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セックスレスからの不妊治療 - ある夫婦の体験談

セックスレスであることに不満のない夫婦。だけど子供がほしい。悩んだ末、不妊治療の中でも「体外受精」という手段を選択した夫婦に話を伺いました。

セックスレスからの不妊治療 - ある夫婦の体験談

■性に淡白な夫婦……セックスレスに不満はなかったけれど

マサヤさんとカホさん夫婦は結婚5年目。学生時代にサークルが一緒だったことから知り合い、付き合うことになりました。

休日はいつも一緒に出かけるほか、料理はマサヤさん、掃除や片づけはカホさんと家事の役割分担もばっちり。周囲の人がうらやむほど、夫婦仲は良好です。

ただ、もともと付き合っている時から、性に淡白だったふたり。結婚してから5年間で体を合わせたことは、ほんの数回。

それでもお互い「嫌だ」「寂しい」「不満」といった気持ちはありませんでした。

子作りのためのセックスが苦痛に

そんなふたりでしたが「そろそろ孫の顔が見たい」という互いの両親からの思いと、「いつか子供がほしい」という気持ちがふたりの中にもあったことから、ある時期から、妊娠しやすい期間だけセックスするタイミング法を試してみることに。

ところがもともと性に淡白なふたりにとって、子供ができやすい時期だからセックスをしなくては……というのはとても負担に感じる行為でした。

ほどなくして、カホさんは、セックスをするたびに痛みを伴うようになり、マサヤさんも、しなくてはというプレッシャーから、タイミングをみる時期が近づいてくるたびに、眠りが浅くなるなど、体に影響が出てしまうように。

何より、カホさんは生理が来るたび、また子作りのためにセックスをしなくてはいけないのか、と絶望的な気分にもなったそうです。そのため、半年くらいタイミング法を試した後、ふたりは「もう子供を諦めよう」と決意することになりました。

■セックスレスからの不妊治療……試したのは体外受精

行きつけの産婦人科で、タイミング法を止める旨、医師に伝えたカホさん。ふたりにとってセックスがいかに苦痛であるかを話したところ、意外なことに医師からは、体外受精を勧められました。

不妊治療の最終手段――そう捉えられることが多い体外受精ですが、マサヤさんカホさん夫婦のように、性に淡白な夫婦や、海外に夫が単身赴任をしているケースなど、「セックスができない状態でも子供がほしい」というカップルが体外受精を選択するケースは珍しくないそう。

高額な治療費に迷いはしましたが、「セックスをしなくては」といったプレッシャーから解放されるのであれば、とふたりは体外受精をすることを決断します。

2回目の体外受精で妊娠成功

そして2回目の体外受精で、カホさんは双子を妊娠。めでたく無事に出産したのでした。

体外受精を行うには、夫婦それぞれが病院へ行く必要があったり、さまざまな検査や排卵誘発のための注射を打つ必要があるなど、治療のための負担は決して小さくありません。

ただ、カホさんは、妊娠しやすい時期にセックスをするプレッシャーに比べれば、それでもずいぶんマシだと感じられたそうです。そしてそれはマサヤさんにとっても一緒でした。

ふたりは現在、育児でてんやわんやながら、仕事に子育てに充実した日々を過ごしています。

■セックスを重要視しない夫婦もいる

セックスレスが原因で離婚を選択する夫婦がいるのは事実です。ただ、お互いが納得の上のセックスレスであれば、マサヤさんカホさんのような道を考えていくのも一つの手。

結婚とは、もともとは他人同士だったふたりが家族として生きていくということ。世間の夫婦の形に縛られず、お互いが居心地の良い関係を作り上げていくことが、夫婦円満の秘訣です。

最後にマホさんから一言いただいたのでご紹介します。

「セックスをしてるから関係が良好ということでは決してないし、セックスレス=不仲でもないです。私にとってマサヤは最高の夫であり、最高の父親です」

makicoo

1977年生まれ、宮城県仙台市出身、早稲田大学卒。大学在学中から大手女性誌やムック本などで占い、美容、投資、セックスなど多岐にわたるジャンルの記事を執筆。結婚、離婚を経て、妊娠出産を契機に40歳で再婚。現在は外資系企業でカス...

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