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この顔で泣いて笑って、生きてきた。たくさん刻まれた笑い皺も心地いい

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笑うと目元にいっぱいシワが寄るし、撮影ではそれをフォトショップで減らしてもらうこともしょっちゅう。それでも、“自分の顔”がやっぱり一番心地いい。タレント・エッセイスト 小島慶子さんのコラムです。

この顔で泣いて笑って、生きてきた。たくさん刻まれた笑い皺も心地いい

■新製品を次々に試した20代、子育てに忙しく美容なんて二の次だった30代

顔って、使い込むと愛着が湧くのだと思います。高級なバッグや靴と一緒ですね。はじめは使いこなせなくても、年季が入ると次第に体に馴染んで、世界にひとつだけのものになる。

私は今年48歳になるので、笑うと目元にいっぱいシワが寄るし、撮影ではそれをフォトショップで減らしてもらうこともしょっちゅう。ときどき鏡の前で生え際を引っ張って「ああ、昔はこんな顔だったな!」なんてやることもあります。でも、「生きている証拠だから、まあいっか」と思えるようになりました。自分に寛容になれるって、豊かなことです。

振り返れば、20代の頃は新製品を次々に試したり背伸びして高い化粧水を使ったりして、若さを満喫していました。30代は子育てで忙しくて、めんどくさいからとお風呂上がりに何もつけずに寝たり、メイクを落とさないで寝てしまったりと、かなり肌に負担をかけてしまいました。若さを過信していたのです。

40代前半にはその反動で高級化粧品にハマって随分贅沢しました。「さあついに『ラ・プレリー』世代になったぞ! 誰はばかることなく買っちゃうぞ!」という、ある種マダムプレイ的な楽しさがありました。今はそれも卒業して、よりシンプルなものにシフトしています。更年期を控えて、以前よりも肌が敏感になったことも理由のひとつ。とにかくなるべく刺激の少ないものを選んで、保湿とUVケアを心がけています。

■メイクは極力足さない。透明感と軽やかさを大切に

今では、メイクも必要最低限。仕事のときはヘアメイクさんにやってもらいますが、私生活ではファンデーションは滅多に塗らず、コントロールカラーにパウダーをはたいてマスカラとリップのみ。ファンデーションを塗るときも、顔の中央部と目元だけです。メイクは何かを隠したり誇張するためのものではなく、加齢でかすれた線や薄れた色彩を補うものだと思っています。

これまでいろいろなメイクさんと仕事をしましたが、上手な人にやってもらうと、帰宅して拭き取ったときにほとんどコットンが汚れずさっと落ちます。そうでない人のときは、コットンにべったりとファンデがついて、目元もクレンジングしてもいつまでも黒みが残るのです。だから自分でメイクするときにも、極力足さないことを心がけています。シワやタルミがあってもいいから、透明感と軽やかさ、柔らかそうな質感を大切に。そういうおばあちゃん、いますよね。しわくちゃでも、つい触れたくなるようなお肌のおばあちゃま。憧れです。

過剰なメイクをしない代わりに、ベースとなる肌は美容医療の力を借りています。39歳のとき、左頬にあった薄くて大きなシミをレーザーで取りました。以来9年間、同じ先生に2カ月に一度、手入れしてもらっています。私の顔の状態を見て、必要なレーザーを当ててくれるのです。何かトラブルがあるとすぐに先生にメールして相談。9年の間にお互いの人生についても知るようになり、単なる医師と患者の間柄ではなく、シスターフッドに近いものを感じています。美容についてなんでも話せる頼れる人がいるって、本当に心強いです。

■人生を楽しむ。変化を楽しむ。

2014年に家族でオーストラリアに移り住んで、早6年。オーストラリアと日本を行き来するようになって学んだこともあります。私が年齢を重ねることをさほど怖がらなくなった理由のひとつが、オーストラリアのビーチの風景。本当にあらゆる体型、あらゆる年齢の水着姿が見られるのです。

痩せてても太ってても、シワシワでも妊娠線があっても、中にはストーマをつけた人や、妊婦さん、赤ちゃん連れも。たっぷりした体型のおばあちゃんがビキニで歩いていても誰も二度見しないし、波打ち際で波に巻かれてはしゃいでブラがずれそうになっているおばあちゃんとか、競泳水着で黙々と泳ぐおばあちゃんとか、孫を遊ばせながら背中を日に焼いているおばあちゃんとか、とにかく誰も人の目なんか気にしていないし、他人のことも気にしていない。だって、ビーチってそういう場所だし。だから私も、胸元げっそりの薄型中年ビキニで楽しく海に入っています。日本ではなかなかそんな風景は見られませんよね。

人生を楽しむことが最優先。その一環として美容があるのです。だからコスメにハマるときがあってもいいし、シンプルなものに心惹かれるときがあってもいい。生身は変わり続けるものだから、変化に応じて自分の関心も移り変わるのを楽しめばいいのではないかと思います。

20代のころは、自分の顔に不満ばかりでした。全然好きになれなくて、憎んでいたと言ってもいいくらい。30代は、少しずつ自分を俯瞰で見ることができるようになりました。40代の半ばを過ぎ、シミと戦う自分、シワをよしとする自分、どっちにも「いいんじゃない?」と言えるようになってから、自分の顔が好きになりました。

この顔で泣いたり笑ったり怒ったりしながら、ここまできたんだものね。一緒に変化を乗り越えた戦友であり、親友です。もしも今、新品と取り替えてあげると言われても、手入れを重ねたこの顔が心地いい。そう言えるようになったのは、たくさん刻まれた笑い皺のおかげかもしれません。

小島慶子さんのイチ推しコスメ

「エムディア EGFリニューローション」

行きつけのクリニックで売っている保湿化粧水。手放せません。

「エレガンス ラ プードル オートニュアンス」

「エレガンス ラ プードル オートニュアンス」は、ファンデなしでも肌を明るく滑らかに見せてくれる魔法のパウダー。

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小島 慶子

タレント、エッセイスト。1972年生まれ。家族と暮らすオーストラリアと仕事のある日本を往復する生活。小説『わたしの神様』が文庫化。3人の働く女たち。人気者も、デキる女も、幸せママも、女であることすら、目指せば全部しんどくなる...

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