1. DRESS [ドレス]トップ
  2. 美容/健康
  3. ヘアケア・食事を見直そう。「美髪の作り方」を美容師に聞いた

ヘアケア・食事を見直そう。「美髪の作り方」を美容師に聞いた

髪のコンディションは加齢とともに変化していきます。細くなったりハリやコシがなくなってきたなど、お悩みを抱える大人の髪に効果的なエイジングケア、美髪の作り方をご紹介します。

ヘアケア・食事を見直そう。「美髪の作り方」を美容師に聞いた

年齢を重ねることで髪が薄く、細くなる原因は遺伝も考えられますが、髪が生え変わる「ヘアサイクル」も大きく関係しています。

性別や遺伝などで個人差もありますが、10~20代前半までは髪は成長のピークで20代後半からヘアサイクルに変化が出始め、衰え始めるといわれています。

髪のヘアサイクルは、女性で5~6年、男性で2~4年の周期で、成長、退行、休止期を流れを繰り返して、髪が成長、変化しているものです。

20代後半から徐々にこのヘアサイクルの成長過程が縮まり、退行、休止期が伸びていきます。

その原因となるのが「男性ホルモン」。特に女性の場合は加齢と共に、女性ホルモンの分泌量が徐々に減少し、男性ホルモンの量が増えていきます。

これにより、髪の成長に大切な毛乳頭細胞に成長を妨げる信号が送られ、成長期での髪の成長量が減り、徐々に抜け毛や薄毛が増えてしまうのです。

また、髪の毛のツヤやハリを保つキューティクルと髪全体を守るコルテックスという部分の栄養となるたんぱく質が年齢とともに減少していきます。

コルテックスが減ることで、髪が露出した状態で紫外線やヘアケアを受けることになり、それにより表面のキューティクルが剥がれしまい、ダメージを受けやすくなります。

その状態が続くと髪がパサつき、薄くなっていってしまうのです。

■女性ホルモンの働きが美髪を作る

「エストロゲン」などが広く知られている女性ホルモンは、ハリやコシを保った美髪を保つために欠かせないものです。まず、エストロゲンが与える髪への影響について知っておきましょう。

エストロゲンは女性ホルモンの一種で、卵巣で作られています。このホルモンは女性らしいボディラインを作ることにも関与しており、思春期になると女の子の体つきが変わるのもこのホルモンの影響です。

そして、妊娠に備えて子宮の内膜を厚くする働きをするのもエストロゲンです。エストロゲンは、生理の終わり頃から排卵期にかけて分泌され、それにより肌の調子を整え、体調を安定させる効果があります。

さらに、皮膚や骨、脳の働きにも大きく関係し、感情の動きや自律神経にも影響を与えています。

美髪に欠かせないエストロゲンの働き

体の中で様々な働きをしてくれているエストロゲンですが、髪に対しては一体どのような影響があるのでしょうか。最も大きいのは、髪のハリ感やツヤ感をはじめとする、健康的な髪を保つ効果です。

エストロゲンにはコラーゲンの生成を促す効果があるといわれています。肌の弾力を保つことで有名なコラーゲンは、髪の毛を太くする働きを持っています。

閉経後の女性の髪がパサつき細くなるのは、エストロゲンの分泌が減少することが大きく関係しています。

しかし、エストロゲンは髪の毛全体に作用するわけではありません。女性ホルモンは、私たちの髪の頭頂部から耳にかけての上側半分に影響しているものです。

一方、下側半分は甲状腺ホルモンの影響を受けているといわれています。

ヘアスタイルをきれいに見せ、髪自体の健康を保つためにも女性ホルモンは欠かせないもの。エストロゲンは髪の成長を促し、その成長を持続させることから、髪の健康を保つのにとても重要な存在といえます。

薄毛・抜け毛

女性の髪は、男性のように急に細くなったり、抜けてしまったりすることは少ないですが、年齢とともに髪が徐々に細くなり、密度も低くなり、ツヤがなくなってしまうのは事実。他にもこれまでにない現象が起きてきます。

一例は抜け毛や薄毛。先述のエストロゲンが減少すると髪が薄くなったり、抜け毛が増えてきます。

この現象は閉経による影響だけではなく、産後や妊娠中に増えていたエストロゲンが急激に減ることでも起こり得ます。

つまり、エストロゲンが豊富であれば、薄毛や抜け毛を予防できるというわけです。

髪のうねり

さらに、「髪のうねり」も加齢と共に見られるようになる髪の変化です。うねりがないまっすぐな髪は、毛流れが揃いやすく、「天使の輪」と呼ばれるツヤが現れます。

しかし、うねりが多い髪は光を乱反射するので、きれいなツヤが現れにくくなるのです。そして髪のうねりは年齢とともに強く出るようになってきます。

髪が細くなった気がする、うねりが強くなってきたような気がする、そう気づいたら、髪のアンチエイジングの始めどきかもしれません。

コシがなくなる

「コシがなくなる」といった悩みを聞くことも少なくありません。髪にコシがなくなる原因の中には、パーマやカラー、ヘアケアの方法、自然環境などが挙げられますが、最も大きな原因は加齢によるものです。

髪は肌と同じように一定の周期によって抜け落ち、新しい髪に生まれ変わっています。髪が抜け落ちた後には新しい髪が毛根の中で生まれ、次第に伸びて太くなっていき、次第に痩せて抜けていきます。

このヘアサイクルの中で、髪が伸びて太くなっていく時期を成長期といい、男性では20代、女性では30代までの間は成長期が長く続くため、常にコシのある艶やかな髪が豊かに生えています。

ところが、年齢を重ねていくと成長期が短くなり、次第に髪がやせ細っていく退行期が長く続くようになってしまい、髪のコシがなくなっていくのです。

■美髪の作り方〜食事編〜

加齢による髪の衰えは避けられませんが、きちんと対策をすることでハリやツヤのある髪を長く保つことができます。髪のアンチエイジングのためにできることをご紹介します。

髪のアンチエイジング方法1 必要な栄養素の摂取
太くしっかりとした健康な髪にする為には、頭皮にある毛母細胞に十分な栄養を送ることが大切です。
髪はほぼたんぱく質でできているため、髪の成長に不可欠なたんぱく質やビタミン群、油分などを摂れる食べものや、男性ホルモンの増加による抜け毛、薄毛を抑制する効果のある亜鉛や女性ホルモンと同じ働きを持つイソフラボンなどを積極的に摂りましょう。

それ以外にも、オメガ3脂肪酸、ミネラルといった栄養素もバランスよく摂取することで、体の内部から頭皮に栄養を届けることが大切です。

髪のアンチエイジング方法2 効果的な食べ物
たんぱく質は豆腐、納豆などの大豆製品やヨーグルト、チーズなどの乳製品、卵などから摂取できます。
オメガ3脂肪酸はサンマやイワシなどの青魚類、くるみなどのナッツ類、ミネラルはワカメやヒジキなどの海藻類やアーモンドなどから摂取できます。

また、髪の栄養に役立つビタミン類には、緑黄色野菜やレバーから摂取できるビタミンA 、玄米、卵、ナッツ類、牛乳、魚などから摂取できるビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、柑橘類や野菜から摂取できるビタミンC、アーモンド、アボガドなどから摂取できるビタミンEがあります。

■美髪の作り方〜ヘアケア編〜

加齢により細くなった髪は、切れやすくなったり、ダメージを受けやすくなったりします。そのためシャンプーのときは、刺激が弱く、頭皮のケアにも効果的なエイジングケア用のスカルプシャンプーなどを使って優しくマッサージする意識を持ってください。

そして、髪表面のキューティクルを守るために、コンディショナーや集中ダメージケアにトリートメントなどをしましょう。

細くなる髪への対策も重要です。髪が細くなっていくのを防ぐには、頭皮のマッサージが効果的です。硬くなってしまった頭皮をマッサージをすることで、血行が良くなり、髪に必要な栄養や酸素を十分に行き渡らせることが、しっかりとした髪作りには欠かせません。

髪のうねりへの対策も同時に行いたいところです。髪のうねりの原因は、毛穴が詰まったり、頭皮がたるんだりすることで、毛穴が変形してしまった結果、髪がまっすぐに伸びなくなってしまうことにあります。

髪のうねりを防ぐには、まず頭皮の毛穴を詰まらせないこと、そして毛穴を変形させる原因となる頭皮のたるみを予防することが必要です。

また、髪を抜くと頭皮と毛穴に炎症が起きたり、たるんでしまったりするため、白髪を見つけた際などについ抜いてしまうくせのある人は、なるべく抜かないように気をつけましょう。

最後は、髪のコシへの対策を。ヘアケアで最も大切なことは、頭皮の血行を促すこと、髪を傷めない方法でシャンプーすることです。

シャンプーの際に髪を傷めないよう、シャンプー前にはブラッシングをして、あらかじめ髪についたホコリや汚れを落とす、たっぷりと予洗(お湯すすぎ)をし、シャンプーをしっかり泡立てたら指先ではなく、指の腹を使って頭皮全体が動くように大きくもみ洗いをし、シャンプー剤やコンデイショナーはしっかり洗い流すことが大切です。

アンチエイジングに効果のあるヘマチン(ハリコシ成分)などが含有されていて根元の立ち上がりをしっかりしてくれたり、頭皮を柔軟にし潤いを与えることでたるみにも効果的なシャンプー剤を選ぶと良いでしょう!

■美髪作りのために、日々コツコツとヘアケアを

美髪は1日にしてならず、です。頭皮や髪の老化は少しずつのケアで遅らせることができます。

そのために正しい知識と実践できるヘアケアを今日から早速始めてみてください!

荒木 隆広

美容師。表参道NORAより20201月、NORA GINZAをOPEN 同代表。各種雑誌のヘアメイクやセミナー講師も行っている。

ゲスト一人一人の個性とライフスタイルに合わせたヘアスタイル提案、豊富な薬剤知識と経験、確かなカット技術で幅広い年齢層から支持を持つ似合わせ術の達人。

関連するキーワード

関連記事

Latest Article