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「失恋しました」【経沢香保子】

失恋はつらくて苦しくてしんどい。でも、失恋を乗り越えたあなたが身につけるものはたくさんある。人の心を無理にコントロールしようとしない品格、愛する人に通じるすべてのもの受け入れる「愛の作法」、現実を受け入れる忍耐力など。そんな大きな愛を持つあなたを周囲は放っておかない。失恋を通じてあなたの人としての器は大きくなるのだ。

「失恋しました」【経沢香保子】

「失恋しました」

突然カミングアウトされ、胸に衝撃が走った。

「どう、最近元気?」とLINEした返信がその言葉だった。

なぜか、タイミングを同じくして、数人から失恋をカミングアウトされた。そういう季節なのかもしれない。年末は物事が発展もすれば、区切りもつきやすいシーズンだ。

だからといって、時季的なものだと片づけられるものではなく、「失恋が苦しくて、今生きているのがつらい」。そう言われれば、かける言葉が難しい。

なぜなら、私もそうだから。失恋、子どもとの永遠の別れ、退社……「別れ」は私の人生にも登場し、心に大きな穴を開けた。

思い出すだけでも胸が引き裂かれるようなそれらの体験は、何度経験したって慣れるものでなない。密かに忍び寄ってきて、不意に悲しみを胸に突き刺していく。その傷が癒えるのは簡単ではない。

それでも、人生は続いていく。どうしたらいいのだろうか?

■正しく次へ進むために、自分と向き合う

何人かの友人に聞いてみると、「うーん、私は行き着くところまで落ち込み続けるかな」「やさぐれないようにだけ気をつけた」「やっぱり、次でしょ、次の相手が見つかれば、すぐ忘れられるよ」など、人の数だけ方法がある。

自分なりの処方箋を探さないといけない。

そういえば、私はこんなことがあった。つらいだろうと気にかけてくれた友人が、素敵な男性を紹介してくれたのだ。微かな期待とともに臨んだ食事の場、なんとも話が盛り上がり、一気にいい雰囲気になった。そこで失敗をした。嬉しくて、調子に乗って飲みすぎたのだ。まだ万全でない心と体には、お酒は染み渡りすぎるものだ。第一印象は取り返せない。

考え方を変えなければいけない。心の整理をきちんとつけないと、正しい形で人生を進めていけない。

そこで、私は自分と向き合った。状況を客観的に見るようにした。その「別れ」がなぜ自分に降りかかってきたのか、なぜ、こんなに苦しんでるのか、何を学んだのか。

そして、気づいた。

私は、「最後まで、愛し抜いたんだ」ということに。

■本当に愛している人の、一度きりの人生を尊重する

シンプルに分けるなら、恋愛の最終形は「結婚」か「別れ」。それらは事実婚や死別なども含む。

「ふたりの同じ状態」をずっと保存し続けるのは難しい。

なぜなら、生きていれば、成長していけば、あなたも、彼も、ふたりを取り巻く環境も周囲も変化する。それは、仕事や家族の変化かもしれない、人生の目標が変わることかもしれないし、価値観の変化かもしれない。どちらかの寿命かもしれない。

どんなに愛していても、ふたりが一緒にいることができなくなるときは、誰にとっても必ずやってくるのだ。

一番好きな人だけど、相手にとっての一番ではなくなった。
早く結婚したいけど、相手は結婚したくない。
ずっと一緒にいたいけど、相手は一緒だと苦痛を感じるようになった。

だとしたら、相手をそっと離してあげよう。

あなたが彼を本当に愛しているのであれば、彼の決断を、彼の一度きりの人生を尊重しよう。

■互いにとって最良の道はなにか考える

もし、「離れるのは嫌だ」と強く主張して、一度は捻じ曲げることができても、長期的には最高の幸せは望めない。一方の意見が通り、その裏で我慢するという関係は、長期的には歪みを大きくするのではないか。

愛する人を無理やりにでも、そばに置いておきたい気持ちはわかる。でも、言ってしまえばそれは、あなたのエゴかもしれない。縋りつこうとすればするほど、あなたはだんだん虚しくなっていき、消耗してしまうかもしれない。

残念ながら、そんな状況では、彼はあなたを愛せない。愛してくれない人のそばで関係の継続を求めれば、精神は満たされず、猜疑心や不安で心が蝕まれていくならば、それはあなたの美人度をさげる。だからこそ、モヤモヤを長引かせるより、早く解放してあげるのが、お互いにとって最良の道なのだ。

彼に「今日までありがとう」と笑顔で告げて、次に進もう。

■失恋を乗り越えたあなたが身につけた多くのこと

それができたら、あなたは、彼のことを最後まで愛し抜いたことになる。

あなたは彼の決断と一度きりの人生を尊重し、彼につながるすべてのものを受け入れたことになるからだ。

だから、あなたが、彼への愛を完成させたと思えばいい。

つらいかもしれない。でもあなたは、こちらが一生懸命愛していても、ふたりが一緒になれない現実を受け入れるほどの忍耐力を身につけた。そして、あなたは、人の心を無理にコントロールしようとしないという品格も身につけた。さらに、あなたは、愛する人に通じるすべてのもの受け入れるという、「愛の作法」までも身につけたのだ。

それができたあなたは、バージョンアップして、次に進めるはずだ。

そして、それを実践できたら、そんな大きな愛を持つあなたを男性は放っておかない。だって、世界中の誰しもが、本当の愛が欲しくて生きているのだから。

さあ、年末年始は出会いの季節。この時期に失恋したあなたはラッキーだ。今から、愛に最高の季節が始まる。1秒前は過去。笑顔で新しい人生と向き合うためにも、今すぐ外に出よう!

Podcast配信中

「失恋」について、経沢香保子がさらに詳しく語っています。無料でダウンロードできるので、ぜひ聞いてみてくださいね。

https://itunes.apple.com/jp/podcast/経沢香保子の起業も人生も味わい尽くす/id1272616936

経沢 香保子

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びキッズラインを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社...

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