理想の人生に近づけている人は、自分探し期と試行錯誤期を楽しみながら乗り越えてきた人。
自分が満足のゆく人生、作っていますか? 悶々としている……そんなあなたは、はあちゅうさん・村上萌さんの共著『小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法』からヒントをもらえるかもしれません。
今は人生がうまくいっているように見える人でも、迷走したり、がむしゃらにいろいろなことへ手を出したり……そんな時期を乗り越えてきて、どっしりとした“基盤”を感じさせる現在があるものです。
同世代の女性たちから高く支持されている、作家のはあちゅうさんやライフスタイルプロデューサーの村上萌さんも、そのうちのひとりではないでしょうか。
■人と会うことは、生き方のサンプルを見て、知り、考えること
たとえば“試行錯誤期”にふたりが心がけていた「人間関係を広げてみる」では、はあちゅうさんはこんな気づきを書いています。
「人は知らない間に自分のいる環境が普通だと思ってしまう生き物なので、いろいろな人に出会って、自分のいる場所や他人から見える自分について思いを馳せたほうがよいということを学びました」
「人と会うことは、いろんな生き方のサンプルを観察することでもあります(中略)どんな人といると心地よくて、どんな人と話が合うか。どんなふうに生きたいか。人と話せば話すほど、自分の向き・不向きや、憧れる方向が、よりくっきりとしていった気がします」
自分が目にするもの、耳にするもの、ふれるもの……それだけが世界のすべてではありません。頭ではわかっていても、なぜか自分の身近にあるヒト・モノ・コトがスタンダードだと思い込んでしまっているのです。
30年、40年生きていても、出会っていないタイプのヒトはまだまだいるでしょうし、縁のなかったモノやコトもある。よくよく考えるとあたりまえのことですが、大事なことに気づかせてくれる内容が、ご自身のエピソードを交えて語られています。
■ジブンゴト・モードで生きていると、出会いやチャンスをつかみとれる
“理想の自分実現期”にもハッとさせられる言葉が散りばめられています。たとえば「経験をリサイクルする」で、村上萌さんは淡路島をひとり旅したときに出会った人々と、後に仕事やプライベートで関わりを持ったという、なんとも素敵なエピソードを紹介した後、こんなことを書いています。
「大事なのはひとつひとつの出会いや行動をどれだけ“ジブンゴト”にできるかだと思っています」
「自分の味をよくわかっていないと『どうせ私には関係ないから』とヒトゴトにしてしまい、考えることすらやめてしまいます。新しい出会いやチャンスに気づくことなく、それらが次々に目の前を通り過ぎてしまうのです」
ジブンゴトの対義語はヒトゴト(他人事)。ジブンゴトにしようと意識していると、どんなときでも真剣に五感をフル活用するのではないかと思います。だからこそ、一瞬一瞬を大事にし、何か新しいことをするときに当時の経験を思い出し、活かすことができるのです。一度しかない自分の人生、毎日対峙するいろいろなことに、ジブンゴト・モードで臨みたいものです。
最終章では「小さな野心を叶え続ける私たちのマイルール」として、仕事やお金、暮らし、時間との付き合い方など、全9つのルールが紹介されています。輝きを放ち続ける2人の女性の生き方が、1冊で楽しめるおトク感のある本でした。