喧嘩別れを止めるには、「自分を守る」ことをやめてみる
好きな人なのに喧嘩別れになってしまう。その原因のひとつに、「自分を守る」ことで相手の本心を見抜けないというのがあります。怒りの下にある本当の気持ちは、どちらかが冷静にならないとわからないものです。喧嘩別れを止めるには、まず「彼のことが好き」という自分の気持ちを信じることが重要です。
■お互いが相手に助けてもらおうとする心理
心理学では「怒りの下には悲しみがある」
と言われています。
喧嘩別れしてしまうのは、ふたりともが「どうしてわかってくれないのか」という怒りを抱えてしまうから。
でもその下には、
「自分のことを理解して欲しいのに上手くいかない」
という悲しみがあります。
本当は、その気持ちを口にできれば、決定的な痛みを迎える前に喧嘩を終わらせることができるはずなのです。
では、どうして言えないのでしょうか。
それは、「受け入れてもらえなかったらどうしよう」という不安があるからです。
「本心を打ち明けてそれを拒否されたらどうしよう」
「相手は本心では自分のことを愛していないかもしれない」
そんな恐れから、無意識のうちに自分を守ろうとして相手を攻撃してしまうのですね。
傷つきたくない。お互いがそう思っているうちは、正面から向き合えません。
些細な食い違いを認められずにヒートアップしていけば、どんどん「拒否される恐怖」ばかりが襲ってきて相手に解消を求めます。
お互いが相手に助けてもらおうとする心理がはたらくと、どちらも一方通行のまま、受け止めてもらえません。
結局、ふたりとも別れを止められなくなり、「理解してもらえなかった」という深い悲しみを抱えて離れることになります。
■「本当に理解して欲しい部分」を見つける
もし、どちらかがいったん怒りを収めることができれば、事態はだいぶ変わってきます。
相手の怒りに誘発されてきつい言葉を吐く前に、まずは自分の方から冷静になるように努めてみてください。
すると、相手が「何に対して怒っているか」が見えてきます。
例えば、喧嘩の発端が「あなたが男友達にDVDを貸すためにふたりで会うことを彼が嫌がった」とします。
彼が怒っているのは「自分という彼氏がいるのに男友達とふたりきりで会う」という事実のように見えます。
ですが、実際はその奥の「俺以外の男とふたりきりで会うなんて嫌だ」という悲しみ、「もしかして俺よりその男友達のことが好きなのか」という不安のせいかもしれません。
彼には、あなたが自分から離れていくかもしれないという恐れがあり、でも彼本人はそのことに気が付かないまま、あなたに対して
「信じられない」
「普通はそんなことしない」
などと表面の怒りだけをぶつけてくるのです。
これは、彼がそんな本心を知られるのが怖い、恥ずかしいという意識から張り巡らせるバリケードのようなもの。
あなたを責めることで、「本当に理解して欲しい部分」から目をそらしているのですね。
これがわかれば、こちらから歩み寄ることができます。
「ふたりきりで会うのは嫌かもしれないけど、好きなのはあなただし、本当に大丈夫だから」
こう言われたとき、彼の方は自分の「拒否される恐怖」を受け止めてもらえたと感じます。
一方通行ではなくなるのですね。
「どうして友達に会うのを嫌がるの!?」
「束縛しないで!」
と、彼の表面の怒りにばかり反応してしまうと、引っ込みがつかなくなった彼の心はかたくなになるだけで、どんどん解決から遠ざかります。
■「自分を守る」ことをやめてみる
自分の方から冷静になることは、難しいですよね。
理不尽な怒りにさらされるのは耐えられないものです。
それでも、どちらかが「自分を守る」ことをやめないと、いつまでも喧嘩別れを繰り返します。
もしあなたではなく、彼の方が先に怒りを収めてくれた場合。
「自分以外の男とふたりきりで会われることは嫌だ!」
とはっきり言ってくれたら、あなたの方も彼を非難する言葉が止まるはずです。
相手が本当は何に対して不満を持っているかがわかれば、今度は解決策を考えられるようになります。
「じゃぁふたりで行こうよ。紹介するから」
という提案をあなたが思いつくのは、このときです。
本心を口にするのは、勇気が要ります。
自分に自信があればぶつかっていけるかもしれませんが、好きだからこそ不安になるという人は多いでしょう。
傷つくのが怖いからと本心を見せることを避けていると、結局好きな人そのものを失ってしまうことになります。
あなたが自分を守ることをやめるためには、まず何より自分自身を信じてあげる姿勢が大切です。
■「彼のことが好き」という自負を持つ
好きな人とお付き合いをしていて、素直になれずに悩む人は大勢いるでしょう。
好きな人の前だとつい意地を張ってしまう、思っていることと反対の言葉を口にしてしまうなど、本当の気持ちを伝えられない原因には「弱み」を見られたくないという心理があります。
ではなぜ好きな気持ちを自分の「弱み」と感じてしまうのかというと、相手を信じきっていないことが理由です。
「心を預けてしまって、もし裏切られたら」
「好きになりすぎたら、別れるときにつらい」
そんな恐れを無意識に感じているので、素直な自分を見せることに抵抗があり、結果相手からも本心を疑われてしまいます。
それなら、相手ではなくまず「彼のことが好き」という自分自身を信じてください。
心は嘘をつけません。
相手が自分のことをどう思っているのであれ、「自分は」彼のことが好きだという自負があれば、自然と心を開こうとします。
人は鏡のようなもので、こちらの心が相手に向いていれば、彼の方もこちらと向き合います。
彼の反応を前提に自分の愛情を考えるのではなく、まず「彼のことが好き」という心にしたがってみる。
それだけでも、彼にかける言葉や行動がだいぶ変わってくるはずです。
「彼氏の反応が気になっていつも本音を言えずにいた」
と話すアラサー女子は、喧嘩するたびに相手から「本当は俺のことが嫌いなんだろう」と言われ、このままではダメだと思い
「意地を張ってしまう気持ちについて正直に彼に打ち明けた」
ことで、お互いに好きだという気持ちを再確認できたと言っていました。
素直になりたいと力んでしまうと、どうしても相手のリアクションに左右されます。
それより、まずは自分の心を信じてあげることが、彼と喧嘩別れをしないために必須のことだといえます。