少ない服で暮らすなら、お気に入りアイテムをとことん愛す
少ない服でおしゃれに暮らすには、合わせやすいプレーンなシルエットの服は便利だし、トレンドに左右されないという強みもあります。でも、誰にでも似合う万能アイテムなんて残念ながら存在しません。
■少ない服でおしゃれに暮らす
服を次々と増やさずに少ないアイテムでおしゃれを楽しむには?
そんなテーマが語られるときに、必ずと言っていいほど話題に上るのは、「何にでも合わせやすいシンプルなアイテムを揃えて着まわしするのが基本」なる考え方。
たとえば白シャツ、トレンチコート、ボーダーTあたりの「定番」と呼ばれる洋服を揃えて着まわす。色はあまり使わず白、ベージュ、グレーなどをおさえておけば無難にこなれた感じにみえますよ、というテクニックはもはやシンプルコーデの鉄則といえるでしょう。
少ない服でも飽きずに楽しむためには、合わせやすいプレーンなシルエットの服は確かに便利だし、トレンドに左右されないという強みもある。でも、誰にでも似合う万能アイテムなんて残念ながら存在しません。
■誰にでも似合うシンプル服、が私に似合うとは限らない
かくいう私も服を減らす段階で「これからはシンプル&ナチュラル方面へ移行しよう」とお決まりのコースを歩もうとしました。
もともとデニムが好きなので、このままコンサバにシフトしていけば、うまい具合に年齢なりのシンプルファッションができるだろう、と踏んだのです。
でも道半ばではたと気づく。服を増やさずにおしゃれをしたいけど、シンプルコーデとかナチュラルファッションとかノームコアとか全然興味ないや、と。
さらにシンプルなファッションは確かに安全ではあるけれど、ただでさえ地味な私に特別似合ってもいないよね、と。
少ない服でおしゃれ=シンプルな着まわしのきくアイテムという固定概念に縛られていたけれど、定番以外の道があってもいい。
何も自分の好みを差し置いてまで、お手本通りのコーディネートを目指さなくてもいいのでは、と考えを改めたのでした。
■少ない服で暮らすなら、お気に入りは週何回着てもいい
個性的なアイテムは印象に残りやすい。だから頻繁に使うといつも同じ格好をしていると思われるし、自分も飽きやすい、という考え方もあります。
確かにそうではあるけれど、そもそもファッションモデルでもない一般人の私たちが、1年365日違う装いで出かけなければダメ、なんて決まりはありません。
着まわしや日々の印象を変えることを第一に考えて、無難な洋服ばかり揃えるのではなく、個性的であろうが色が派手で印象に残ろうが、お気に入りのアイテムを何回も着てとことん楽しむ、という考え方があってもいいのではと思うのです。
たとえばこのレザージャケット。
もう10年くらい愛用しているものですが、幸運にも未だ飽きずにガンガン使っています。着まわしやすさを第一に考えればグレーや黒を選ぶべきだったのでしょうが、マスタード色を選んで後悔したことはありません。
だって、色を含めてのお気に入りだから。もしかしたら長年の友人は私がこのジャケットを随分長く着てるなあ、物持ち良すぎ、と思っているかもしれませんが、別にそれで構いません。だって、お気に入りはできるだけたくさん使いたいから。
個性的で印象に残るアイテムであろうが、着まわしという観点からみれば弱かろうが、本当に気に入ったアイテムであれば、迷わず選んでどんどん着たい。いくらお気に入りでもそのアイテムが永遠に似合うかどうかはわからないし、自分の中での旬は短いかもしれないのだから。
これはどんな服だって起こり得ることで、シンプルなアイテムならば長く着られる、飽きがこない、誰にでも似合う、なんて簡単なものではないのは既に経験済みです。
新しい服を次々と買い足すのではなく、手持ちのお気に入りアイテムと徹底的に付き合ってみる。これも少ない服でおしゃれを楽しむためのひとつの方法ではないでしょうか。