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映画『500ページの夢の束』感想。チャレンジする心を忘れないすべての人を応援する感動の物語!

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【シネマの時間】第39回は、主演に『I am Sam アイ・アム・サム』のダコタ・ファニングX『JUNO/ジュノ』『マイレージ、マイライフ』のプロデューサーが贈る愛とユーモア溢れるハートフルストーリー!映画『500ページの夢の束』をご紹介致します! 9月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー!

映画『500ページの夢の束』感想。チャレンジする心を忘れないすべての人を応援する感動の物語!

こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。

今も世界中で熱狂的なファンを持つSF人気シリーズ『スター・トレック』好きな読者の方々も多いと思いますが、個性豊かなキャラクターや壮大な世界観が魅力的ですよね。

【シネマの時間】第39回は、そんな『スター・トレック』の脚本コンテストのために一人旅をする、自閉症のウェンディの心温まる物語。映画『500ページの夢の束』をお贈りします!

脚本を手掛けたマイケル・ゴラムコ自身、熱狂的な『スター・トレック』ファンで、会話の隅々にも『スター・トレック』愛がいっぱい。

主人公ウェンディ役には、『I am Sam アイ・アム・サム』や『宇宙戦争』で天才子役として名を馳せたダコタ・ファニング。人生初の大きな目標のために、さまざまなトラブルを一つずつクリアして、つまずきながらも目的地に近づいていく愛すべき21歳の自閉症の少女を魅力的に演じています。

ウェンディを明るく見守るソーシャルワーカーのスコッティには、『シックス・センス』でアカデミー賞に、『リトル・ミス・サンシャイン』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたハリウッドを代表する演技派女優のトニ・コレット。

姉のオードリーに『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のアリス・イヴ、ウェンディを捜索するフランク巡査役は『レミーのおいしいレストラン』で主人公レミーの声を担当したパットン・オズワルトなどがしっかりと脇を固めています。

監督は、『セッションズ』で近年数々の賞に輝いたベン・リューインがメガホンをとり、どこか欠損やトラブルを抱えながらも、今より幸せな明日を手にするために懸命に生きる者たちを、フラットな目線で愛とユーモアを込めて描いた感動の物語!

私自身、ひたむきな主人公のウェンディーの姿に心打たれました。

ぜひ、映画館でお楽しみいただければ幸いです。

■映画『500ページの夢の束』あらすじー大好きな『スター・トレック』の脚本コンテストのためにハリウッドを目指す自閉症のウェンディの物語。

主人公のウェンディは、人気SFシリーズ『スター・トレック』が大好きな21歳の女の子。

自閉症を抱える彼女は、唯一の肉親である姉・オードリーと離れて、アメリカのベイ・エリアの自立支援ホームで暮らしていますが、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くことが趣味でした。

最近ではソーシャルワーカーのスコッティの協力を得て、シナボンというシナモンロール屋でアルバイトをはじめ、社会とのつながりを持とうとしています。

ある日、『スター・トレック』脚本コンテストが開かれることを知った彼女は、夢中になって500ページの大作を書き上げます。

そんななか、とあるすれ違いから、姉のオードリーと口げんかをしてしまったウェンディ。

ショックを受けた彼女はそのまま寝込んでしまい、気付いた時には郵送でコンテストの締め切りに間に合わない自体に陥ってしまいます。

涙をこぼして悔やみますが、なんとか自分で気持ちを落ち着かせ、せっかく書いた原稿をロサンゼルスのパラマウント・ピクチャーズ(『スター・トレック』の映画会社 )まで直接届けようと決心します。

500ページの脚本をお気に入りのスター・トレックの青のリュックに詰め込み、朝早く自立支援ホームを抜け出し、愛犬ビートとともにハリウッドを目指し、初めての旅にチャレンジするのでした。

家とアルバイト先の店を往復する以外、ほとんどどこへも行ったことのないウェンディが、一度も渡ったことのない通りに勇気を出して踏み出し、ロサンゼルス行きのバスに乗り込みます。

ベイ・エリアからロサンゼルスまで3日間の初めての一人旅。

その頃、自立支援ホームでは、出勤してきたスコッティが、彼女がいないのに気づいて大慌てで探し始めます。

バスでロサンゼルスまで行くはずのウェンディでしたが、なんとビートが車中でオシッコをしてしまい、途中の道でひとりと1匹は降ろされる羽目に。

目的地のパラマウント・ピクチャーまで370キロ!

彼女は、くじけずに歩き出しますが、その後もさまざまな困難に遭遇します。

一方、ウェンディが脚本を直接届けに行ったことに気づいたスコッティーもまた、反抗期の息子のサムを車に乗せてハリウッドへ向かいます。

さらに、報せを聞いた姉のオードリーもウェンディーを追いかけるのですが、それぞれの旅の行方は……?

果たしてウェンディーは、脚本コンテストの締め切りまでにパラマウントに辿り着くことができるのでしょうか……!?

大好きなものがあるって最強!

大好きなものは勇気をくれる。

ウェンディには、楽しいときも辛いときもいつでも『スター・トレック』がありました。

”チャレンジする心を忘れないすべての人を応援する感動のハートフルストーリー”

■自閉症とは?

映画『500ページの夢の束』の主役の女の子ウェンディは、自閉症を抱えるひとりです。

彼女は、自立支援ホームで暮らし、ソーシャルワーカーの協力を得て、シナモンロール屋でアルバイトを始めるなど、社会とのつながりを持とうとしています。

そんなウェンディは、人気SFシリーズ『スター・トレック』の知識では誰にも負けません。

劇中、同じショッピングモールに働く『スター・トレック』ファンが彼女にクイズ合戦を挑んできますが、驚異的な知識量で圧倒するのです。

『スター・トレック』の何がそれほどまでにウェンディを惹きつけるのでしょうか。

同作に登場する人気キャラクターのスポックは地球人とバルカン星人とのハーフで、感情をうまく表現できない人物として描かれており、ウェンディはそこに自分自身を重ね合わせているのでした。

脚本コンテストのために彼女が執筆した『スター・トレック』の物語には、彼女の伝えたい思いが詰め込まれています。

そんなウェンディが書いた物語と、現実が二重構造でシンクロしていくさまは、本作の一番の見どころでしょう。

『スター・トレック』は彼女が社会と向き合う接点でもあるのです。

自閉症とは「東京都自閉症協会」によると、先天的な原因から対人関係の特異性、コミュニケーションの質的障害、イマジネーションの質的障害という3つに特徴があらわれることから診断される障害です。

「自閉」という言葉からイメージされる「自ら心を閉ざしている病気」ではなく、育て方によって、後天的になるものでもありません。

原因は、まだ不明ですが、さまざまな所見や遺伝的研究から、先天的な脳機能の違いが原因となる障害だと、考えられています。

自閉症は、重度の知的障害を合併している人から、知的な障害がほとんどない人、IQ(知能指数)が通常より高い人まで幅広く、その個性も多様です。

どこからどこまでが「知的障害」、どこからどこまでが「自閉症」と区切れるものではなく、まるで虹の光のように連続していることから、自閉症スペクトラム(Autistic Spectrum Disorder:ASD)と言われます。

従来、知的障害のある(IQ70~75以下)人が7割から8割といわれていましたが、ここ数年、知的障害をともなわないタイプの自閉症が広くしられるようになり、早期発見が進んだことから、知的障害をともなわないアスペルガー症候群などの高機能ASDの割合が増えていると、医療機関や教育機関では実感されています。

また、てんかんを発症する自閉症児・者の例は多く(20%以上)、重度知的障害のある人の方がその割合が高いというデータがでています。そのほか、さまざまな感覚や、運動機能に特異性をもつ人もたくさんいます。このことからも、自閉症が精神の障害でなく脳の機能・器質障害であると想像されます。

( NPO法人東京都自閉症協会より参照 )

■映画『500ページの夢の束』作品紹介

映画『500ページの夢の束』は、2018年9月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
公式HP:http://500page-yume.com

原題:Please Stand By
監督:ベン・リューイ
製作:ダニエル・ダビッキ、ララ ・アラメディン、トッド ・ワグナー、ベン ・コスグローヴ
脚本:マイケル・ゴラムコ
撮影:ジェフリー・シン
プソ編集:リサ・ブロムウェル , ACE
美術:ジョン・コリズ
自閉症演技指導:エレーヌ・ホール
製作年:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:93分
映倫区分:G
日本語字幕:桜井裕子
配給:キノフィルムズ/木下グループ
©2016 PSB Film. LLC

■映画『500ページの夢の束』キャスト

ウェンディ=ダコタ・ファニグ
スコッティ=トニ・コレット
オードリ=アス・イヴ
サム=リヴァー・アレクサンダー
ジャック=マイケル・スタール・デヴィド
ジュリー=ジェシカ・ローテ
ローズ:マーラ・ギブス
男性看護師:ジェイコブ・ワイソッキ
フランク巡査:パットン・オズワルド
ドイル巡査:ロビン・ワガート


【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO

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諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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