「女性」を言い訳にしない。性別を超えて活躍できる時代だから大切にしたいこと
29歳という若さでジョン・デュワーズ&サンズのグローバルモルトアンバサダーを務めるジョージィ・ベルさん。今回DRESSでは、ウイスキー業界で輝かしいキャリアを歩む彼女に今の時代を生き抜くための秘訣を伺った。性別を超えて活躍できるチャンスがあるからこそ、大切にしたいこととは――。
大麦麦芽を主原料とし、ひとつの蒸留所のみでつくられるシングルモルトウイスキー。蒸留所のある自然風土や仕込み水を利用してつくられるので、その地域の個性が色濃く味わいに反映されます。蒸留所への想いを馳せながら、こうした個性の違いを楽しむことが、シングルモルトの魅力でもあります。
そんなシングルモルトウイスキーの楽しみ方を存分に味わえるのが、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町の中にあるバー「イルミード」。
ここでは、世界有数のウイスキーブランドであるデュワーズが提供する6種類のシングルモルトを味わうことができます。シングルモルトのアンバサダーを務めるのはジョージィ・ベルさんです。
バー「イルミード」店内の様子
大学卒業後からウイスキー業界のキャリアを歩んできたベルさんは現在、ウイスキー愛好者を増やすための活動を世界中で展開中。
今回は、そんな彼女にウイスキーの魅力や楽しみ方、そして性別や年齢など関係なく、誰もが活躍できる可能性を秘めたこの時代において、私たちが輝いて生きるための秘訣をお伺いしました。
■ウイスキーを広めるために、1年のうち9ヵ月は世界各地を旅する
――ベルさんは今、どのようなお仕事をされているんですか?
現在は、バカルディの傘下であるデュワーズのグランドアンバサダーとして、5種類のシングルモルトを世界中に広めていくというのが主な仕事です。
世界各地のセールスチームと情報を共有しながら、一般の消費者の方々に向けてシングルモルトを普及させるために、研修を行ったり、メディア対応をしたりしています。ウイスキー文化を世界中で発展させるために、1年のうち9ヵ月くらいは旅に出ていますね。
――9ヵ月⁉ ウイスキーへの熱い情熱を感じます。
私はウイスキーの助演女優のような気持ちで活動を続けてきました。どれだけ世界中を旅していても、すべての地域に私が足を運ぶことはとても大変です。
ですから、ウイスキーやそれぞれの地域に点在しているアンバサダーの方々が助けを必要としたとき、それをサポートすることが私の役割だと思っています。
■ウイスキーは男性だけの飲み物じゃない。誰にでも楽しんでほしい
――ご自分の役割を明確にして活動されているんですね。数々のウイスキーを体験してきたと思いますが、その中でもウイスキー初心者の女性に向けた、おすすめの楽しみ方を教えてください。
そうですね、まずウイスキーという飲み物は”女性”に限らず、誰にでも楽しんでもらいたいと思っています。
「ウイスキーは男性が飲むもの」というイメージがあるかもしれませんが、そうした固定観念を取り払うためにも、性別という範囲を超えて、その魅力をお伝えしていきたいです。
ウイスキーの味に徐々に慣れていく
――性別にとらわれず、多くの方々にウイスキーを楽しんでもらいたい、と。
ウイスキーは、徐々に慣れていくタイプの飲み物です。
これはコーヒーと同じですね。私も最初コーヒーを飲んだときには、全然美味しいとは思えなかった。でもチョコレートを混ぜてモカのように飲み始めてからは、徐々にその味を覚えていきました。
ウイスキーについても、このような過程が必要だと思います。なので、まずはカクテルやハイボールという形でウイスキーを体験していくのが一番なんですよ。
そのうえで今おすすめしたいのは12年ものの「デュワーズトゥエルブ」というウイスキーです。
「デュワーズトゥエルブ」は、ドランブイというカクテルやハイボールとして味わうのが良いかと思います。
それから、スコッチウイスキーには、(飲んでいると)徐々に味を覚えていくという特徴があります。一度ストレートで飲んでみてください。ストレートで飲むことによって、そのウイスキーの味を知ることができます。
――味を知るためにストレートで飲む。そういう学び方もあるんですね。
ストレートで飲むのであれば、「アバフェルディ」の12年ものが良いかと思います。
少量の水と混ぜることで、ハチミツや塩キャラメル、ミルクチョコレート……これらの風味が一体となって口の中に広がっていく感覚を味わえますよ。
それから「オルトモア」というウイスキーもおすすめ。これも12年ものなんですけど、軽くてデリケート、そしてエレガントな味なので、食前酒として飲むのが良いと思います。
■性別・年齢に関係なく活躍できる時代、大切にしたいのは情熱と覚悟
――先ほども性別の話題に少し触れていただきましたが、今の時代では、性別に関係なく誰もが活躍できる社会に近づいていると思います。そんな社会の中で、ベルさんのように、女性が自分の「好き」を仕事にして輝くために、何が必要だとお考えですか。
やはり、情熱を持つこと、献身的な姿勢、自分に自信を持つことではないでしょうか。そして大切なのは、自分が正しいと思う信念を持って、そこに取り組んでいくことだと思います。
昔からウイスキーの仕事には女性も携わってきましたが、最近ようやく女性たちにもスポットが当てられるようになりました。そういう意味で私たちは、良い時代に生きていますよね。どんな職業もジェンダーレスな時代がやってきています。
ですので「女性だ。女性だ」と全面に出すことでは、信用を勝ち取ることはできません。性別が関係ないからこそ、きちんとした信頼を勝ち取り、情熱をもってそこに身を捧げる態度が重要だと思います。
――性別は関係ない。だからこそ、その人自身の情熱が問われるんですね。
私は人生のかなりの時間をウイスキーの仕事に費やしてきました。この仕事は本当に面白いので、もうほかの仕事は私にとっては考えられない。それくらいの情熱を傾けています。
――最後に、今ベルさんが一番興味があること、そしてこれからチャレンジしていきたいことを教えてください。
興味を持っているのはやはり、スコッチウイスキーの啓蒙活動ですね。これは私自身がとても楽しみながら取り組んでいます。
チャレンジとしては、ウイスキーの固定観念を打ち破る……そこにあるべきだと考えられているルールを打ち破っていきたいと思っています。難しいチャレンジではあるものの、とてもワクワクしています。
■シングルモルトで、上質な休日を過ごしませんか?
豊かな自然と最新の機能が高度に融合されたホテル「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」の35階にあるバー「イルミード」では、英国スコットランドで蒸留された6種類のシングルモルトを味わうことができます。
ウイスキーに長い時間と情熱をかけてきたベルさんが、アンバサダーを務めるウイスキーを飲みながら、今週末はワンランク上の休日を過ごしてみませんか?
【ベルさんおすすめ】ウイスキーカクテルのレシピ
「ドランブイ」の作り方
材料
・デュワーズトゥエルブ(50ml)
・生搾りレモン汁(25ml)
・シュガーシロップ(12.5ml)
・ブラックベリーリキュール(10ml)
作り方
1.氷をいれたグラスにデュワーズトゥエルブと生搾りレモン汁、シュガーシロップを入れる
2.クラッシュアイスを乗せる
3.ブラックベリーリキュールを入れる
4.ブラックベリーをお好みで添えて完成
ジョージィ・ベルさんのプロフィール
デュワーズ グローバルモルトアンバサダー ジョン・デュワーズ&サンズ
エジンバラ大学在学中にバーテンダーとして働いていたときに、ウイスキーの魅力に気づき、そこからウイスキーを仕事に。より深い知識を求め、醸造・蒸留研究所にて蒸留を勉強。The Worshipful Company of Distillersのプロモーションを通して、国際的な賞も受賞するなど、グローバルな活躍も。
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