1. DRESS [ドレス]トップ
  2. ライフスタイル
  3. 松岡修造さんの「考えろ! 考えるな!」実践で、生きやすくなった

松岡修造さんの「考えろ! 考えるな!」実践で、生きやすくなった

松岡修造さんの名言「考えろ! 考えるな!」をご存知ですか。自ら努力してどうにかなるものは、とことん考えて取り組みたい。一方、相手の気持ちや考えなど、自分の努力やコントロールが及ばないものは、考えても仕方がない。くよくよするくらいなら、ほかのことに時間を割こう。生きるのが楽になる、そんな考え方を筆者の経験と共にご紹介。

松岡修造さんの「考えろ! 考えるな!」実践で、生きやすくなった

■自ら営業をかけてライターの仕事をとろうと必死だった日々

私はフリーランスのライターとして働いている。

クライアントから原稿執筆を依頼していただいて初めて仕事ができるのだが、仕事を始めた頃は新人フリーライターに突然仕事の依頼が来るわけもなく、自分で「ライター応募」の情報を探したり、「執筆させていただけませんか」と編集部にコンタクトをとったりしていた。

そんななかで、とあるWebメディアで執筆したいと思って、応募フォームから問い合わせてみた。が、連絡なし。

Webメディアの編集部はおしなべて忙しい。きっと自分の送った情報の中に、忙しい編集部の方の目を引くものがなかったんだなと考えた私は、求められてもいないのに過去の実績リストやサンプル記事、書きたい企画に関する資料などをどっさり添付して再度応募メールを送った。

すると今回は、「ご応募ありがとうございます。編集部内で確認し、ご連絡いたします」という旨のお返事をいただけた。おお、やった! 一歩前進だ。

■うまくいかない結果をどうにかしようと苦悩した末、疲れ切った

しかし――。1週間経っても2週間経っても連絡なし。毎日何度もメールをチェックして、「ひょっとしたら迷惑メールフォルダに入っちゃったんじゃないか」「もしかしたら、送った書類を読んでいただけてないのかな」などと悶々と考えていた。

もちろん、読んでいただいた結果、依頼するに値しなかったから連絡がこない、と考えるのが一番あり得そうで自然な話だし、諦めもつく。それなのに、「万が一そうでない可能性」を考えては、どうしたものかなと思案していたのだ。

そして、考えても考えてもひとつも良い案が浮かばないまま、疲れ切って、なんと高熱を出して寝込んでしまった。頭もろくに回らないので、悪あがきはひとまず強制終了。

■ふと目に入った松岡修造さんの名言「考えろ! 考えるな!」

3日間寝込んでようやく熱が下がった頃、当時毎月読んでいたファッション誌を開くと、松岡修造さんの名言特集が組まれていた。

その中で目を引いた……というか、パッと見て「意味がわからない」と思ったものが、「考えろ! 考えるな!」。

どっちだよ、と内心でツッコミながら解説に目を移すと、「自分のコントロールが及ぶこと、つまり努力したり注意を払ったりすれば結果が変わることには、よく考えて全力を傾けよう。でも、明日の天気とか、人の機嫌とか行動、そういう自分にはコントロールできないことについては、一切考えるな」という主旨らしい。

なんだか当たり前のことといえば当たり前なのだけれど、そのときの私には「あ、そっか」と心にすとんと落ちた。

考えてみれば、「資料を揃えて先方に提出する」は私のできることだし、その中でメディアに合う企画を提案するとか、魅力的なサンプル記事を書くことについては、考え尽くして工夫を凝らせば良い。

でもそれを終えたら、「先方がそれを読んでくれるか」、「気に入ってもらえるか」については、私のコントロールは及ばない。どんなに思い悩んだところで、先方の意思や行動を変えるのは無理だ。

だから、コントロールの及ばないことについてあれこれ考えて悩んでも、時間と気力、体力を無駄に使うばかりで何も生まれない。それなら、できることに注力したら、あとは気がかりな気持ちはそれとして置いておいて他のことに取り組んだ方が、よほど効率的だし、自分を無駄に痛めつけないぶん健康的だろう。

有名な「人事を尽くして天命を待つ」ということわざに通ずるものがあるかな、と思う。

■自分の努力で変えられること、変えられないことを線引きする

仕事に限らず、恋愛でもそう。

好きな人にアプローチして、精一杯の告白をする。それを受け入れてくれるかどうかは相手次第。

恋人と意見が食い違ったとき、言葉を尽くして自分の気持ちや考えを伝えるところはがんばる。それがどう響くかは、相手次第。

当たり前のようで、必死になっているとつい、自分の行動で何もかもをどうにか解決したくなって、うまくいかないと疲労やイライラを募らせてしまいがちだ。

まずは自分の努力やコントロールで変えられること、変えられないことの線引きをしっかりする。そして、変えられることについては全力を尽くして、変えられないことについては思い煩わない。このシンプルな頭の整理をするだけで、毎日が少しすっきりするような気がする。

吉原 由梨

ライター、コラムニスト。1984年生まれ。東大法学部卒。外資系IT企業勤務、教授秘書職を経て、現在は執筆活動をしながら夫と二人暮らし。 好きなものは週末のワイン、夢中になれる本とドラマ、ふなっしー。マッサージともふもふのガ...

関連するキーワード

関連記事

Latest Article