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「ねことパリジェンヌ」に学ぶ、かろやかに生きるコツ【積読を崩す夜 #22】

【積読を崩す夜】22回目では、『ねことパリジェンヌに学ぶリラックスシックな生き方』(著:米澤よう子)をご紹介します。ねことパリジェンヌに見られる共通点から、自分らしく魅力的に生きるあり方が語られています。

「ねことパリジェンヌ」に学ぶ、かろやかに生きるコツ【積読を崩す夜 #22】

■「ねこ」と「パリジェンヌ」の共通点とは

積んであるあの本が、私を待っている……。少し早く帰れそうな夜、DRESS世代に、じっくりと読み進めてほしい本をご紹介する連載【積読を崩す夜】。

22回目は、『ねことパリジェンヌに学ぶリラックスシックな生き方』(著:米澤よう子)を取り上げます。

パリに暮らす経験を持つ著者が、ねことパリジェンヌの共通点から、女性が美しく心地よく生きるコツをご紹介します。

■飲み物はミネラルウォーター中心。心身をすっきり保つ

苦味と酸味を嫌うねこの飲み物は、決まって水。グルメなフランス人の水分補給もまた、ミネラルウオーターが基本です。

多数の銘柄から自分の好みを見つけ、それを常飲しているという事実を知ったのは30年前のパリ旅行で。当時、日本では水といえば水道水で、ペットボトル入りの有料の水はほとんど浸透していませんでした。

(18ページより引用)

イラストレーターとしてパリに移り住んだ経験がある著者は、水に対する認識が当時の日本とは全然違うことに驚いたといいます。

パリジェンヌにとって、水は美容ドリンクとしての側面があるようです。

有名な「コントレックス」が、日本に初上陸した際のセールスコピーは「スリムウォーター」。水に含まれるマグネシウムやカルシウムといったミネラルの効用について知るうちに、水に対する概念が著者自身も一気に変わったといいます。

その後、著者自身もパリで暮らすうちに、本格的にミネラルウォーターを常飲するようになり、徐々に体重減。デトックス効果がみられたと振り返ります。

さらに、フランス人は、大人も子どもも食事中に水を飲む習慣があるといいます。水メインの生活を続けると味覚が敏感になり、薄味でもしっかりキャッチできて、食事がヘルシー志向になるのだとか。

■パリジェンヌは軽やかなサバイバー

パリの人々の「真顔」は一見冷たく感じますが、それは「あなたの話を聞きます」という真剣さの表れだったりします。

なので、目を見て会話をすれば、心のロックは解除。親身になって応えてくれます。中略

パリは人や物が集中する都会であり、古くて趣ある建物がたくさん残る街。他にはない良さもあれば、特有のストレスもあります。中略

そんな中を、パリジェンヌは軽やかに生き抜いていると感じます。物理的にも心理的にも「ロック」をしっかりかけることを怠らず。それでいて「解除」したらちゃんとリラックス。

(58ページより引用)

ねこは、人との距離感をとりながらマイペースに生活しているように見えます。パリジェンヌも、人との距離をとる傾向があるため、一見するとクールな印象があるのだとか。

しかし、初対面で真顔であっても、二度目に会うときにはほほえみに変わり、親しくなると頬寄せ合う「ビズ」をする仲になることも多いです。

そして、大事なのは視線を合わせて、しっかりとアイコンタクトをとりつつ交流すること。それにより、互いを思い合う関係性が築けるのだと著者はいいます。

パリジェンヌが持つミステリアスな表情や態度は、さまざまな人が集まるパリの街でトラブルに遭わないための警戒心からであると著者は分析します。シンプルシックなファッションも、都会をサバイブするために最適な服装なのかもしれません。

それは、ただ人を疑っているのではなく、自分を守りながら生きるためのコツであるといえるでしょう。

■猫目アイメイクと肉球的ハンドケアで美しく

頬、口角など顔のパーツはなるべく「上がって」いるように錯覚させるのがパリジェンヌのメイク術。アイラインもキリッと上向きに(中略)

真冬のパリ、コートのポケットに手を入れ街を歩いていたらスキンケアショップの店先に立つマドモアゼルから「ハンドケアはいかが?」のお誘い。

暖かい店内でクリームを塗ってもらうと、「肉厚」の硬い私の手と、「肉厚」の柔らかい彼女の手のコントラストを感じずにはいられませんでした。

(98・107ページより引用)

アイラインや口角、チークの入れ方……きりっと上がった猫的メイク術は、パリジェンヌの主流であると著者はいいます。

パリ流の美的評価でいうと、ファッションは遠目で見て、すらっ&きりりとしていれば成功なのだとか。メイクも同様で、細部にこだわるというよりも、顔全体の印影を上手に作ってバランスよく見せることがポイントになっています。

そして、ねこの肉球といえば、ぷにぷにと柔らかく、ピンク色でツヤがあるイメージ。同様にパリジェンヌも、ハンドケアには余念がないようです。

日本と違い、シェイクハンド社会に生きるパリジェンヌにとって、手の感触は第一印象であり、ハンドケアに気を配るのは理解できるところです。

ねことパリジェンヌから学ぶ、毎日を自分らしく暮らすコツは、意外にもすぐに実践できそうなことばかりです。

『ねことパリジェンヌに学ぶリラックスシックな生き方』書籍情報

著者 米澤よう子さんプロフィール

東京都生まれ。女子美術短期大学卒業。グラフィックデザイナーとして広告制作会社に勤務後、1994年にイラストレーターとして独立。商品パッケージや広告ビジュアル、雑誌や書籍のイラストレーションを手がける。

ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター。女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っています。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。 ...

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