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「極上肌」はシンプルかつ正しいスキンケアでつくられる

皮膚科医の小林智子さんによる著書『極上肌のつくりかた』では、健康的でトラブルのない美しい肌のつくりかたが、49項目に渡って解説されています。スキンケアで極上肌をつくるコツをいくつかよりすぐってご紹介します。

「極上肌」はシンプルかつ正しいスキンケアでつくられる

色の白いは七難隠す――こんなことわざがあります。意味は「色白の女性は顔かたちに多少の欠点があっても(編集注:失礼……)、それを補って美しく見える」というもの。ここには書かれていませんが、「色白」には「肌がきれい」というニュアンスも含まれると思います。

肌がつるつる、すべすべな質感で、美しく保たれていれば、なんとなく美人に見えるもの。色の白いは七難隠す、をよりていねいに言い換えるなら、極上肌は七難隠す、といったところでしょうか。

「極上肌」について解説した本『極上肌のつくり方』の冒頭で、著者で皮膚科医の小林智子さんは、治療を経て前向きになっていく患者と接する度に「肌は人生を変える」と実感している、と力強く語ります。

「極上肌があれば、それだけで美人に扱われます。極上肌があれば、それだけでメイクが楽しくなります。極上肌があれば、それだけで若く見えます。極上肌があれば、それだけで人生が変わります」

何度も出てきた極上肌という言葉。本書で定義されているのは「皮膚トラブルがなく、いつまでもキメが整った健康な肌の状態」です。大人にきびや吹き出物、開いた毛穴……そういった不健康な肌ではなく、やわらかくて、凹凸の少ない、透明感あふれる肌こそが、極上肌ということ。

では、極上肌はどうすれば手に入るのでしょうか。スキンケアで極上肌をつくるコツが紹介されている第1章から、今日からでも実践できる方法を、いくつかよりすぐってご紹介します。

1.自分の肌に合うスキンケアを見出し、シンプルに正しく続ける

皮膚の細胞は約1ヶ月かけて少しずつ生まれ変わります。いくらパックなどのスペシャルケアをしても、翌日に肌が見違えた状態になっている、なんてことはありません。むしろ、スキンケアをコテコテとやりすぎると、ターンオーバーを乱して逆効果になることも。

そもそも基礎化粧品の役目とは、肌のバリア機能を維持するための保湿に尽きます。さらに、普通肌、脂性肌、乾燥肌、混合肌それぞれで、化粧水で水分補給し、肌状態を整えたあと、自分の肌状態に合ったアイテムを投入することが大事です。

普通肌でかつ肌トラブルがない場合、美容液はあってもなくてもOK。脂性肌の場合、乳液とクリームはどちらか一方に。乾燥肌の場合、乳液とクリーム両方を使うのがおすすめ。混合肌の場合、乳液やクリームは乾燥が気になる部位だけに。

なお、乳液やクリームは「ちょっと多いかな?」と感じる程度を目安に使うのが◎だとか。「塗ったあとにティッシュがペタッと付着するくらい」が適量と考えてください。

2.気分があがる化粧品で、心にも満足感を得る

ひとくちに基礎化粧品と言っても、その金額はピンキリ。なんとなく「高価な基礎化粧品を使うと、肌がきれいになる気がする」「高価な基礎化粧品だとテンションがあがる」と思う人もいるかもしれません。

悩ましい基礎化粧品選びについて、小林さんは「最大のポイントは『どのような効果があるか』ではなく、『実際につけてみて自分の肌質と合っているか』です」とアドバイスしています。

さらに「極論を言えば、安い化粧品と高価な化粧品とで、実はその成分に大きな違いはありません」とも言い切ります。実際のところ、化粧水は水とグリセリンが主要な成分。高価な基礎化粧品は巨額の広告宣伝費やパッケージ制作費などのコストが上乗せされ、高くなっているケースが少なくありません。

では、なぜ安い基礎化粧品よりも、高価な基礎化粧品を使うほうが、高い満足度を感じるのか。その答えは、高いお金を出して購入したことで、基礎化粧品によって内側から美しくなれている、という感覚をより感じやすくなるから。

小林さん自身は、安い基礎化粧品と高価な基礎化粧品を使い分けていると話します。「クレンジング、化粧水などほとんどはドラッグストアで売っているような安いものを使っていますが、クリームは少し高額なものをデパートで購入し、変化をつけています」。

スキンケアをしていて自分の気分があがるもの、前向きな気持ちになれるものを、適宜取り入れてみるのも、シンプルに正しいスキンケアを続ける工夫といえそうです。

3.レチノールやレチノイン酸に着目してみる

「レチノール」(*1)という成分を配合した基礎化粧品が増えています。

*1 ビタミンA(レチノイド)の一種。ビタミンA(レチノイド)にはレチノールの他、レチナール、レチノイン酸(トレチノイン)、パルミチン酸レチノールなどの形態がある。

この注目の成分、レチノールとは一体何か、どんな働きをするものなのか。本書ではこう解説されています。

「メラニン色素を排泄させるとともに、線維芽細胞にはたらきかけてコラーゲンやヒアルロン酸を増やす効果があり、シミやシワ・たるみ、ニキビ痕を改善します。さらに、保湿力を高める、ターンオーバーを整える、深部の血液も改善するなど、極上肌やアンチエイジングケアの強い味方なのです」

ただし、レチノールを配合した基礎化粧品は高額。30gで6万円程度するものもあるそう。とても手が出ない……そんな方に小林さんはレチノールよりも強力な作用があり、医薬品として医師の処方が必要になるレチノイン酸を勧めます。

保険適用外のため、クリニックによって金額に差はあるものの、1ヶ月分(約10gと換算)で2000〜5000円程度。レチノールを含んだ高額な基礎化粧品を買うよりも安くつきそうです。

2章では食事術、3章では生活習慣、4章では皮膚科的な観点から見る肌の悩み解決法……と、極上肌を手に入れたい人向けの知識や方法が、49項目に渡ってていねいに紹介されています。

極上肌を保っている皮膚科医による書籍だからこそ、説得力にあふれるだけでなく、すぐに実践できるTo doが満載で、身近感もあって嬉しいです。肌から美しくなりたい人が手元に置いておきたい一冊です。

小林智子著『皮膚科医が実践している極上肌のつくり方』書籍情報

著者 小林智子さんプロフィール

皮膚科医。ドクターレシピ監修。
日本医科大学卒業後名古屋大学大学院皮膚病態学にてアトピー性皮膚炎について研究。
2015年よりNorthwestern大学でポストマスターフェローとしてアトピーなど小児皮膚科の臨床研究に従事。 食事と健康に関してレシピや情報などを医学的な立場から発信する「ドクターレシピ」の監修を行う。

池田 園子

DRESS編集長(2016年1月〜2020年1月)。

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