場面や状況に応じて集中することが難しく、絶えず動き回わっている状態。児童が授業中に教室の内外を落ち着きなく徘徊するといった行動異常をさしていう。過活動。
多動力とは? 多動力を身に付ければ、二兎を追って二兎とも得られる
最近よく耳にする「多動力」という言葉。多動力とは、一体どのようなことを意味するのでしょうか。今回は、多動力を生かすと、どのようなメリットがあるのかをキャリアアドバイザーの視点からご紹介します!
多動力とは
こんにちは、キャリアアドバイザーの筒井トモコです!
最近、「多動力」というキーワードをよく耳にします。
「多動」について調べてみたところ、辞書では以下のように定義されていました。
一見、ネガティブに聞こえる言葉ですが、なぜ話題になっているのかというと、ホリエモンこと堀江貴文さんが同タイトルの書籍を上梓されるのが理由のようです。
今回は、キャリアアドバイザーの視点から「多動力」についてお話します。
高城剛さんが提唱する「多動力」
「多動力」の名付け親は、映像作家やDJ、作家など、幅広く活動する高城剛さん。
調べてみたところ、初出は2015年12月15日に公開されたダイヤモンド・オンラインの記事です。
高城さんは同記事の中で以下のように述べています。
僕は非常に多動症的なんです。シリコンバレーにも多動の人がいっぱいいるんですよ。例えばテスラ・モーターズCEOのイーロン・マスクっていう人が有名で、服を着られないんです。服を着ている間に次のことをやりたくなっちゃうから、ボタンをとめられないんですよ。
(中略)
僕はそういう多動症的なものを「多動力」と言い換えてて、今のビジネスマンに必要なのは瞬発力より「多動力」のほうだと思う。
これを受けてブロガーのイケダハヤトさんも、自身のブログで「多動力」について、「これはいい言葉ですね!」と言及されています。
会社員は「多動力」を発揮しにくい?
キャリア相談の現場でよく耳にする転職理由のひとつに、「やりがいがない」「やりたいことをやらせてもらえない」というものがあります。
実際、とくに若手のうちは新規事業を立ち上げることがままならなかったり、たとえ提案しても稟議に時間がかかる・稟議が通らないというケースもよくあります。
ビジネス書などには、「失敗経験を積め」「場数を踏め」というようなことがよく書かれていますが、なかなかチャンスが回ってこないと思っている人も多いはず。
私も若い頃は上司に何か新しいことを提案しても、話を聞いてもらえなかったり、稟議のスピードが遅かったりして凹んだことも……なので、そう思ってしまう気持ちはよくわかります。
でも、せっかく自分なりに考え抜いたアイデアなら、何とか実現したいですよね。
まずはスモールスタートしてみる
コレをやってみたい! と思えることが見つかったら、いきなり上司に提案するのではなく、まずは自分のできる範囲でスモールスタートしてみることをおすすめします。
新規事業を立ち上げたい人は、その事業で使えそうなデータを収集してみる、先輩や同僚に相談してみる。独立を考えている人は、協力してくれる友達を探す、ボランティアでやってみる。
そうすることで、思わぬ発見があるかもしれませんし、企画やアイデアの穴が見つかるかもしれません。
もしくは、実際にやってみたら全然楽しくなくて、3日坊主となり続けられないかもしれません。よく「3日坊主で続かない」という人がいますが、多動力の考え方でいえば問題ありません。
「継続できない」ではなく、「向いていないことがわかった」と捉え直してしまいましょう。
強みを掛け合わせてオンリーワンの強みを見つける
やってみたくてウズウズしていることをスモールスタートでどんどんやってみる。そうしていくと、自然に「好きなこと」が残っていくはずです。
株式会社ビームスの社長を務める設楽洋さんの言葉に、「努力は夢中に勝てない」というものがあります。
多動な人は熱しやすく冷めやすいともいえますが、興味をもって取り組むときの集中力は相当なもの。放っておいても勝手にやってしまうこと、ハマってしまうこと(=好きなこと)は、その人の持つ「強み」と表裏一体なことがほとんど。
多動力を活かして自分の強みを見つけることができれば、それを複数持つことで「自分だけの強み」を見つけられるはず。
自分だけの強みについていうと、キャリアカウンセリングの現場で、「自分の強みがわかりません」というご相談を受けることがよくあります。
そのような人は実は、強みがないのではなく、見えていないだけで、ひとつの分野にこだわりすぎているだけだったり、行動量が足りないだけだったりすることがほとんど。「自分だけの強み」は誰しも必ず持っているのだと、知っておいてほしいです。
100人に1人の強みを3つ持つことができれば、1/100×3で100万人に1人の人材になれます。ひとつの分野で100万人に1人の人材になるのは気が遠くなりそうですが、100人に1人なら何とかなりそうって思いませんか?
「ダメだったら3日でやめればいいや」くらいの気持ちで、ずっとやってみたくて我慢していたことを今日からスモールスタートしてみましょう!