入るだけじゃない！　道草銭湯のススメ【銭湯日記Vol.4】　

銭湯って、大抵は住宅街の路地にあります。いつも通っている路地も、一本入ると全然知らない街並みになったり、こんなところに知らない花が咲いてた！　と新鮮な発見が。知らない街なら楽しさ倍増。お出かけのついでにタオルをカバンに入れて出かけてみませんか？

銭湯に行くこと、それはすなわち「探検ぼくの街」

「よし、今日は銭湯に行こう」

そんな時、大抵は近所の銭湯に行くのですが、予定がある時はその場所の近くの銭湯を探して、前後に銭湯に寄ることも。

いつもの銭湯に行く楽しみだけでなく、自分が住んでいない街の銭湯に行くのが好きです。知らない街をスマホのGoogle Maps片手に歩いていると、思いもかけない細い路地の奥においしそうなパン屋さんを見つけたり、レトロな喫茶店があったり。ふと道を曲がった先に気持ちよい広い公園が目の前に広がったり。

次に目の前に広がるのはどんな光景なんだろう？　そう思いながら道を歩くのはとってもワクワクします。

本日の銭湯は、東新宿路地裏の奥にある東宝湯

新大久保の韓国料理屋さんに友達とご飯を食べに行く約束をしていたので、その約束の前に近所の銭湯に寄ることにしました。いくつかあって迷ったのですが、今回決めたのは東宝湯。副都心線・大江戸線の東新宿駅からほど近い銭湯です。

Google Mapsによれば東新宿駅からは徒歩６分。駅から東方向に歩いて、路地に入った細い路地の先、階段の足元に東宝湯さんはありました。

東宝湯さんの看板。漢方推しですが、当日のお風呂は備長炭のお風呂でした。お湯が柔らかくて気持ち良かった！

入り口をはいると、フロント形式であたたかい笑顔のおばあちゃんが常連のお客さんと談笑中でした。とはいえ、私にすぐ気付いて「いらっしゃい」と声をかけてくれ、アウェイ感は全くありません。思わず「ただいま」と言ってしまいそうな心地よさ。

脱衣所もお風呂場も窓が大きく広々として明るく、気持ちの良い空間でした。16時ちょっと前に入ったのですが、年配のお客さんで結構賑わっていました。きっとご近所のおばあちゃんたちが一番風呂目当てに通ってらっしゃるのかな。

大きい浴槽がひとつ（ここはバスクリンの懐かしいグリーン色のお湯）と、泡が出るボディマッサージのお風呂。その隣の小さめの浴槽では、不織布に入った大振りの備長炭が浸してあるぬるめのお湯でした。

頭と体を洗った後、ぬる湯でゆっくりのんびり温まっていると、少しずつ夕暮れが近づいてきて、窓の外の明るさが落ち着いていくのがわかります。

明るいうちからお風呂に入るのは、個人的には昼間からビールを飲むのと同じくらい幸福度が高い行為だと思っていますが、特に友達と約束がある土曜日の夕方、これから友達と美味しいものを食べて楽しい時間を過ごして、夜更かししても次の日もお休みという開放感に優るものはなかなかないなあ、とお湯をちゃぷちゃぷしながら考えていました。

湯船から上がると、常連さんはまだおしゃべり中。銭湯で時間を忘れておしゃべり、とっても楽しそうです。私もいつかやってみたい。

本日の道草：30年以上続く老舗チョコレート屋さん「チェリーボンボン」

さて、本日の銭湯は韓国料理以外にももう一つ目的がありました。実はこの辺は私の祖母の家が近くにあり、小さい頃から馴染みのある街（その割には銭湯には行ったことがなかったけれど）。

近所には知っているお店がいくつかあり、その中に「チェリーボンボン」というチョコレートのお店があります。ここのお店は30年以上前からあり、昔は確か焼き菓子やケーキも売っていたはずだけれど、今はチョコレート専門店になっているようです。

ここのチョコレートが私は大好き。人生でいちばん好きなチョコレートです。しばらく行ってなかったけれど、久しぶりに思い出して、チョコレートを買いに行こう！　と思いつきました。

湯上りのほかほかの状態で、風を涼しく感じながら歩くと、5分も歩かないうちにお店に到着。お店は白を基調とした内装で、奥に大きな棚があり、そこにたくさんのチョコレートが詰まっています。

シガールという、薄く伸ばしたチョコレートを細長いタバコのように丸めたチョコレート、アマンドショコラ、それからオレンジピールのチョコレートがけが店頭に並んでいましたが、私がいつも迷った末に買うのはシガール。

ジュエリーボックスのようなエメラルドグリーンの箱を開けると、ふわりとチョコレートの香りが漂います。薄いレイヤーが幾重にも重なった繊細なチョコレートをそっとつまんで口に含むと、パリッという軽快な歯ごたえと共に口の中にチョコレートの風味がいっぱいに広がります。

チョコレートが溶けてしまう理由から盛夏の7〜８月は営業をお休みしていたため、今一生懸命作っていて、出来立てなのよ〜、とお店の方が笑いながら仰っていました。

熱い紅茶やコーヒーと一緒にシガールを楽しむ夜のひととき。村上春樹さんは小さいけれど確かな幸せ、という意味の「小確幸」という単語をよくエッセイに書いていらっしゃいます（彼の造語なんだそうです）が、私の小確幸はまさに、今！　NOW！　今はやりのマインドフルネスをチョコレートで実感するとは思いませんでした。

銭湯だけでも幸せを味わえるのに、これ以上の幸せがあっていいのだろうか、と思いながらちびちびチョコレートを食べています。

次はどんな道草ができるかなあ。

＜店舗情報＞
⬛︎東宝湯
住所：〒160-0022 東京都新宿区新宿７−１１−５
TEL：03−3232−2641
アクセス：大江戸線「東新宿駅」下車　徒歩3分（もうちょっとかかった気がする…）
定休日：金曜日
営業時間：15：00〜24：00
紹介URL：http://www.1010.or.jp/mag-tss-toho/
※シャンプー・ボディシャンプーは置いてあります

⬛︎チェリーボンボン
住所：〒160-0022 東京都新宿区新宿７−２０−１０　セザール東大久保１F
TEL：03−3202−0003
アクセス：副都心線「東新宿駅」エレベーター口徒歩3分（東新宿駅から367m）、JR山手線新大久保駅徒歩10分
定休日：火曜日・木曜日・日曜日（＋年末年始と盛夏時期）※祝日は営業しているそうですよ！
営業時間：10：00〜18：00（※食べログでは17：00までとなっていましたが、お店の方は18時までです〜と仰っていました）
食べログURL：https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13150499/