香りも衣替えを。春におすすめのかろやかな香調3つ【三宅志穂】
春はもうすぐそこ。洋服を衣替えして、メイクも春らしいものに変えて……身にまとう香水も春らしいものにしたいですよね。暖かく過ごしやすい季節におすすめしたい香調3つを、アイテムと一緒に紹介します。
目次
香りを表現する「トップノート」や「フローラルノート」。この「ノート」は「香調」とも言われ、香りをタイプ別に分類するために使います。
香水や精油に含まれる何十~何百種類ものにおい成分は、揮発しやすい順に鼻に届き、私たちの嗅神経を刺激していきます。その順番で「トップ」「ミドル」「ベース」(ブランドや会社によって呼び方は多少異なります)と分類されます。また、香りの持続性もこの順番に長くなっていきます。
さらに、花の香りを再現したフローラルノート、東洋風のオリエンタルノートなど、香りの系統によっても分類できます。
香水も精油も、時間とともに香りの表情も強さも変わっていきます。刻々と変化する香りを一層楽しむために知っておきたいノート(香調)について詳しくお話しします。
春はトップノートが豊かでかろやかなものがおすすめ
新しい季節の始まり。日差しが暖かくなる春に向けて、洋服を衣替えして、メイクにも春色を取り入れて……そうしたら、香りもトップ~ミドルノートが華やかでかろやかなものに衣替えしてみましょう。
その中でもおすすめしたい香調3つを、チェックしていただきたいアイテムと併せて紹介します。
新たなスタートにぴったり。フレッシュなグリーンノート
透明感とフレッシュさが魅力のグリーンノート。シス-3-へキセノールというにおい成分が代表的です。精油ではガルバナムやバイオレットリーフが挙げられます。どれも匂い立つ若葉を思わせる、生命感あふれる香りです。
グリーンノートの原型であり最高傑作は、なんといってもシャネルの「No.19」。それまでにない鋭くも温かみのあるリッチな香りで、発売時には一大センセーションを巻き起こしたと言われています。香りの軸となるのは、ガルバナムの深い森を思わせる香りです。
香りの王道。ふんわりやさしいフローラルノート
香りの世界では、ローズ、ジャスミン、ミュゲ(スズラン)を“3大フローラル”と呼びます。必ずと言ってよいほど調合される重要な要素です。
どれも花の香り自体が古くから愛され、香料としても重宝されてきましたが、ミュゲだけは天然精油がほぼ取れません。それでも3大フローラルに入っているのはその魅力ゆえ。
フランスでは幸福を呼ぶ花として、5月1日に大切な人にスズランを贈る習慣があります。多くの人に愛されるミュゲの香りで、幸せを呼び込んでみるのはいかがでしょうか?
代表的な香りは、2006年から毎年5月1日に発表されているゲランの「ミュゲ」です。「ミュゲ」初代の発売は1908年で、現在は復刻版としてシリアルナンバー入りの限定ボトルで発売されています。
暖かい日差しを感じさせるシトラスノート
リフレッシュ効果が高く、男女ともに好かれる香りです。精油でも香水でも取り入れやすいだけに、ちょっと個性的な香りを選ぶことをおすすめします。
シトラスノートが特徴的なブランドの代表はアクア ディ パルマ。マンダリン、レモン、ベルガモット、オレンジといったシトラスノートを自在に操るイタリアのブランドです。メンズ香水の印象が強いですが、女性用やユニセックスの香りも出しています。
アクア ディ パルマの「コロニア」はオードリー・ヘプバーンも愛用していたといわれています。また、男女で同じ香水を共有するシェア・フレグランスとしても人気です。
季節の変わり目、心身の揺らぎに効くティーツリー
春はすぐそこ……とはいえ、寒い日もまだまだありますよね。花粉症の季節でもあり、体調を崩しがち。そんなときは、春に白い可愛い花を咲かせる、ティーツリーの香りを取り入れてみてください。
抗菌・抗ウイルス効果などが認められ、古くから万能薬として使われてきました。ティーツリーの清涼感のある香りを楽しみながら、心と体をメンテナンスしましょう。
ティーツリーの精油が配合されたアイテムは意外と少ないです。ボディショップのティーツリーシリーズや私が自社で手掛けたスキンケアブランド、穂 mi.no.ri.(みのり)のクレンズミストとプレミアムクリームなど、ご興味があればチェックしてみてください。
香りを上手く取り入れて、元気に心躍る春を迎えたいものですね。