最終回です！結局は、人はなりたいものになり、得たいものを得る、というおはなし

４０歳からの恋のことについて書いて来たわけですが、
４０歳という、いい歳をした大人が、恋のことばかり考えてるわけにもいかないでしょう。
キャピキャピした、若い女の子じゃあるまいし。

私は自分の書くドラマでも、
恋愛ものに括られるものを、数多く書いてきていました。
「２０から３０は恋をして生きていたから
３０から４０は、それを書いて食ってけるわ！」と
３０代の私は、豪語しておりましたが、
そんな私にも、変化が見られました。

４０から、なにが起きたか、というと、
私は、４０代で初めて
男性の親友を得ました。
そして、ソウルメイトと呼び合える、男性に出逢いました。

これって、若い頃には、やっぱりなかったことです。
恋愛感情が邪魔をしたのか、
そういうものを望んでいなかったのか、
まだ若すぎて、熟成した人間関係を築けなかったのか、わからないけれど。

ただ、この、異性の親友、異性のソウルメイト、という
４０過ぎてから、築けた異性との関係は、
私にとって大きな、人生の副産物でした。
世界は広がった。

やはり、女でしたから
かわいくありたい、キレイでありたい、お洒落もしたい。
そして、その先には、もちろん女ともだちの、「センスいいよね」とか
「キレイにしてるよね」
とかいう、称賛も欲しかったんだけど、
それより、まあ、端的にいえば、もてたかったんだと思います。
２０代、３０代の頃。

好きな人に好きだと思われたかったんだと思います。
女として魅力的である、ことが最重要。
「かわいい」と言われたら、こっちのもの、とずっと思ってました。
若い頃、ね。

でも、３５近い頃でしょうか？
「愛していると言ってくれ」というドラマを書いたのですが、
そのとき、主演の豊川悦司さんが私の印象を、インタビュアーに聞かれて
「男といるみたいだ」
と言ったのが、忘れられません。

ここにのっかってるプロフィール写真を見てもらえばわかると思うんですが、
女の子らしい、フェミニン（ラブリー？）路線で来た私としては、
初めて聞く、感想だったのです。自分に関する。

豊川さんは、私の仕事の仕方があまりに、男っぽく、潔い、と言い、
また、女の人として気をつかわなくてもいいくらい
思ったことを対等に言い合える、という意味で、そう言ったようでした。

で、私は、そのとき、すごく嬉しかったんですね。期せずして。

ずっと、私は、男の人と対等に、仲間として、仕事をやったりしたかったんです。
魂を闘わせたり、
本気で言い合ったりしながら、
何かを作り上げたり
同じ方向を見て、一緒に進んだりしたかった。

よしよし、と振り向いて、かわいがられる女の子のポジションなんか、本当は欲しくなかったんです。

これは、心の底の底の願望だったのかもしれなくて
若い頃には気づけなかったけれど。
小さい頃は、みんな、シンデレラのお姫様の役がやりたいもんね。
それも、美貌だけで、男性たちの目をひくシンデレラ。

まあ、女と生まれたからには、初期衝動はそれだし、ね。

でも、よくよく考えてみると
私は、たとえば、「明日のジョー」でいうと
お姫様役の白木葉子ではなく、
力石になりたかったのです。
あ、ちなみに、ジョーは私の理想の男性でした。
そのジョーにとっての、力石になりたかったのです。
永遠のライバル。
そして、ジョーの心の中の７割は、力石のことでいっぱいです。
力石のことばかり考えている。
葉子に最後に、グローブをあげたとしても。

あれ？
話、ややこしくなってます？
わかりやすくしたはずなんですけど。

でも、男の人と同じ目標に向かって進む、なんて感じは好きです。
話し合うのも好きです。
つきあったりしなくても、いいと思います。
精神的支えになる、男性と何人か知り合うことができました。

私を親友扱いしてくれたり
尊重して大事にしてくれる、男性が、私の何を見ているか、というと
まず、容姿ではないと思います（言い切る感じも哀しいが、確かに。絶対）。

私の多分、生き方とか、考え方とか、ものごとへの処し方に、共鳴してくれたり
賛同してくれたり。
もっといえば、仕事の仕方を、尊敬してくれたり（私ももちろん、彼らを尊敬しています）。

そこで築き上げられた関係は、信頼関係です。
恋愛関係ではなく。

でも、それって、私が、とても必要としていたものなんですね、きっと。

男性のソウルメイトや、親友ができるなんて、思ってもみなかった。

でも、まあ、そうは言っても、男女の関係はあやふやなものなので、
いつか、消えてしまうかもしれないけれど、
だとしても、そんな関係を持てた４０代は素晴らしかったと思います。

近くにちょっとお洒落なセレクトショップがあるのですが、
そこに、いつも昼下がり、やって来て、お茶を飲んでいる美人のマダムがいます。
なぜ、いつもやって来てるのを知ったか、というと
お店の人が教えてくれたのです。

あの人、いつもやってきて、１時間も２時間もおしゃべりして帰って行くんです。
少し、迷惑しています。
でも、大得意さんなので……。
と、店員さんが、苦笑いをしていました。

私は洋服を見ていたので、
ある時、小さな店内、彼女のぐちがぜーんぶ聞こえてしまったのですが、
要するには、ダンナに女がいるらしい。
ダンナはもういい歳なのに、相手は、若い美人だ。
頭に来る、イライラする
といった内容でした。

でも、彼女の美人さかげんをみれば、
そして、そのセレクトショップごと、いつも服を買おうとするその財力を見れば
一目瞭然で、
彼女は、美貌にものを言わして、
どっかの社長さん、金持ちを落としたのでした。しかも、略奪婚。
そして、時は巡り、今、自分も同じ目に逢っている、という……。

女として美しくキレイであることが、彼女が徹頭徹尾、望んだことだったのでしょう。
そして、いかに、価値のある（この場合、お金のある）男性をその気にさせることができるか。
そして、大金持ちの妻となる。
そして、彼のお金で、贅沢をして、遊んで、暮らす。
そう。やはり、人は望んだ場所に行くんです。

でも、望んだ場所が浅はかであると
足元から、こうして崩れて行くんだと思います。

みなさん、自分なりの幸せを見つけましょうね。
心の奥の声を聞きましょうね。

本当に自分の望んでいることは何なのか？

なんだって、意識しないと、手に入らないと思います。
向こうからこれもあげます、これもあげましょう、なんて
時代は、とっくに終わったんだと思います。

でも、与えられた人生よりは、
自分で心の声を聞いて、画策する人生の方が楽しいような気もします。

健闘を祈ります！！

私も、まだまだ画策するよ＾＾！
また、どこかで、お逢いしましょう。近いうちに。