すべてにYESと言うことで幸せを手に入れる――『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』脚本家、ションダ・ライムズさんに学ぶ

すべてにYESと言うことで幸せを手に入れる――『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』脚本家、ションダ・ライムズさんに学ぶ

『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』などの脚本・プロデュースを手がけるションダ・ライムズさんが、自伝的エッセイ『YES ダメな私が最高の人生を手に入れるまでの12カ月』を発売。本書の内容の一部を要約し、作者がおこなった自分を変えるためにやったことを、いくつかご紹介します。


世界中で大ヒットし、アメリカでは今月から最新シーズンがスタートするテレビドラマ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』。その脚本・プロデュースをつとめているションダ・ライムズは、同時に『スキャンダル 託された秘密』の脚本、『殺人を無罪にする方法』の製作総指揮を務めるなど、アメリカの売れっ子脚本家・プロデューサーです。

しかも、養子に迎えた3人の子どもを持つシングルマザーでもあります。仕事で大成功し、私生活にも恵まれている彼女ですが、実はつい数年前まで自分に自信がなく、忙しいことを理由にスピーチやテレビ出演などあらゆるオファーを断り続けていたのだそう。

■『YES ダメな私が最高の人生を手に入れるまでの12カ月』の内容


しかし、ある日「あなたは何に対してもイエスとは言わない(You never say yes to anything.)」と姉に言われたことをきっかけに、1年間どんなことにも(とくに自分が恐れていることに)「YES」と言おうと決意します。

そんな著者の1年が綴られた自伝的エッセイが、『YES ダメな私が最高の人生を手に入れるまでの12カ月』(あさ出版、ションダ・ライムズ著、押野素子訳)です。

アメリカのショービジネス界で活躍する女性と聞くと、別世界の人のように思えてしまいますが、本書を読めば著者が日本人の私たちと同じようなことで悩んだり、葛藤してきたりしていることがよくわかります。

後ろ向きで、仕事ばかりの生活、そして自信のない自分を変えるために著者が取り組んだことは、私たちも日常に取り入れやすいことばかり。ここでは、その一部をご紹介します。

■遊びにYES=1日15分、自分が心から癒されることをしよう。

著者にとっての癒しのひとつは子どもたちと過ごす時間。「勤勉な優等生で、過度に完璧主義」なゆえにワーカホリックだった著者には、子どもたちと向き合う時間もほとんどありませんでした。

ところが、YESの1年の取り組みとして、子どもたちから遊びに誘われたら必ずYESと答えるようにしたところ、その時間が「内なる炎を再び燃やし、私の創造力の助けとなり、さらに長い目で見れば、私が仕事で作り出す物語にも好影響を与える」ことに気づいたそう。

この「遊び」は、子どもと時間を過ごすことに限らず、自分の「心が喜ぶこと」ならなんだっていいのです。読書を楽しんだり、ゆっくりお風呂に入ったり……。それを1日15分おこなう。これなら私たちも気軽に取り組めるのではないでしょうか。

■褒められることにYES=人から褒められたら素直に受け入れよう

人から褒められると、つい「いやいや、そんなことない」と否定してしまうことはありませんか?

著者自身、『グレイズ・アナトミー』が大ヒットした後も、「私はただのライターだから」と自ら成功に蓋をしてしまっていたそうです。

しかし、人から褒められたら否定せず素直に受け入れ、自分の才能を認めるようにしたところ、自分と周囲の人々の長所をたくさん発見できるようになったのだとか。

さらに、「誰かの褒め言葉を否定するということは、その人が間違えていると言っているのと同じこと」と著者は言います。褒め言葉を素直に受け止めることは、相手のことも自分のことも受け入れることになるのです。

■結婚しないことにYES=自分の欲求に従って生きよう


ドラマの中では数々の結婚式を計画してきた著者ですが、自身が結婚する気はないようです。周囲や付き合っていた男性に合わせ、結婚願望があると自分に思い込ませていた時期もあったようですが、本書には、「結婚したくない」という心の声に「YES」と言ったことで、パートナーと破局してしまうエピソードが登場します。

失恋に落ち込んだかというと、むしろ別れてすっきりしたという著者。その経験から得た気づきは、「誰もが自分だけのハッピーエンドを持っている」ということ。

皆と同じように結婚すれば幸せになれる、と思うのは間違いで、「自分のニーズと欲求に従って生きること」が幸せを手に入れる秘訣なのです。

その他にも本書では、「YESの1年」の日々に著者が取り組んだことが正直にユーモラスに語られています。働く女性、子育て中の女性をはじめ、女性なら誰でも共感できることがたくさん詰まった、読んでいるだけで元気をもらえる一冊です。

■ションダ・ライムズ(SHONDA RHIMES)さんプロフィール

テレビプロデューサー、番組制作総指揮、脚本家。テレビプロデューサー、番組制作総指揮監督、脚本家。代表作『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』『プライベート・プラクティス 迷えるオトナたち』『スキャンダル 託された秘密』はいずれも高視聴率を記録し、ゴールデン・グローブ賞をはじめ数々の賞を獲得した。
ライムズはイリノイ州出身。ダートマス大学で英文学および創作的作文法の学士号、南カリフォルニア大学映画芸術学部で美術学修士号を取得。また、前2校の名誉博士号を授与されている。『タイム』の「最も影響力のある100人」に2度選出されたほか、『フォーチュン』の「世界で最もパワフルなビジネス・ウーマン50人」、『ヴァラエティ』の「影響力のある女性」、『グラマー』の「ウィメン・オブ・ザ・イヤー」にも名を連ねた。2013年には、オバマ大統領からジョン・F・ケネディ・センターの理事に任命された。現在、3人の娘とロサンゼルスに住んでいる。

この記事のライター

出版翻訳専門の翻訳会社。年間約150冊、累計1800冊以上を翻訳。日々、日本の読者に読んでもらいたい海外の書籍を探している。

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