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朝はいつだって、贅沢なひとり時間。

必ずひとりで過ごす時間がある。それは朝だ。どんな日の朝であっても、自分だけの贅沢な時間を味わうと決めている。元来ひとりでいるのが好きな私にとって、朝は自由気ままなひとり時間として、なくてはならないものだった。

朝はいつだって、贅沢なひとり時間。

朝、ベッドから起き上がって、最初に手を伸ばすのは窓。角部屋に住んでいるため、ベランダのほか、2つの大きな窓がある。それらすべてを開け放ち、朝のつめたく新鮮な空気を招き入れる。どんなに寒い日であろうと、雨や雪が窓を激しく打ち付けていない限り、この行動を欠かさない。

それから向かうのはキッチン。ネットラジオをつけて室内に音を満たし、何度かうがいをした後、1日の始まりに飲むのは常温の水。それからお湯を沸かし、コーヒーを丁寧に淹れながら、野菜と果物、ナッツの粉でこっくりしたスムージーをつくり、体にビタミンを補給する。さらに、冷蔵庫からプレーンヨーグルトを取り出し、チアシードを加えて食べる。

その頃、コーヒーができあがっているので、甘いお菓子と一緒にいただく。ここまで、空っぽになっていた胃を栄養のあるものと若干ジャンクなもので満たす時間は、至福のときだ。自分仕様に100%カスタマイズされた朝食は、1日を自分らしくスタートさせるエネルギーを与えてくれる。

心と体が落ち着いた後は、5〜10分ほどストレッチや朝向きのヨガをして、洗面所へ移動する。泡立てた石鹸で肌の油分を落とし、たっぷりの化粧水と美容液、乳液で簡単なマッサージを交えながら肌に栄養を与え、朝のスキンケアはおしまい。

休日の朝はこの一連の“通常メニュー”をこなした後、ベッドに戻って部屋着のまま本を読んだり、海外ドラマを見たりと、人には見せられない姿でダラダラすることが多い。そんなひとり時間は「好きな時間」をTOP10でランキング化すると、3位以内に入ると思う。

職業柄、日中は人と会うことが多く、夜は気の合う人と会う時間に充てることが多い。慌ただしい大人にとって、仕事を終えてから眠るまでの夜の数時間は貴重。その時間をギリギリまで使って大切な相手と過ごすひとときは、人生という肉体に欠かせないサプリメントのようなものだ。

それでも、ふっとひとりの世界に戻りたくなる瞬間がやってくる。人間という存在は愛おしくて大好きだけれど、ひとりが恋しい。ひとりで好きなものに囲まれ、ぼんやりできる場所に帰りたい。結局のところ、私の最適な生き方は「ひとりで暮らす」なのだろうか。

そうは言っても、完全なる孤独は寂しい。ひとりとそうでない瞬間のいいとこどりをしたい、というずるい考えがある。ひとりでいる朝と他者と過ごす夜……その間を浮遊するかのように行き来するどっちつかずな生活を、この先も続けていくのだろうと思う。

池田 園子

DRESS編集長(2016年1月〜2020年1月)。

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