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人を惹きつける香りのコツは、戦略的に選んで、適量をつけること【三宅志穂】

香りは人の印象や雰囲気を決定づける重要な役割を果たします。香りを「なんとなく」ではなく、戦略的に使えるようになりたいものです。今回は基本のキ「香りの強さ」をポイントとして押さえましょう。

人を惹きつける香りのコツは、戦略的に選んで、適量をつけること【三宅志穂】

こんにちは。連載第1回「香りをまとわない女性に未来はない」では、香りは人の印象や雰囲気を決定づける、重要な役割を果たすというお話をしました。

予想を超える反響をいただき、香りに関心のある方がとても多いことを嬉しく思いました。今後、Facebook経由でいただいたコメントへのお返事や関連したポイントアドバイスも書いていきたいと思います。Facebookと併せてチェックしてみてください。

「香りをまとわない女性に未来はない」【三宅志穂】

https://p-dress.jp/articles/4818

今、あなたが感じるのはどんな香りですか。自分の香り、それとも、空間に漂っている香りでしょうか。日頃から「香り」を意識して生活することで、ワンランク上の魅力的な女性を目指しましょう。

香り選びは相手に与える印象を考えて、戦略的に

商品の香り作りで培ったセオリーから、皆様が日頃使う香りアイテム選びに役立つヒントをご紹介します。人を惹きつける香りについて基本から押さえていきましょう。

香りでお客様を惹きつけるためには、計算し尽くされた戦略を要します。商品の好き嫌いは、店頭のテスターなどで瞬時に判断されてしまうためです。

これは人であっても同じで、特にビジネスシーンでは、初対面の印象で先の展開が大きく左右されてしまうことがありますよね。

香りは第一印象を決定づける大きな要因のひとつ。だからこそ、「なんとなく」ではなく、戦略的に使いたいものです。

香りも服と同様、TPOに合わせて

とは言っても、「人を惹きつける香り」ってどんな香り? と思いますよね。でも、香りの種類に関するお話の前に、皆様に是非知っていただきたい重要なポイントがあります。それは「香りの強さ」です。

TPOに合わせて、「強さ」「質」ともに「適切な香りであること」は基本中の基本。例えば、食事の席では、どんなにいい香りでも、食べる楽しみを邪魔するほど強く香るものはNGです。一緒にいる方から顰蹙を買うのは容易に想像がつきますよね。

また、世の中には香りが苦手な方もいますし、所かまわず「プンプン香る」状態は誰しも避けたいと思います。

場をわきまえて香りを適度に使いこなすこと――これができれば、香りで人を惹きつけるための基本はクリアです。  

「香水のにおいがプンプン……な女性像」との闘い

日本人には「ほのかに香る」ことを美しいと感じる感性があります。香水は「強い、キツい、やりすぎ!」と、頭の中に「香水の匂いがプンプンする、けばけばしい女性像」が良くない例として強く焼き付いていて、香りを使うことに二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。

そんな中、日本で活躍し始めたのが、香りの強い日用品・化粧品の数々。香りの楽しみに目覚めた人が続々と増え、香りの仕事に携わるひとりとして、この変化をとても嬉しく捉えていました。

標準使用量を超えたら香害注意報

しかし、その一方で、「香害」という言葉が頻繁に耳に入るようになってきました。「香水と違って優しく香り、清潔感があって、香りに気遣う素敵な私が演出できる、しかも価格もお手頃!」という思い込みから、過剰に香り製品を使用する人が出てきてしまったのです。香りを使い慣れていないがゆえの失敗です。

例えば柔軟剤。洗濯のとき、干すとき、洗いたてのタオルに顔を近づけたとき、誰かと至近距離ですれ違ったとき……ほんのりふわっと香って幸せな気分になるように香りが設計されています。

標準使用量をはるかに超えた量を使って、人にしっかり香りを感じさせるように仕上げることは想定されていないのです。

シャンプーなどのヘアケア製品、ボディケア製品も同様で、過剰な使い方は、「プンプン匂う」強さと「良い匂いではない」バランスの崩れた香りの両方で、「香害」を引き起こしてしまいます。

要注意! においの濃度が変わると、香りの感じ方が変わる

さまざまな香り製品は、使用量を増やしたとき、良い香りが同じ香りの質のまま強くなるわけではありません。香りの質のバランスも変わるのをご存知ですか?

匂いを検知する嗅覚の機能はとても複雑です。たとえば薔薇の香り……といっても、薔薇の香りがする物質がひとつ存在するわけではなく、数百という匂い物質の組み合わせなのです。

匂い物質ごとに感じ方が異なりますので、用途に合わせて、最終的に「薔薇」と認識されるように組み合わせて作り上げられています。

ここで大切なのは、香り自体が、TPOや使う量を前提に設計されているということ。そして、使う側が間違った濃度で使用すると、意図しない香りになってしまうということです。

香りの強さをポイントとして押さえることが、香りを使いこなす上でとても重要なのです。

これが、香りで人を惹きつけるための基本の「キ」です。香水をはじめ、日用品・化粧品など、香りの強さを意識しながら楽しんでみてください。

実践あるのみです。次回、さらに一歩進んで、香りの「質」についてお話したいと思います。

三宅 志穂

株式会社フォルテ 代表取締役、化粧品研究者、香り専門家。 中学・高校をスペインで過ごし、帰国後、東京大学・大学院にて化学を専攻。修士課程修了後、花王株式会社の香料開発部門で研究者として基盤研究から100億円ブランドの立ち上...

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