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2000円の恋、そして結婚【疲れない出会い】

『DRESS』1月特集は「疲れない出会い」。恋愛への入口となる「出会い」で、背伸びしたり、無理したり、取り繕ったり。自分を追い込んでつらいと感じているなら、がんばりすぎないで。背伸びせず、自然に過ごすなかで出会って、恋愛を経て結婚したふたりの事例をお届けします。今回は共通の知人を介して出会ったふたりをご紹介します。

2000円の恋、そして結婚【疲れない出会い】

素敵なパートナーがほしい、いい結婚がしたい――出会いを求めて活動するなかで、どこか疲れを感じていませんか。

合コンやパーティーにたくさん参加するけど、心に響く人がいない。マッチングアプリで色んな人と会うけど、「この人!」という相手に巡り会わない。がんばっているのに実りがないと、どっと疲れに襲われる瞬間がありますよね。

「恋って、こんなに疲れながら始めるものだったっけ……」と思い始めた人へ、今回はもっとナチュラル出会いをご提案。共通の知人を介したナチュラルな出会いから、結婚までに至った素敵な30代夫婦に話を聞きました。

登場していただくのは、2017年秋に入籍した、ハラダケントさん(30歳・仮名)、ミカコさん(34歳・仮名)ご夫妻です。

■出会いは共通の友人が数人いるイベント会場

――おふたりはどこで出会ったんですか?

ミカコさん(以下、ミカコ):2013年春頃に「阿佐ヶ谷ロフトA」で開催されたイベントです。お互いイベントを聴きにきていた参加者でした。登壇者のひとりが、私の前職の上司の友人で。それもあって参加してました。

ケントさん(以下、ケント):そうそう。共通の知り合いが何人かいて、ミカコさんを紹介されたんです。

――お互いの第一印象、覚えてます?

ミカコ:若い人だなって思いました。キョロキョロしてて、挙動不審気味だなとも感じました(笑)。

ケント:美人で巨乳だなと思ったのは覚えてます(笑)。

――挙動不審ってポジなのかネガなのか微妙な印象ですが、まったく印象に残らないよりは良いですよね(笑)。出会ってから付き合うまでは、どんな交流があったんでしょうか?

ケント:付き合うまでが長かったね。

ミカコ:イベントが四半期に一度ペースで、10回くらい開催される内容だったので、行く度に彼がいたんですよね。でも、「どうも〜」的な挨拶程度の交流しかなかったです。ただの知り合いでした。

――複数人で食事に行くことは?
 
ミカコ:彼が毎年30〜40人規模の忘年会をしてるんです。それに呼ばれたり、女性が足りないからと、合コンのメンツとして誘われたりしました。継続的なコンタクトがあって、細々とですがつながっていました。

――そこから距離が縮まるきっかけは何だったんでしょう?

ミカコ:彼から「パンケーキ食べに行きませんか?」って誘われました。何回かかけて数店舗回りましたね。それから映画に誘われたりして、付き合い始めました。

ケント:2015年のはじめなので、出会ってから1年半くらい経ってたかなぁ。

ミカコ:最初のパンケーキデートでは正直、「この人若くてプライド高くて面倒くさいな」と思ったんです(笑)。でも、デートを重ねるうちに、印象が変わっていったんですよ。面倒くささが抜けてきた、というか。自意識過剰気味なところも薄れていってました。

――ケントさん、その間に何かあったんですね(笑)。

ケント:ちょっといろいろと……(笑)。

■不自然な出会いを繰り返してうまくいかないと、人は疲れてしまう

――そこは深掘りせず、話を変えますね。今回の特集は「疲れない出会い」です。恋愛する過程で疲れを感じている方も多くいると知って、企画を進めてきました。おふたりは恋愛、とくに出会いを探す途中で疲れたことはありますか?

ミカコ:合コンの“現場”では疲れてましたよ。男性陣から面白い話が引き出せなくて、いまいち盛り上がらないとき、自分のスキルのなさにも苛立つし、男性陣にもがんばってくれよ! ってイライラしてました(笑)。あと、女友達が出会いにガツガツしたり、しなを作ったりする姿を見るのも、あまり楽しいものではなかったです。合コン自体が私に合わなかったんでしょうね。女同士のマウンティング合戦もストレスが溜まりました。

ケント:女性の間でマウンティングがあるの、僕も含め、男は気づかないですけどね……。ちなみに男にとって、合コンは男同士の思い出作りみたいな感覚です。合コンよりも、男だけの二次会とか反省会の方が断然楽しい(笑)。

――でしょうね。わかります。

ケント:ちなみに僕は、恋愛で疲れたことがないです。彼女が長くいなくて、そろそろほしいなと思っていたときも、疲労感を感じなかったですね。

――疲れる人と疲れない人には、出会いの求め方が違うのかもしれませんね。

ミカコ:人為的な出会いを繰り返している人は疲れるのかなぁ、と思いますよ。学生時代の友人が婚活サービスに登録して、活動していたときに話を聞きました。契約金10万円、月会費数万円を払っているから、早く決めてしまいたい焦りも生まれるし、相手選びに失敗したら一生の失敗だ、みたいなプレッシャーもすごかったそうです。ただ、ネット上でのやりとりなので、相手がいい加減なこともあって、連絡しても返事がないとか、途中で連絡が途絶えるとか、また一からか……と落ち込むこともたくさんあったと聞きました。

――お金と時間、両方がなくなっていく焦りは、疲れに直結しそうです。

ミカコ:彼女、地方在住なんです。自然な出会いがなかなかないから、マッチングサービスが頼みの綱で。東京とか大阪みたいな都会だと、私たちみたいな知り合いを介して出会う、みたいなこともよくあると思うんですけど。

――まさに、おふたりの出会いは「疲れない出会い」の理想的な形ですよ。

ケント:出会ってから関係を深めていくのに時間がかかりますけど、ゆっくり見定めていくほうがストレスはないと思いますよ。有料のサービスや合コンとかだと、自分が予想もしていないような性格がキツい人がいたり、変わった人がいたりします(笑)。時間とお金を費やして「あーあ」みたいな結果になると、疲れて当然です。

ミカコ:私たちの出会いって、ほとんどお金かかってないよね。イベントの参加費、1500〜2000円/回くらいじゃないですか。ただ、疲れないためには、そこそこのコミュニケーション能力や相手のいいところを見つけるスキルが必要なんじゃないかな、と。もし私が彼のことを「挙動不審で変なヤツ」と初対面で切り捨てていたら、付き合うことはおろか、結婚なんてしてなかったわけで。

――確かに。ただ、1回目で微妙だなと思ったら、そこで関係を断つ人も少なくないです。

ミカコ:「こいつ挙動不審・自意識過剰・面倒臭いと、3点揃った変なヤツだけど、この点は面白いな、いいな」とか、素敵な部分を発見する努力を双方がしないとダメ。それが疲れるなら、疲れない出会いなんてないと思ったほうがいいですよ(笑)。

■出会いを求めて、“ターゲット”がいる職場へ転職するのも戦略

――説得力がありますね(笑)。とはいえ、リアルでの出会いがそもそもないんだ、とおっしゃる方もいます。だから人為的な、ネット上での出会いを選ぶ。もちろんそれが合う人もいるんですけど。

ケント:「ハレ」と「ケ」の2種類があると、「ハレ」の方で出会いを見つけようとする人が多いから、「出会いがない」ってなってしまうんじゃないでしょうか。むしろ、「ケ」に出会いはあるのかなと思いますよ。

ミカコ:例えば職場ですよ。私、恋人や結婚相手を求めて転職するのはいいと思うんです。今勤めてる外資なんて、常に営業担当を募集していて、毎月10人くらい若い男性社員がコンスタントに供給されてきますよ(笑)。

――社内恋愛は避けたい、とか言ってる場合じゃないですね。

ミカコ:ホントそうですよ。女子トイレで聞いた話では、受付嬢や派遣社員の女性がタバコを吸うわけでもないのに喫煙所へ行って、営業にアプローチしているんだそうです。うちの営業は、稼ぐ人で年収数千万。1億円プレーヤーに近い人もいる。もし、お金を持っている相手を狙いたいなら、うまく出会って恋愛・結婚まで持ち込めたらラッキーですからね。

――ただ待っているんじゃなく、自ら狩りにいく姿勢も大事ですね。能動的な方が疲れないのかもしれません。

ミカコ:私、営業と組んで仕事することが多くて、若い独身のメンズたちと話すと「出会いがないんです」っていう子が多いです。そんなにイケメンなのに? って驚きますよ(笑)。ただ、忙しくて出会う暇がないんだそうです。だから未婚かつ恋人もいない、と。もしかして性格に難あり、な可能性もありますけど(笑)。 

ケント:30前後で不倫に走る女性がいるのは、いい男は忙しくて、恋愛市場にいない――その状況も関係してるんじゃないですか。

ミカコ:不倫って楽だから、遊びとして楽しむ限りでは、全然疲れないんです。ただ、慣れちゃうと、恋愛や結婚は難しくなると思いますよ。言葉は悪いですけど、面倒な部分は全部配偶者に押し付けて、美味しいところだけ吸い上げるわけだから、楽しいことしかないんです。

ケント:どんどん楽な恋愛に走る人いるよね。楽だからずるずると続けてしまうんです。相手とは不倫の関係でも、相手がよろしくない相手でも。

――つらいですね。疲れない恋愛を経て、いずれは結婚したいと考える人に必要なことって何だと思いますか?

ミカコ:自分なりのバリューを持っておくことじゃないですか。収入が高い、家事が上手い、料理が得意、面白い、癒し系……何でもいいんです。30代よりは20代の女性がいい、と考える男性は今も多いので、若い子よりもこの大人の女性の方がいい、と思わせる何かがあると強いですよね。

ケント:料理がうまいとか、美味しいお店を知っている、というのは魅力的ですよね。ミカコさんもそうですよ。

ミカコ:ごはんを食べるのが好き、というのはアドバンテージになると思います。出会って趣味の話、しますよね。そこでグルメの話になれば、好きな料理やよく行く店、エリアを聞いて、じゃあ今度◯◯に行きません? と提案するんです。いいね! と賛同されたらその場で「じゃあ、いつにします?」と予定まで決めちゃう。お店のストックを複数持っておけば無敵ですよ。

――「疲れない方法」は案外すぐにできるものが多いのかもしれません。本日はありがとうございました!

■まとめ

ケントさん、ミカコさんの話を聞いて感じたのは、疲れない出会いや恋愛は、実はけっこう身近にあるということ。アプリやサービスに頼ることがあるのも悪くはありませんが、同時に半径5メートルの範囲で自然な出会いを見直してみると、可能性が広がるのではないかと思います。

Text/池田園子

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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