旅行中のお洒落度をワンランク上げる4つの秘訣【オトナの美旅スタイル#9】
荷物が多くなるから、旅行中にお洒落を楽しむのは大変? そんなことはありません。帽子やアクセサリー、スカーフなど、小物使いのアイデアを旅するジャーナリスト・小野アムスデン道子さんがご紹介します。
旅するジャーナリスト小野アムスデン道子です。「ルーティンな毎日から脱出、非日常の時間を過ごしに旅に出る」という人は多いのではないでしょうか? 旅自体が仕事の私もフィーリングは同じ。いつものオシャレにちょっと旅気分なエッセンスを加えるポイントについてご紹介します。
「さすが旅慣れてるだけあって荷物が少ないですね」といつも驚かれるのですが、こだわりのあるパッキングはまた別の機会にご紹介するとして、海外に行くときでも、重たいトレッキングシューズや三脚を持つ場合は別として、荷物はだいたい12kg以内に収めるようにしています。現地で資料をもらったり、何かと荷物が増えることが多いからです。そんな少ない荷物で楽しむ私のオシャレのポイントその1は帽子。
帽子をかぶるだけで印象がずいぶん変わりますし、旅に出発する気分に切り替えしやすくなります。それに、いつも帽子姿だと印象にも残るよう。私は、たためる帽子より。ある程度カタチが保てて、折れても元に戻せる中折れ帽が好きで、何個も持っています。画像の手前左はトリーバーチのもの。バイカラーを編み込んで凝った感じなので、きちんとして訪れたいときの旅に。手前右はカルバン・クラインのもので、パルプでできているのですが重みがあって風で飛びにくく、アウトドアでも便利。両方ともアメリカで購入しました。
ポイントその2はアクセサリー。いつも荷物が軽いのは、服装はシンプルに、目立つなら色でと心がけていて、そのぶん、アクセサリーで変化を演出できるようにしています。
たとえば、同じグレーのオールインワンに、先ほどのカルバン・クラインの帽子でも、白で統一したアクセサリーと、メキシコで買ったビーズのエスニックのアクセサリーだとずいぶん雰囲気が変わります。テイストの統一感と、できるだけ合わせられるブレスレットかバングル、リングも持っていきます。手元のオシャレは、それだけきちんと気を払っている感じがするので。
チープ・シックなアクセサリーも好きなのですが、金属で安いモノは長持ちしません。素材の色が変わらないものを選びます。けっこう掘り出しモノが見つかるのはミュージアム・ショップ。デザイン性の高いユニークアイテムが手頃に手に入ることもあります。白のコロンとしたフォルムのリングはロンドンのテート・モダンのオリジナルでなんとお値段1.5ポンド(200円ほど!)。プラスチックだから濡れても平気。サイズが3種類あって、内側にサイズの刻印が入っています。
ポイントその3はスカーフ。上のオレンジは、お友達からいただいたエリック・ライシナERIC RAISINAというカンボジアのデザイナーのシルクのスカーフ。鮮やかな色とフリンジで、シンプルな服もぱっと印象が変わります。最初の写真は、春に訪れた星のや竹富島で。ちょっと風が冷たくて重宝しました。
下のスカーフはLAのランドリーバイシェリー・シーガルというシンプルなブラックドレスを得意とするブランドのもの。首回り部分を黒一色にしたり柄にしたりと、持ってくる部分によって変化が楽しめます。
最後のポイントその4は色づかい。ベースは、モノトーンの服にアクセサリーで。プラス旅では思いきりの良い色のものを一つは持っていきます。トロンとしたテクスチャーの緑のパンツは、実はGAPのセールで買ったものですが、カジュアルにもシックにも着られて印象に残る色で一目惚れ。オリンピック年だった今夏は、思いきった蛍光イエローのトップスとあわせてブラジルカラーのコーディネートも楽しみました。
ファッションアイテムは、旅先で見つけることも多く「どこでそれ買ったの?」から話が始まるのもまた楽しいもの。短時間で良いものを見つけてパッと買うためには、こんな自分のファッションルールを決めておくのがコツです。
Text=小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。