結婚を意識しない年下彼氏と過ごす日々。60歳の誕生日は誰と一緒にいる?
今年40歳の私と9歳年下彼氏は結婚しない選択をした交際2年目のカップル。結婚を意識しないで一緒にいるふたりの日常、思うことは――。結婚という契約で結ばれていない、年の差のある恋人関係。不安に思うことも当然あるけれど、だからこそ育める愛情もある。子供のこと、ふたりで過ごす時間のこと、将来のことを考えてみました。
■9歳年下の彼氏と嚙み合わない人生「子供を持つ持たないについて」
今年で40歳になるバツイチの私と31歳の彼は交際2年目。結婚を意識していない。ふたりの仲を知っている友人から「結婚しないの?」と聞かれることも多いが、私にも彼にも、今のところ結婚願望はない。
頭をよぎったことがないわけではない。アラフォーの私が子供を産もうと思ったら、時間の猶予はほとんどない。病院に駆け込んで、体外受精から始めてもいいほどだ。昨年はそのことで彼と何度か話し合った。子供はいつか持つものだ、と思いつつも、今は考えられないという彼。今産まないともうじき産めなくなる私の人生とは、残念ながら嚙み合っていない。
「別れ」という選択肢が何度か思い浮かんだのも事実。なぜなら彼が「子供がほしい」と思ったとき、私は「産めない年齢」になっている可能性が高いからだ。
■「子供」は私が人生で手に入れたいものなのか
ただ、彼を説得して子供を作りたい、とはしなかった。自分が31歳だったときを振り返るに、仕事がとても充実していて、子供のためにそれを中断しようという気持ちにはならなかったからだ。「今は子供がほしいとは思わない」という彼の気持ちはよくわかった。そしてそんな中、無理に子供を作ったところで、彼と上手く子育てをしていけるイメージが持てなかった。
だから最初は「彼と別れよう」。そう思った。でも、彼と別れて、子供がほしい男性を見つけて、好きになって、子供を産む、というのが私にはどうしてもしっくりこなかった。子供を産めるタイムリミットに対してやるべきステップが途方もないし、第一、彼からは学ぶことがとても多い。一緒にいるにつれて趣味嗜好も似てきて、何をするにも楽しい。そんな関係性を捨ててまで、私は子供がほしいのか。出た結論はNOだった。
私が一番したいこと。それは彼と一緒にいることだ。そしてもしこの先、彼が子供がほしいと感じたらどうするか、は彼が決めること。私はその結論を尊重しようと覚悟を決めた。
■年下彼氏と結婚を意識せずに付き合う、ということ
恋人と結婚を意識せずに一緒にいる、というのは、常に「別れ」を選択肢として持つことだ。ちょっとした喧嘩であっても、こじらせればそれは別れに直結する可能性がある。
彼に対して私が不満をぶつけるとき、または彼が私に対して不満を言うとき、結婚していたときのそれと比べると大きな緊張感がある。だから伝え方や言葉の選び方に、より慎重になる。
また、ずいぶんと先の予定――今は12月にハワイに行こうと彼と約束しているのだけれど――の話をするときに、果たしてそのときまで一緒にいられるんだろうか、と常に考えてしまう。その分、きちんとその約束が果たされたとき、それがふたりの関係に対する自信につながる。
そんな不安定な関係が苦手な人も多いだろう。ただ、私はこの緊張感をとても気に入っている。そしていつ別れてもいいカップルが、それでも一緒にいるという事実に、私は自信を感じている。
いつでも簡単に終わらせられるはずの関係が続いている、ということ。それは私と彼の愛情が積み上がっている証なのだから。
■60歳の誕生日は誰と一緒にいる?
40歳は節目の年だ。もうどう考えても若くはない。そんな私がまだ30代になりたての彼と、結婚もせずに一緒にいることは、「人生におけるパートナーを確保する」という観点で考えると、非常にリスキーな選択。
ただ、「結婚しない」という状態でも心地よくいられていることが、今、私にとってのもうひとつの自信になっている。結婚は男性にとって重い選択だ。「いいな」と思ってもらうのと「結婚したい」と思ってもらうことには大きなギャップがある。
結婚にこだわらない私は、たとえ彼と別れたとしても、他の男性から「いいな」と思ってもらうだけでいい。彼とこの先別れたとしても、「いいな」と思い合える相手であれば見つかるんじゃないか。私はそんな風に楽観的に考えている。
もちろん一番の目標は、このまま彼と一緒にいることだ。できれば次の節目の60歳の誕生日に、彼と一緒にアイスランドに行ってみたい。その話をしたら「なぜ、アイスランド?」と彼は言う。アイスランドは氷と炎の国。氷河に火山、本来正反対の性質を持つものが共存する奇跡の国。それは年齢が離れ、本来人生が交差する可能性が低かった私と彼の関係性にどこか近しい。
別れという選択肢が身近にありながら、この先20年も一緒にいることができたら、それはまさに奇跡。そのときはアイスランドの雄大な自然に包まれながら、ふたりの間に起きた奇跡をお祝いしたい、心からそう願う。