1. DRESS [ドレス]トップ
  2. ライフスタイル
  3. 逃げ恥系?家事好きな大学職員の本棚【本棚百景#4】

逃げ恥系?家事好きな大学職員の本棚【本棚百景#4】

Share

本棚の中身は、持ち主の脳内や心の中を映し出していることがあります。他人の本棚や読書スタイルというものは、意外に知らないものですが、読む本の変遷は時にその人の生き方さえも表しています。連載【本棚百景】4回目は、東京都在住リョウカさん(仮名)の本棚をご紹介します。

逃げ恥系?家事好きな大学職員の本棚【本棚百景#4】

思い思いのスタイルで過ごす読書の時間。本棚の中身は、そのときどきの持ち主の脳内や心の中を映し出していることさえあります。

だからこそ読書とは、もしかすると生きることそのものといえるのかもしれません。連載【本棚百景】4回目は、東京都在住のリョウカさん(仮名)の本棚をご紹介します。

■本棚の持ち主 プロフィール

ひとり暮らしの本棚は超・コンパクト。モノは極力増やしたくない。

実家の本棚。だいぶ量は減らした。

大学職員(財務系)
リョウカさん(仮名)
東京都在住・女性・40歳・独身・ひとり暮らし

私大の大学院 (修士)へと進み、研究職を志していた。社会学研究に勤しんでいたが、いろいろと考えるところがあり、大学職員の道へと進むことにした。

途中でシンクタンクの研究員をやってはみたものの、結局、大学職員に戻ることになったので、今はこの道が向いているのかなと感じている。

現在は、プロパーの職員ではなく、育休職員の代わりとしての契約職員だ。任期満了後も、同じ大学内で働きたいと思っている。なにしろ契約職員は、出世争いとは無縁なので、気が楽で働きやすい。

結婚はしたいが、本音をいうと結婚に向き合う気力と覚悟がない。だけど、料理も掃除はとても好きだ。ハウスキーパーとしては、なかなか良い腕を持っているのだがと密かに思っている。“高学歴で仕事が不安定、だけど家事が好き”……。ぜひとも逃げ恥ブームが、今後ももっと続いてほしい。

勤務先の大学との距離感もあり、ひとり暮らしをしている。とはいえ実家が近いので、結局のところしょっちゅう帰っている。年のわりに元気な両親は、子どもの頃と変わりなく、何かと世話を焼きたがる。

■幼い頃や学生時代に読んだ本

中高生の頃から好きだった村上春樹。

小学生の頃は、推薦図書や名作と言われるものを、片っ端から読んでいた。図書室の目立つ棚にあるようなものを適当に手にしていたという感じだ。

逆に、周りの子どもたちが読むような、コバルト文庫などにはあまり手が伸びなかったものだ。

世間でいろいろな賞を取っている本でも、自分に合わない文章は読み続けられないし、なんとか1冊読み切っても、同じ小説家の本はもう手に取らなかったり……けっこう気まぐれな読書をしていた。

そんな中でも、宮本輝や吉本ばなな、村上春樹はよく読んだ。宮本輝は、教科書の中に掲載されていた『泥の河』を読んでから、彼の作品を読破した。しっかりした描写で風景を思い浮かべやすいし、ストーリーに読み応えがあると感じていた。

吉本ばななは、小学校高学年ぐらいに世の中的にもブームが来た。普通の生活の中に、ちょっとだけ今の自分と違うストーリーが展開されていて、重すぎないところが、思春期の自分にとって読みやすく感じたものだ。

中学生くらいからは、村上春樹を繰り返し読むようになっていて、大人になってからも手にすることがある。

■大人になってから読むようになった本

大学院時代の本はほとんど捨てたが、図録は後で楽しめるので取っておいた。

大人になってからのほうがマンガを読むようになった。

映画のチラシを集めたファイル、後で眺めても楽しい。

大学に行ってからは、「岩波新書」「中公新書」など文庫の新書を読み漁った。そして、いわゆる社会問題に興味を持ち、大学院に進学することにした。

大学院では、学術書を読まざるをえない状況になり、先生からも「筋トレのように英文論文を読め!」と言われ、飽和状態の頭で論文・学術書を読みまくった。

社会人になってからは、金銭的余裕ができたこともあり、映画愛に歯止めがかからなくなる。レディースデーなどで「1000円の日だけ」と自分に課して、映画館に通ったものだ。

同時に書店で偶然見つけたコミックエッセイにも関心が向くようになる。大学院時代の反動からか、マンガやコミックエッセイに癒しを感じた。

結果がわかっていても、何度でも読めてしまうし、布団の中で寝る直前に読むと、すぐに眠れる。

小説など文字の本は、職場の図書館でよく読んだ。図書館の雰囲気は落ち着いて好きだ。仕事が終わった後に、立ち寄るようにしている。カフェやファミレスは、話し声が気になってしまい、自分には向かないようだ。

■本を読むことは、精神状態を健全に保つ中和剤のようなもの

料理が好きで、弁当作りは日課。

いつもランチしているキャンパス内の庭。春は桜が咲いていてきれい。

休みができたら温泉に行くのが楽しみ。自分へのお土産として、手ぬぐいを購入することにしている。

好きなことは、料理と温泉。

料理は毎日の食事も、お弁当も自炊している。料理は製作欲と消費欲の両方が満たされていくように感じている。

温泉は、時間ができればひとりでも行くくらい好きなレジャーだ。ご当地手ぬぐいを記念に買い、コレクションしている。

職場である大学の体育館に、終業後に立ち寄って、職場の友達とバドミントンやヨガをすることもある。これがけっこうなストレス発散になり、アクティブだなあと自分でも思うことがある。

そもそも、知りたいという感情は、三大欲求に続く第四の欲求だと考えている。

学生時代は、知らないことを知りたい……情報を求めて本を欲していた。

大学院では、飽和状態になるほどに書物を読み込んだが、新しい情報の嵐の中にいすぎると、文字から離れたくなったものだ。

大人になって、難しい仕事をしたり、難しいことばかりを考えなくてはならなくなると、コミックエッセイで癒されたい衝動が起きてきた。

こういう変化を振り返ってみると、自分にとって読書とは、健全な精神状態でいるための中和剤といえるのではないかと思っている。

Share

ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター。女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っています。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。 ...

関連するキーワード

関連記事

Latest Article