は愛し合って結婚したふたりです。愛し合っていたのに、なぜこんなにも関係性がこじれてしまったのでしょう?

夫婦も何年かやっていると、お互いに何かしらの不満や不平が出てきます。女は我慢し、男は自分勝手になっていくのかもしれません。その結果、「夫婦をやめたい」と感じることもあるでしょう。

そのときに出てくるのが、私は正しい、あなたは間違っている、という感情です。

私があなたを無視するのは、あなたが間違っているからで、だからこれは正しい態度なのだと、正当化しているのです。これはもう、私はあなたをもう愛していないし、夫婦でいることをやめたいけど、でも可哀想なあなたのために、外では仲の良い夫婦を演じてあげる、という復讐です。

思い通りにならない相手、理想ではなかった相手、自分の思いや考えが伝わらなかった相手に対する怒り。

私はこんなに愛しているのに、あなたはまったくわかってくれない。だから私はあなたに、復讐する権利があると、心のどこかで思っているのです。

そうやって、身も心も相手への復讐で奪われていきます。

無視しながらでも一緒にいる。無関心でいようが、無視しようが、それでも離れず、結婚は継続している。

夫婦をやめたいけれど、離れようとしない。夫婦をやめたいけれど、“行動”には移さない。

自分が離婚したら、相手だけ幸せになるかもしれない、それは許せないと、思っているのかもしれません。

相手の不幸を願いながら、自分まで不幸になっているのです。

■仮面夫婦をやめたいなら、自分がしたい生き方を考えて

仮面夫婦は、外でも家でも仮面をかぶっています。本当の想いや気持ちを押し殺して、自分で自分の首を締めているのです。怒りや諦め、復讐のために生きる人生は、あなたの人生を台無しにします。

死ぬとき、その人生を後悔しない、と言い切れますか?
愛があろうがなかろうが、自分の人生はそれで良いのかを考えること
です。それは相手がどうか、なんて関係ありません。復讐したいほど愛していた、なんていうのはどうでもいいのです。

愛があるかないかが、問題ではありません。
そんなふうに生きていきたいのか、生きたくないのか、だけです。

気持ちひとつ、決断ひとつで、人生は変わります。
変わらないと思い込んでいるのは自分自身です。

仮面の下にある、本当の自分の顔。
今、どんな顔をしているでしょうか?

本当のあなたはどんな生き方がしたいと思っていますか?

仮面夫婦をやめる方法は簡単です。仮面夫婦をやめたいと思うなら今日、この瞬間、そんな生き方をやめる、と決断することです。仮面を外す、と決めることです。

仮面をかぶり続けても幸せにはなりません。
きっと死ぬとき後悔すると思います。

自分の人生を復讐に使うのか、幸せに使うのかは自分次第。
人生はあなたが思うより長いのです。あなたの人生をあなたがきちんと選んでください。

Text/稲垣佳美
画像/Shutterstock

1972年生まれ東京都出身
株式会社443代表取締役http://443ltd.com/ ・経営コンサルタント・心理療法家。
SNSフォロワー15000人 ブログhttp://ameblo.jp/yoshimi29/ (月間150万PV)
2001年より独立し現在までのクライアント数、約15000人。
心理療法家でありながらビジネスセミナー講師も務める。“心から望む思い通りの人生を作る”をキーテーマとし、経営、コミュニケーション、パートナーシップなど、様々な分野において劇的な変化を遂げるクライアントが続出している。自分らしさコンサルタントとして、全国女性誌『InRed』に掲載。コラムニストとしてキュレーションサイトグラップスへの寄稿も行う。

現在は、女性の起業をサポートする会員数650人の大人の女子校に参画し、講師を務める。
その他、全国での講演活動の他、都立高校でも登壇。その活動は多岐に渡る。

2016年4月20日公開
2019年5月12日更新

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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