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赤ワイン×和食のおいしさ新発見

初心者的な意見だと笑われるかもしれないけれど、赤ワイン×和食の組み合わせは、びっくりするくらい素敵だった。「寿司や魚には白ワイン」だと捉えていたけれど、赤ワインを合わせると、こっくりとした渋みがさっぱりした素材の味を引き立ててくれた。

赤ワイン×和食のおいしさ新発見

オーストラリアのワインがとびきりおいしいらしい。

ある仕事でオーストラリアの食について調べていると、ワインに関する面白い話に出会った。

昔は甘いワインがメジャーで、それを飲む人々も美味しいワインが何たるかを、わかっていなかったこと。20〜30年の間にワインづくりが進化し、素晴らしいものができあがるようになったこと。2012年にはオーストラリアのワイン輸出額が世界4位になったこと。今ではリーズナブルな金額感ながら、ハイクオリティなワインが手に入ること……などなど。

筆者はワインに詳しい人間ではない。お酒は昔より弱くなってしまったけれど、食事に行ったら適量を楽しみたい。ビストロやバルなどで飲むときは、基本的に白ワイン。自宅でもときどき飲む。つまり、お店が用意している美味しいワインをごく普通に楽しむレベル。

そんな筆者が、「グランジ」で有名なオーストラリアワインの最高峰ペンフォールズのワインとモダン和食とのペアリングディナーにお呼ばれしてきた。ペンフォールズ アジア地区アンバサダー ユアン・プロクター氏が初来日したのを機に、パークハイアット東京内にある日本料理「梢」で開催され、同氏の懇切丁寧なレクチャーで、初心者でも面白く学べる場となった。

170年の伝統を持つペンフォールズでは「様々な地域で採れる、異なる品種のブドウをブレンディングする」独自の哲学がある。たとえば、グランジには4つの地域から採れたブドウをブラインドテイスティングし、最上のものをブレンドしているという。

この日、ディナーでいただいたのは
クヌンガ・ヒル・オータム・リースリング
クヌンガ・ヒル・シャルドネ
ビン2・シラーズ・マタロ
ビン138・シラーズ・グルナッシュ・マタロ
セント・アンリ・シラーズ
の全5種類。

それぞれ、先付/寿司/煮物/焼物(魚)/進肴(肉)/食事(蕎麦)/デザートとマッチングする。1品ずつ提供される度に新たなワインが注がれ、飲みきれないものを、ペアリングされた献立以外のものと合わせて飲むのも、面白い発見があった。

クヌンガ・ヒル・オータム・リースリングは控えめな甘さで、最初の一杯には最適。クヌンガ・ヒル・シャルドネは柚子やグレープフルーツの味わいがフレッシュだ。ビン2・シラーズ・マタロは2種類のブドウがブレンドされた、重厚感のある味わい。ビン138・シラーズ・グルナッシュ・マタロ以降の2本については……おいしくて調子にのって飲んでいたら、酔いがまわってしまい、当時のメモが読める状態ではなくなっているのが切ない。

それにしても、驚いたのは赤ワイン×和食の組み合わせは、想像以上に素晴らしかったということ。今まで寿司や魚には白ワインを合わせるのがベーシックだと捉えていたけれど、赤ワインを合わせることで、こっくりとした渋みがシンプルでさっぱりした素材の味を引き立て、お酒が進む、進む……。

意外性のあるもの同士のペアリング、そしてオーストラリアが誇る珠玉のワインを一度試してみてほしいと思う。

池田 園子

DRESS編集長(2016年1月〜2020年1月)。

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