【DRESSプロレス部 活動報告】DDTプロレスリング「Judgement2018~DDT旗揚げ21周年記念大会~」を観戦して
DRESSプロレス部では3月25日(日)、東京・両国で開催された「Judgement2018~DDT旗揚げ21周年記念大会~」を有志で観戦してきました。
DRESSプロレス部ではプロレス団体「DDTプロレスリング」3月25日、東京・両国で開催された「Judgement2018~DDT旗揚げ21周年記念大会~」を有志で観戦してきました。
当日はDRESSプロレス部 部員10名で会場に伺いました。DDTの観戦がとても久々というメンバーも。
当日は全12試合、いろいろなシングルマッチ(1vs1)やタッグマッチ(2vs2)を観ることができました。
DDTの特徴のひとつは、おもしろ系の試合からハード系の試合まで、多種多様な試合を楽しめること。そんなDDTの観戦レポートをお届けします。
目の前で繰り広げられるダイナミックな戦いは、見ていて気持ちがスッキリします。日頃溜まっているストレスも大きな声で声援したり、手に汗握る展開を見守ったりするうちに吹き飛ぶはず!
■「プロレスは誰もが楽しめると感じた」田中みち代さんの感想
小学生の頃祖母と一緒にテレビでみていたプロレス。画面の中での印象は、デカパンをはいた人達の戦い(女子プロはあまりみていませんでした)。
楽しんで観ていたけれど、その後数回しか生で観戦したことはなかったです。久しぶりに観たプロレスはまさにエンターテインメントでした!
いろんなジャンルのレスラーが個々の世界観満載の試合を繰り広げる。アナウンスもラフなものからきちんとしたものまで。いろんな世代、性別の方が楽しめるなぁ、と思いながら観ていました。
世代、キャリア、体格もまったく違うのに、お互い技を出し合い、試合という本番なんだけど、切磋琢磨されていく展開には、ハラハラドキドキする、すごい試合を見れました。
■「長時間でしたが、最後まで飽きずに楽しみ尽くした!」Sさんの感想
今回はDDTの記念すべき大会観戦……嬉しすぎました! これまで私は新日本プロレスを多く観戦していて、他団体の観戦はあまりしたことがなく、DDTは初観戦でまさかの両国での開催! テンション上がりすぎました。
観戦中はアルコール片手に大笑いしたり、真剣に応援したり。試合以外のマイクパフォーマンスやパワーポイントを使った説明まですべて面白い!
長時間でしたが飽きることなく最後まで観戦しました。試合終了後の選手自らによる物販も新鮮すぎました。
私はプロレスが好きすぎて、昨年、地元・九州から東京に引っ越してきて、後楽園ホールに近い職場で働き始め、そこに近い家に住み始めたくらいなんです。これからもますます後楽園観戦に熱が入りそうです!
DDT観戦ではグレート・ムタ選手が生で観れたのも本当に嬉しかったです。そして、メインイベントはやっぱり鳥肌モノでした!
■「プロレスは夢のような非日常空間」Sさんの感想
一緒に見にいった友達とも話していたのですが、あれは夢だったのかも……と思ってしまうほど非日常空間でした。
まず両国駅には力士の写真や手形が飾ってあり、両国国技館という場所はテレビでしか見たことがなかったこともあり、さらにワクワク。ちょうど天気も良く昼間からビールを飲みながら国技館へ向かいました。これ一番の幸せです。
入場すると通路の両脇にテーブルが並びTシャツやグッズが売られています。さながら学園祭のようなお祭り感!
やけにガタイのいい人が販売やビラ配りをしています。プロレスラーから直接グッズを買えてサインもしてもらえるそう。プロレスラーって生で見るととても大きくてびっくりします!
こんなに体格のいい男性が身近にいない私たちからすると、それだけで興奮度が高まる〜! なんて言いながら席へ移動。
リングは遠かったですが、巨大スクリーンを見ると、選手の表情が確認できて臨場感あり。プロレスラーの入場シーンが特にカッコいいです!
それぞれの音楽に合わせて入場し、リングインして決めポーズをすると、選手のカラーのリボンが投げ込まれ、とてもきれいで盛り上がります!
試合が始まると、2階席にまでバシッというチョップやキックの肉が当たる音が聞こえてきてびっくりです。肉を叩くとこんな音がするのか〜とただただ感心。発見することばかりでした。
プロレスラーは皆さん個性があって、キャラが強く、どの試合も新鮮でした。イケメンな人、渋い人、フレッシュな人、悪魔的な人などいろんなタイプがいて、全員がカッコいい! 文字通り戦う男性の姿を間近で見られます。
笑いのある試合はもちろん、真剣勝負の戦いも見られてDDTのプロレス観戦は大満足でした。ハマりそうです!
■「若きチャンピオンがこれからも未来を見せてくれそう」Hさんの感想&一部試合レポート
噂通りのバラエティに富んだ、ボリュームたっぷり(ほぼ6時間!)の、そしてDDT初観戦の私にも優しい大会でした。
プロレス好きの方はもちろん、今までプロレス、またはDDTを見たことのない方にもおすすめしたいので、まず簡単に基本情報をご説明させてください。
この大会はビッグマッチでした。プロレスの興行は1年を通してほぼ休みなく行われていますが、ビッグマッチは数カ月に1度などの頻度で開催されます。通常の試合に比べ、会場は広く、舞台演出や選手のコスチュームは豪華で、対戦カードはタイトルマッチやドリームマッチが組まれるなど、スペシャル感があります。
DDTは公式HPも親切で、大会開始前には見どころ解説、終了後はスクロールしてもなかなか終わらないほどの詳細なレポートがアップされていました。技の名前や、試合中にわからなかったことを確認したり、選手の試合後コメントを読むことができます。
プロレスは、リング外でもユニット(レスラー軍団)間の抗争や、対戦者同士の舌戦などストーリーがあるので、選手間の関係性や今後の展開に興味のある方は、チェックしてみると、より楽しめると思います。
DDTの試合を試しに見てみたい、解説つきで観戦したいという方には、動画がおすすめです。AbemaTVやDDT UNIVERSEで見ることができます。
次に、盛りだくさんで、とても全部はお伝えできないのですが、大会全体を振り返ってみます。
個性派揃いのDDTグループ所属レスラーはもちろん、世界的レジェンド、外部団体のエース、海外スーパースターのそっくりさん、選手のお父さんまで登場し、リサイタル、ダンス、(サプライズで登場した大谷晋二郎選手が信じられないという表情をするほどの)大爆破、バズーカでの客席へのTシャツプレゼントがあり、メインイベントの後はシャボン玉が飛ぶという華やかさでした。観客を盛り上げよう、自分たちも楽しもうという熱気が伝わってきました。
それぞれの試合は、たくさんのチームが入り乱れるランブル戦、美しき女同士の戦い、対戦相手の分析と対策をプレゼンした後に実戦で検証するアカデミックな(?)もの、お坊さんまで武器になるはちゃめちゃなもの、選手の人間性やドラマが垣間見えるもの、試合後に立ち上がれなくなるほどの削り合いなどでした。
計10試合以上でしたが、試合前に、出場選手の紹介や主要試合のそれまでの経緯が大型モニターで紹介され、あまりなじみのないルールは説明がアナウンスされるので、すんなり試合に集中することができました。
一度見ていただければ、笑ったり驚いたり惚れ惚れしたり感動したりして、終わった頃にはきっと、すっきりした満足感とともに、自分好みのレスラーや印象的なシーンが心に残っているのではと思います。
最後に、特に印象に残った試合についてお話しさせてください。
▼第四試合 アイアンマンヘビーメタル級選手権試合 60分一本勝負 <王者>スーパー・ササダンゴ・マシン vs 黒潮“イケメン”二郎<挑戦者>
ササダンゴ選手はスローモーションという技を使うのですが、ササダンゴ選手とイケメン選手の表現力が見事すぎて、リング上のスローモーションをコマ送りされたもののように錯覚し、(実際には存在しない)普通の速度の出来事を回想してしまいました。
ササダンゴ選手が客席を使ったワナを準備し、イケメン選手が観客とフレンドリーに触れ合いながら入場するのは作戦通りなのに、ワナはあざやかにかわされてしまう展開に大笑いして、すっかり試合に入り込んでしまったためだと思います。
これは現地にいなければ味わうことができない不思議な体験で、試合というよりアートを見た感覚になりました。
▼第七試合 ドラマティック・ドリームマッチ 30分一本勝負 グレート・ムタ&佐々木大輔&遠藤哲哉 vs 男色ディーノ&石井慧介&大家健
ムタ選手は、武藤敬司選手の化身です。武藤選手は、今月末に膝に人工関節を埋め込む手術を予定しており(現在は無事手術を終えられています)、これが年内最後の試合と発表されていました。
ムタ選手を生で見るのは初めてでしたが、パンプアップされた上半身と、歩くことすらままならないように見える下半身とのギャップに驚きました。バランスを確かめるようにゆっくり歩く姿は、魔界の住人らしい不気味なムーブにも見えますが、どうしても膝の状態を心配してしまいます。ところがグラウンドになると、獲物を捕獲する野生動物のように敏捷で、立っていた時はふらつく演技をしていたのではと思えるほどでした。
膝を痛める原因となったムーンサルトプレスは、手術後には使うことができません。この大会で一目見たいと多くのファンが期待していたと思いますが、生涯最後のムーンサルトは10日ほど前に武藤選手が披露していました。
ムタ選手がコーナーポストを登り始めた時には、会場全体がどよめきました。ムタ選手は体勢を崩しながらも登り切り、リング中央に向かって背中から飛び上がりました。時間が経つのを一瞬忘れるような、美しいムーンサルトプレスでした。きっと会場中が大声援だったと思うのですが、興奮しすぎてあまり覚えていません。
次にはっきり覚えているのは、ひとり残ったディーノ選手からの、「次はシングルで勝負よ」というムタ選手への呼びかけです。モニターに映し出されたディーノ選手は、手術の成功と復帰を強く願う、凛とした表情をしていて、赤い毒霧まみれでしたが、とてもハンサムでした。
▼セミファイナル ウチコミ!presents KO-Dタッグ選手権試合 60分一本勝負 <王者組>HARASHIMA&丸藤正道 vs 関本大介&樋口和貞<挑戦者組>
樋口選手がエースHARASHIMA選手から大金星を上げて試合が終了した後、丸藤選手は関本選手と握手を交わしていました。お互いへの敬意と感謝が現れた、素敵な光景でした。次に丸藤選手は樋口選手に手を差し出しましたが、樋口選手は応じません。試合中の闘争心がなかなか鎮まらないレスラーもいるそうなので、樋口選手もその状態なのかなと思いました。
丸藤選手は待ち、樋口選手は丸藤選手の手を取りました。モニターの中の丸藤選手は、穏やかな表情でまっすぐ樋口選手の目を見て、何か声をかけていました。「がんばったな」に見えました。先輩たちの厳しい攻めに耐えて耐えてついに勝利をもぎ取った後輩を、それまでの努力や苦しみも含め、心からねぎらっているようでした。
きっと丸藤選手も先輩から健闘をたたえてもらったことがあり、その先輩の気持ちも一緒に後輩たちに伝わっていくのだろうなと想像しました。丸藤選手の気持ちを受け取ってくれた樋口選手と、その瞬間を捉えて観客に共有してくれたカメラさんに感謝しました。
▼メインイベント KO-D無差別級選手権試合 60分一本勝負 <王者>竹下幸之介 vs 石川修司<挑戦者=D王 GRAND PRIX 2018優勝者>
(もちろん私の勝手なイメージですが……)チャンピオンの竹下選手は、俳優・森山未來さん似のどこか可愛らしい顔をしたアメコミヒーロー、挑戦者の石川選手は、昭和の凄みを漂わせるダンディな大巨人で、長身のふたりはとても絵になります。
試合は、竹下選手はスーパーアスレティック、石川選手は威圧感のある技+αが重々しく、未来vsいぶし銀のぶつかり合いです。
首を中心に攻められた竹下選手は、何度も手を握って感覚を確認していて、テーブルに落とされた直後は、場外に倒れたまま痙攣を起こしていました。石川選手は恐ろしく強いのです。リングに戻った竹下選手は、最初はこじ開けるように、最後はたたみかけるように石川選手にダメージを与え、卒論で研究したジャーマンスープレックスでベルトを守りました。
マイクアピール後、竹下選手は声援に応えるためコーナーに登ったのですが、バランスを崩してマットに落ちてしまいました。チャンピオンのまさかの姿に、首に受けたダメージの影響が気になります。
大会後、もうひとつ、おやっ? と思うことがありました。
入江選手がリングに立ち、竹下選手に挑戦表明した後のことです。彰人選手は猛反発し、竹下選手に意見を求めました。話し始めた竹下選手が、素に見えたのです。直前までの彰人選手のマイクには、プロレスラーらしい表現力があったので、竹下選手の飾り気のなさは目立ちました。
プロレスラーは、わかりやすいキャラクターを作り上げ、見る人にインパクトを与えるアピールをします。いわゆるケレン味というもので、見ている者の心に訴える、試合の注目度を上げる、自分の存在を際立たせる、対戦相手を挑発するなどの目的で、本音にも誇張やアレンジを加え、場合によっては本心と違う言動さえするものだと考えていました。竹下選手も、求められるチャンピオン像にふさわしいマイクをするだろうと思っていたのです。
竹下選手が、高校生レスラーとしてデビューしたことがスポーツニュースで取り上げられず悔しい思いをし、プロレスを他のスポーツと同等に扱われるようにしたいと語ったインタビュー記事を思い出しました。インパクトのあるキャラ作りやアピール力は、他のスポーツ選手には求められません。ひょっとして竹下選手は、プロレスの世界を、他のスポーツと同じ土俵で戦っているのかなと思いました。
独創的で自己プロデュース力に長けたレスラーがひしめくDDTの中で、チャンピオンの竹下選手が自然体と想像すると、DDTの、お互いの違いを認め合う自由な空気に少しだけ触れた気がしました。ダイバーシティに富んだDDTからは、これからも個性豊かなレスラーが出てくるんだろうなあと楽しみです。
竹下選手は、コーナーから落ちたときも素だったのかもしれません。その直前の力強いマイクアピールも、脚色抜きの、本音そのものだとしたら、言葉の重みがぐっと増してきます。プロレスとDDTが大好きなチャンピオンに、どんどん未来を見せていってほしいと思いました。
■DRESSプロレス部への入部、お待ちしています!
何度攻撃されても受け身をとって立ち上がり、立ち向かっていく。ボロボロになっているのに、最後勝利する。
そんな選手たちの姿を目にして、私たちプロレスファンはときに涙したり、感動したり、勇気づけられたりと、五感をおおいに動かされます。それこそがプロレスの魅力だと思います。
DRESSプロレス部では、部員さんを募集しています。1〜2カ月に1度は何らかのイベントや催しを開催していきます。
とくに今回のような、少人数での観戦ツアーは定期的に行なうので、すこしでもプロレスが気になる方、まずは観にいってみたい方は、DRESSプロレス部に入部をお待ちしています!
写真提供/DDTプロレスリング
4月29日には東京・後楽園ホールで「MAX BUMP 2018」が開催されます。
http://www.ddtpro.com/schedule/
いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。