アラフォー転職、成功の秘訣は「自分の売りを正確に把握すること」【覆面姉さんのワサビトーク@DRESSING ROOM #10】
女性の転職、アラサーでするのとアラフォーでするのとでは、見られるポイントが大きく異なります。アラフォーの転職では「即戦力」かどうかがしっかりチェックされます。そのために、自分の売りを「客観的に」「正しく知る」ことから始めましょう。
本連載は、酸いも甘いも噛み分けたDRESSのお姉さん世代の働く女性たちが、仕事やキャリア、結婚、出産・子育て、離婚などの女性が対面する様々な問題を、自身の生々しい経験を交えて匿名でコラム化したものです。
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こんにちは、ちまです。今回のお題は「アラフォー女性の転職」。編集長からは「アラサーを含めても構わないが、基本はアラフォーを意識して」とのご指示をいただきましたが、これって実はとても重要なポイント。
アラフォー後半を過ぎてから3回転職し、どの会社でも新卒・中途採用に深くかかわってきた経験からいうと、アラサーの転職とアラフォーの転職は本質的に異なります。アラサーの場合は伸びしろや柔軟性、前向きさなど、応募者の経験・能力以外の部分も大いに見るのですが、アラフォーでは「即戦力」かどうかがすべて。
職務経歴書が一行、すなわちアラフォーにして初めての転職、だと「大丈夫かしら。今さら新しい仕事のやり方や人間関係に適応できるかしら」と心配になるし、5回も6回も転職していたら「大丈夫かしら。うちに来てもまたすぐに辞めちゃうんじゃないかしら」と心配になる。難しいですね。
転職を考えておられるアラフォーの方、アラサーだけどチャンスがあれば新しい環境にチャレンジしてみたいと思っておられる方、こんなことに気をつけてみてはどうでしょうか。
■自分の「売り」は意外と他人が知っている
第一に、求められているのは「即戦力」ですから、あなたの「売り」を明確にすること。あなたは何ができる人なのか。人よりどんなふうにうまくできるのか。複数のポイントを組み合わせることで、「売り」ポイントを強化することができます。たとえば、ITに強い営業、マーケティングもわかる経理、新規事業創出経験のあるチームリーダー、といった具合に。これを30代、40代と仕事をしていく中でデザインし、研ぎ澄ませて、言葉に出して言えるようになっておく。
そんなこと言われても、今までずっと同じ仕事しかしてないし、とか大したことしてないわ、という人は案外多いです。でも、自分の価値って意外と自分にはわからないもの。特にずっと同じ会社、同じ職場にいると、自分のやってきたことが会社の外に出るとどう受け止められるか、ということを知る機会はほとんどない。
この「自分のマーケットバリュー」を知るためには、外部の人の視線・意見が必要です。社外の友人と会話をして、「へえー、それすごい」とか「その話もっと聞かせて」と言われれば、それはあなたの「売り」候補のひとつかもしれません。
今は転職をするつもりがなくても、履歴書を書いてみて、面接官のつもりで見直してみる、というのも、自分を棚卸し評価する良い方法です。できたら定期的にエージェントに会って話したり、転職する気がなくても面接を受けてみたりするのは、マーケットから見た自分を知るとても良い方法。
転職する気もないのにエージェントに会ったり、面接受けたりするのは失礼、なんて思う必要はまったくありません。私自身の経験ですが、最初に転職する際にエージェントから言われた私の「強み」と「弱み」は自分で考えていたものとかなり違っていました。
私はITサービス一筋でやってきたので、そこについては自信があったのですが、エージェントに言わせると外部に募集するITサービス関連マネジメントのポストは少なく、技術力的にも中途半端。
一方、私がまったく意識していなかった「大規模な組織運営をしたことがある」「女性」「部下を育てている」というところがマーケットで高く評価される、と聞いてびっくりしたものです。自分の「メタ認知」のため、社外の方に会い、意見を求めて、整理してみてください。
■転職を考えたら、パートナーとの話し合いの機会も設けよう
優先順位を明確にすることも重要です。転職において一番重視することは、やりたいことを極めることなのか、給与か、働き方か。譲れない部分と、妥協できる部分が整理されていて、譲れない部分については何をもって貢献できるかを言っていただけると、採用する側として強く印象に残ります。
子どもが大学に入ったので、以前経験したマーケティングの仕事をフルタイムで再開したい、とおっしゃって面接に来られた40代半ばの方がいました。この方はお子さんが小さい間は契約社員で働きながら、テレセールスの仕事をされ、IT関連のスキルを維持・向上されており、見事採用。今はデジタル・マーケティングを担当して活躍されています。
最後に、今まで書いてきたような自分のキャリアビジョン、優先順位について、パートナーとよく話し合っておくこと。ワークとライフのバランスを今後どうしていきたいと思っているのか、家事の分担をどうするのか、分担の変更が必要となるのか、さらにアラフォーともなると介護も視野に入ってきます。
パートナーとお互いの優先順位を理解し、どうサポートし合えるかをじっくり話し合っておく。20代のカップルではなかなかできない、人生経験を積んだふたりだからできる話し合いをするには、良いタイミングだし、その後のお互いの人生を豊かにするためにも絶対に必要だと思います。
良い転職は視野を広げ、新しい自分を実感することができます。あなたらしい転職ができますように。
(ちま)