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「移動中」の時間に何をするか

「移動中」の時間の使い方を見直してみませんか? 移動中は頭を使わないと、ぼんやりと考え事をしたり、スマホをいじったり、睡眠をしたりと、なんとなく時間を過ごしがちです。安藤 美冬(あんどう みふゆ)さんの連載、第11弾は「移動」について。制限時間のある「移動中」の時間の使い方にこだわってみましょう。

「移動中」の時間に何をするか

今年を締めくくるイベントとして、クリスマスイヴから大晦日までの6泊7日で、ニューヨークへひとり旅に行ってきました。

運良くマイレージでチケットがとれたので、ホテルはちょっと奮発。2012年にブルックリンに開業して話題になった「Wythe Hotel」、東京に上陸すると噂のデザインホテル「Ace Hotel」に宿泊しながら、カフェやシェアオフィスなどを見学しつつ、友人との再会や新しい出会いにも恵まれた良い時間になりました(ニューヨーク滞在記は、ブログ記事に詳しく書きましたのでご興味があればぜひ!)。

■移動の考え方が変わる「UBER」

UBER

ニューヨーク滞在中に利用してみて、特に印象的だったサービスがあります。それは、“ワンランク上のタクシー配車サービス”「UBER」(体験記を書いたブログ記事はこちら)。

アプリで配車予約をすると、台数の豊富なニューヨークであれば、ものの数分でタクシーが到着。

車種のランクも予算に応じて選べる上に、事前にクレジットカード登録を行うため、キャッシュレスで利用可能。降車もスマートです。領収書も降車すぐに登録していたメールに送られてきますので、何かと便利なのです。

中にはなんと「iPhone充電」「Wi-Fi」を完備しているタクシーもあって、ずいぶん驚かされたものです。

既存のタクシーサービスと比べれば若干値段は張りますが、隅々まで設計しつくされた乗車体験を考えれば納得。

通常利用はもちろん、様々なビジネスシーンや記念日などに利用する価値があると思います。

この「UBER」、昨年ついに日本に上陸を果たしました。まだ利用エリアが限定されていて台数も少ないのですが、「移動」が特別な時間になる体験を是非してみてください。

「移動」で思い出したことがあります。大ベストセラー『声に出して読みたい日本語』の著者・斎藤孝さんは、著書『15分あれば喫茶店に入りなさい。』にて、“カフェで仕事をする効用”を説いています。斎藤さんによると、カフェのような場所では、「周囲の雑音」と「適度な緊張感」のおかげで効率良く仕事がはかどったり、制限時間内にアイデアや企画が生まれたりと、一定のパフォーマンスを上げられるのだそうです。

以前にこの連載でも、「たまには、ホテルを仕事場に」にて、いつも働いている場所————例えば自宅やオフィスなど————から離れて仕事をするメリットについてご紹介をしている通り、「周囲の雑音」と「適度な緊張感」によって仕事効率が上がることを私自身も実感しています。

ちょっとお金をかけてホテルで缶づめになったり、新幹線のグリーン車に乗ったり、いつも電車で通う場所にタクシーを使ってみたりすると、「コストをかけている」という意識からなのか、いつも以上に時間に対する濃度が上がったりするんですよね。

■「移動」という行為を見直す

そこで提案したいのは、「移動中」にする行為そのものを見直し、「移動」にとことんこだわってみるということ。

移動というのは、スケジュール帳の「予定と予定の間」にあるもので、人生の脇役的存在です。

「移動すること」は大事でも、「移動時間の過ごし方」はあまり重要ではなく、ややもするとぼんやり考え事をしたり、スマホをいじったり、睡眠時間にしたりと、なんとなく過ごしがちの時間です。

そこで、「移動手段(what)」「移動時間の過ごし方(how)」「移動にいくらかけるか(how much)」など、移動を強く意識しながら再設計してみると、そこには劇的に人生を変える可能性があるような気がします。

メールチェックや資料の読み込みなど仕事はもちろん、「この電車を降りるまでの15分で企画を考えてみよう」と制限時間を生かしたゲーム感覚で取り組んでみると、緊張感も相まって意外といいアイデアを思いつくかもしれません。

移動が貴重な出会いの場になることもあれば、大事な交渉やミーティングの場に変化することもあるでしょう。

価値を生む「移動」について、今年色々と考えて実践してみようと思います。

「福岡移住」を叶えるLCCとその魅力

https://p-dress.jp/articles/544

福岡に移住する人が増えており、その理由の1つがLCCなどの登場で、移動のコストが大幅に下がったことが挙げられます。安藤 美冬(あんどう みふゆ)さんの連載、第13弾は「移住」について。「移住」「二拠点生活」がリタイア後の楽しみになるという話は、少し古い考え方なのかもしれませんね。

安藤 美冬

フリーランサー、コラムニスト。1980年生まれ、東京育ち。(株)集英社で広告と書籍の宣伝業務を経て独立。組織に属さないフリーランスとして、ソーシャルメディアでの発信を駆使した肩書や専門領域にとらわ れない独自のワーク&ライフ...

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