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イタリア式クリスマスは新年まで〜ミラノ通信#22

イタリアでは新年6日までクリスマスモード。街中がイルミネーションで華やぎ、屋台は観光客で賑わいます。ミラノ在住の河見恵子さんにレポートしていただきました。

イタリア式クリスマスは新年まで〜ミラノ通信#22

12月を迎え、早いものでこのミラノ通信も2年目となりました。第1回目にはイタリア人のクリスマスの過ごし方をお伝えしましたが、今回はミラノの街角、この時期だけの情景をご案内します。

■11月末から華やぐミラノのクリスマス

12月7日、ミラノの守護聖人Sant`Ambrogioの祝日に、スカラ座は各界の重鎮やセレブが集まって華々しく初日を迎え、Duomo広場の巨大ツリーや通りごとのイルミネーションが灯りクリスマスモードに突入するのが慣例です。

最近ではイルミネーション点灯の時期が早まり、早々にツリーも運び込まれて、各通りにイルミネーションがキラキラと、11月末から街が華やぎます。

Galleriaの中央には毎年、スワロフスキークリスタルが輝く大きなツリー

クーポラ天井は、ブルーのイルミネーションとミラノ市の紋章

■毎年変わらないイルミネーションに安心

そして、このイルミネーション、毎年一緒なのです。今年の写真も、去年の写真も数年前も、違いがわからないくらい同じ! ヨーロッパは街並みもそうそう変わらないので、この変わらないところに、なんだかホッとします。

そして毎年、その同じ光景を見がてら、たくさんの人々がドゥオーモ広場を訪れてクリスマスの雰囲気を満喫し、プレゼント選びや買い物に興じるのです。

イタリアでは1月6日エピファニアの祝日、東方の三博士がキリストの誕生を祝って贈り物を持ちやってきた、とされる日までがクリスマス一連の行事となり、ツリーやイルミネーションもこの日まで飾られています。

ドゥオーモ広場から見たガレリア

■ドゥオーモの周辺は観光客で大賑わい。クリスマスならではの屋台も

Sant`Ambrogioの日からエピファニアを迎えるまで、ドゥオーモの周辺にはズラリと様々な屋台が並び、クリスマス気分を盛りたてます。

サラミやチーズ、蜂蜜、お菓子、チョコレート、クリスマス飾り、スリッパや厚手の靴下などの暖かグッズ、キッチン便利グッズ、本、アクセサリーなど、ちょっとした贈り物になるものが揃います。

週末はイルミネーション見物の家族や恋人たち、そして観光客で大賑わいのドゥオーモ近辺ですが、この屋台メルカートを目当てに買い物に来る人々も多数いるので、ライトアップが美しい夕刻からは特に混雑します。

ドゥオーモ広場に立ち並ぶ屋台は、クリスマス名物

ライトアップが美しい夕刻からは、連日たくさんの人が押し寄せる

■お菓子から雑貨まで豊富な屋台のラインナップ

12月のこの時期は日暮れも早く17時には暗くなります。気温もぐっと落ちて冷え込みますが、風は吹かないので、しっかり防寒していれば大丈夫。カフェや店舗、公共の交通機関も日本と違って暖め過ぎないので、コートのままでも適温。

汗をかくこともなく、外気温との差で風邪をひくこともありません。
環境にも体にも優しい省エネ、こんなところは自然でとても快適です。

さて、こちらの屋台を覗いてみましょう。
この時期だけミラノの街にお目見えする地方の物産もたくさん揃っていて、見応えがあります。

揚げドーナツやプレッツェル、普段あまり見かけないお菓子もたくさん。いい香りに誘われ、たまらずにその場で頬張っている大人もちらほらと。

この時期、招いたり招かれたりも多いイタリア、手土産になるような食べ物や、子供用の玩具、クリスマス飾りやあったかグッズなど、まとめ買いしている人もたくさんいます。

揚げパンにプレッツェル、その場で食べる人で飛ぶように売れている

スリッパや厚手ソックス、手袋などあったかグッズ

子供用のモコモコ人形

クリスマス飾り、など

ギフト用に重宝する、美しいパッケージの様々なトリュフ製品店

サラミは試食してみると、思いがけない逸品に出会うことも。この日は豚やイノシシの他に、鹿肉のサラミもあり、ソフトでジューシーな味わいに思わず購入しました。

サラミとチーズはイタリア全土で作られている

■クリスマスについ買ってしまう、お気に入りのチョコレート「クネージ」

ピエモンテ州クーネオの街の名物、クネージというチョコレートが私のお気に入りで、クリスマスのメルカートで見つけると必ず買ってしまいます。

梅干し大のチョコレートの中身は、ラムやグラッパ、アマレット、リモンチェッロ、コアントローなどのリキュール、カフェやカップチーノ風味、レモン、チェリー、トリュフなどなど、フレーバーごとに並ぶカラフルなディスプレイ。色も綺麗で、見ているだけで気分が上がります。

クネーゼチョコレート、好きなものを好きなだけ、の量り売り

見ているだけで気分の上がる、綺麗なパッケージ

■新年は赤い下着を身につけるのがイタリア流

イルミネーションやクリスマスツリーを見てから、ブラブラとメルカートをそぞろ歩いてギフトを物色し、おしゃべりしながら賑やかに買い物を楽しむのがイタリア流。

また、新年には男性も女性も赤い下着を身につける、というのもイタリア流です。
ランジェリーショップでは赤い下着がウインドーを飾り、エントランスには気軽なギフト用に可愛らしくパッケージされた真っ赤なショーツが並ぶのもこの時期ならでは。

5〜6ユーロのショーツから、ショーツとブラにキャミソールのセット、ちょっとコスチューム的なものまで、付き合いや親しさによって、いろいろ贈り合います。この機会にちょっとドキッとするような下着を贈って、距離を縮めようとする人もいるとかいないとか。

ランジェリーショップはこの時期、真っ赤!

■新年明けて6日まで続くイタリア流クリスマスを楽しんで

こんなクリスマスの余韻も、新年明けて6日まで。年末年始をイタリアで過ごす予定のある方は、イタリア式クリスマス、ぜひ楽しんでください。


河見 恵子

日本航空で15年間、国際線客室乗務員として勤務。退職後はミラノに居住し、東京と往復する生活。ミラノ・ブレラ地区を中心に、身近な情報をブログやFBで発信。ミラノでは在イタリア日本人のために料理教室をオーガナイズ、開催。ワイン好...

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