セックスレスになったときに試してみたいスキンシップ
いまや夫婦だけでなくカップルにも「セックスレス」という言葉が広がっています。性欲が湧かない、抱き合う気になれない、そんなふたりでは、付き合いを続けても先を考えるのは難しいですよね。できるなら、早いうちにセックスレスを解消したい。そのためには、日々のコミュニケーションやスキンシップを見直すことから始まります。
■夫婦とは違う、カップルのセックスレスになる理由
結婚しているふたりであれば、妻の妊娠や出産、その後の育児でどうしてもセックスから遠ざかる時間ができます。産後は性欲が減退する女性も多く、また産後クライシスなど夫婦間の問題も加われば、さらにセックスレスは加速することに。
ですが、まだ結婚もしておらず、出産の経験もないカップルがセックスレスになることも当然あります。
そこには「倦怠感」や「マンネリ化」という言葉が当てはまるかもしれませんが、本人たちの心にある「慣れ」の感覚が、抱き合うことの新鮮さを奪っていることも原因のひとつです。
毎度同じタイミング、同じ場所で同じ内容のセックス。夫婦のように子どもを作る目的のないカップルのセックスは、長く付き合っていれば単調になってきますよね。
どちらかが好奇心旺盛でいろいろなシチュエーションやプレイをしたがるなど、常に変化を求めているなら話は別ですが、多くのカップルの場合、生活のリズムもでき上がっていて、セックスもその一部になっています。
あえて新しいことに挑戦するとなると、それなりに心の変化や動機が必要です。そのとき、今までと違う自分を見せるのが恥ずかしくて提案をためらってしまったり、セックス好きと思われるのが怖くて言い出せなかったり、タイミングを逃している女性も多いのではないでしょうか。
本来、目的がなくても愛情を確かめ合うためにするのがセックスの役割でもあります。
ですが、慣れてしまうとそこから抜け出すことが難しく、努力することもいつしか億劫になってしまうことが、カップルのセックスレスにつながります。
■コミュニケーションを見直してみる
一般的にセックスレスの定義は、
とされています。
たしかに、肉体的に健康な男女が30日以上も抱き合わないことは、何か問題があるのでは……と考える人も多いとは思います。
なんとなくセックスについて意見を口にすることが面倒になり、パートナーからもなんの言葉もない。そんな、ベッドで過ごすことへの関心が薄くなることで、セックスレスへ進んでいくのです。
ふたりの間の性に心を動かせなければ愛情もまた育ちません。抱き合わないことは、愛情を確認する機会を放棄しているのと同じです。もし、最後にセックスをしたのがいつだったか思い出せないくらい、心が離れてしまっているのなら。まずは、ふたりのコミュニケーションから見直してみましょう。
セックスレスからの回復というと、今までと違ったことをしようといきなりセクシーな下着を身に着けてパートナーを誘ってみたり、性的な刺激を与えることを考える女性は多いですが、性欲が減退している男性にそんな迫り方をしても、かえって引かれる可能性が高くなります。
セックスを目の前に出すのではなく、その気になってもらうためには心の回復を考えること。
性は男らしさの象徴でもあり、女性が思うより男性は繊細にセックスについて考えています。
まずはふたりの間のコミュニケーションの質を上げ、パートナーが自然に抱き合いたいと思う状態を目指しましょう。
■会話は一番のスキンシップ
ふたりの親密度を取り戻したいとき、最初に取り組みたいのが「会話を増やす」ことです。
ふたりで過ごすのが当然になってくると、「おはよう」や「お疲れさま」など、かけて当然の言葉が遠ざかっている場合があります。いちいち声をかけるのが面倒という意識があると、それだけ相手に関心を向けることが減り、相手の変化にも気づきにくくなります。
朝、顔を合わせたらまず「おはよう」と笑顔で口にすること。先の笑顔は相手の笑顔を引き出します。彼女から「コーヒー入ってるよ」と告げられて、嫌な気持ちになる男性はいません。
お昼休みに送るLINEなら、まず「お疲れさま」。仕事帰りに会うときも「今日はどうだった?」と声をかけることで、パートナーに意識を向けていることを伝えましょう。
尋ねられると答えを返すように、そこから会話が広がっていきます。言ってみれば当然のことですが、意外と相手に質問することを忘れている人は多く、あえて言葉にすることでお互いの状態を確かめることを意識してみてください。
パートナーと付き合い始めた頃は、顔を合わせれば率先して1日のことを話していたという女性は多いと思います。彼からの話も楽しみだったはずです。相手に関心を向けることは、会話から始まります。言葉を重ねることでお互いを知り、愛情を覚えていく。交際が始まったばかりの頃の新鮮さを、言葉のキャッチボールで取り戻していきましょう。
■ふたりの「好きなもの」を再確認する
「ランニングが趣味で、昔はふたりで走っていたのに最近は別々になっている」
など、共通して好きなものがある場合は、もう一度ふたりで楽しむことを考えてみましょう。
気分が向上する時間を共有するのは、ふたりの絆を深めます。「この人だから一緒に過ごすことが楽しい」と確認し合うことで、愛しさが増していくのですね。
もし一緒にやれるものがない場合は、新しく探してみるのもおすすめです。彼の趣味に関するものを勉強してみたり、自分が興味のあるものに誘ってみたりするのも良いですね。
筆者の場合、夫が年甲斐もなくラジコンにハマったときは走らせる場所を探したり、部品を買えるお店をチェックしたりしていました。パートナーの好きなものに関心を持つ姿も、一緒に楽しみたいという気持ちの現れです。
肝心なのは、ふたりで楽しむこと。もう一度「この人と一緒がいい」とお互いに思えるような、密度の深い時間を過ごすことに心をくだいてみてください。
■小さな触れ合いを重ねていく
セックスレスが進行していくと、いつの間にかお互いの体に触れることもなくなってきます。キスなんていつが最後だっけ……なんてときは、今さらどうやってそんな雰囲気にすれば良いかもわかりませんよね。
スキンシップを取り戻したいと焦っても、いきなりキスやハグはハードルが高い場合があります。まずは、買い物に行くときは腕を組んでみる、部屋で過ごすときは背中にもたれかかってみるなど、小さな触れ合いから始めましょう。
スムーズに触れるためには会話が大切。良い雰囲気でお互いにリラックスしているときなら、抵抗なく受け入れることができます。お風呂上がりにマッサージをしてあげたり、冬ならボディクリームを塗り込んであげたりするのも楽しいスキンシップ。ひとりではできないことをやってあげると、パートナーも「お返し」を考えるようになります。
触れることから遠ざかっていると、男性のほうから手を伸ばすのは難しくなります。拒否されて傷つくのが怖いのは男性も同じです。大袈裟なことでなくても、こちらから少しだけ働きかけてあげることでパートナーの緊張をゆるめ、スキンシップを楽しみたい気持ちを盛り上げてください。
■セックスレスは解消できる
一度ベッドから離れてしまうと、昔のように抱き合うことはもう無理かも、と思ってしまいますが、ふたりの努力次第でセックスレスは解消できます。努力といっても、大切にしたいのはお互いの愛情という当たり前のことです。
心地よいコミュニケーションを重ねて、ふたりの心をリラックスさせてあげましょう。関心を忘れないことを意識していれば、会話も増えていくし共有する時間も多くなります。自然と「愛してる」が口をついて出てくるような、愛情あふれるふたりを取り戻してくださいね。
※ こちらは2017年12月5日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。