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婚活と恋愛と不倫、の関係

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脚本家・北川 悦吏子さんが初めて参加した異業種交流会は、じつは婚活パーティーでした。そこから見えてくる婚活と恋愛と不倫の関係が今回のテーマです。

婚活と恋愛と不倫、の関係

この前、異業種交流会というのに初めて行ったのですが、 それは実は、婚活パーティーでした。 よくあることらしいです。異業種交流会という名の婚活パーティー。 みなさん、満々です。やる気満々。

ここで、私は、現実を知るのですが、 婚活における、女性の年齢ヒエラルキーってすごいね。 隣に座った、シューズデザイナーという、いい仕事をしている 女性が、次々に、その会場にいる女性たちの年齢を、小声で教えてくれました。

いいですか?あそこのひとかたまり、あれは、二十代後半。 もう少し、向こう。あれは、二十代前半。あ、30代後半がひとり混ざってますね。 左から二番目。

おおっ。 私は、呆気に取られて、彼女の年齢当てを聞いていました。 とにかく、女の人を見て、すぐ年齢を当てるという訓練はまるでしてないわけですし(当たり前だ)そんなこと、思ってもみないわけですが、 この手のパーティーに出続けると、その辺は、熟練されて行くのでしょうか?

で、年齢と共に、肌の露出は少なくなります。 二十代の子たちは、肩とか胸元とか、出してます。 30代、出さない。 35過ぎると、武装が始まっている。洋服武装。たくさん着てる(笑)。

露出の多い方に、男性がたかっていきます。 若い方に……。

おおおおおっ。 知らなかった。こんな世界。 如実です。

そのとき、私、初めて、仕方がないな、と思ったんです。 男の人が若い女を好きってのは、仕方がない。 これは自明の理だな、と。

ここまでストンとそれを許したことは、 いや、許したって不遜だけれど、 それを容認したことは、 初めてでした。

あまりにも、あからさまだったので。

そして、男性の気持ちもわかる気がしたのです。 誤解を恐れずに言えば、 ここは、猫を探す場所といっしょだな。 誰だって、猫をかうんだったら、 子猫がいいでしょう。 誰が、もう、猫じゃらしにじゃれなくなった、しれっとした眼差しの成猫をもらって帰るでしょうか?

なるほど、そうかそうか。

だから、みなさん。 婚活パーティーに出てはいけません。 終わりっ。

ってそんなエッセイあるはずないです。 私、恋愛担当大臣、クビになります。 秋元さんに、チョップ食らいます。

ここからが本題です。 今、婚活鬱ってあって、 婚活でうまくいかない人が、自分に自信がなくなって、 自分は人間として(女として?)評価が低いと思って 鬱になってしまう現象のことを言うらしいんですが、 婚活パーティーとかって、特殊な場だから。 それは、全ての価値基準の中の、1割くらいの価値基準の中のお話だから。 それもわりとねじ曲がった。 ただ、そういう場もあるってだけ。 そこで、評価が低くても落ち込むことは、ぜんぜんない。

それはすごく特殊な世界のお話。 だって、人間、猫じゃないから。

ただ、あの場では仕方ない。 年齢ヒエラルキーも仕方がない。

男の人は女性の年齢にこだわってひどいひどい、というけれど、 あそこに出る女性だって、きっと結婚して子供が生みたい、と思ってる。 出産リミットを迎えると、すべり込みセーフで、結婚出産を考えてる女性って多い。

たとえば、その人が婚活パーティーに出る。 ステキな男性と知り合う。 いいな、と思う。 でも、その男性がある時、カミングアウト。 僕、体に問題があって、実は子供は作れないんです。 それ、アウト、だよね。 すみません、あなた、アウトです。 だって、私、子供欲しいから。

ということは、女性も同じように、残酷な足切りをしているってことなんです。

それが、婚活。 恋愛とは、まるで、べつもの。

さて、恋愛というのは、個々人のそういう生活とか 人生とか、展望とは、別のところから生まれます。 「好き」という気持ちはおかまいなしにやって来るから。

その「好き」につんのめっていくのが、「恋愛」。 で、ある時、周りのステキな男性たちは、みな結婚しているではないか、という状況がやってきます。(やって来るよね? 回りみても、わりとそう)。 すると、なにが起きるか、というと「不倫」。 「好き」という気持ちにブレーキをかけず、つんのめるとそれは「恋愛」ではありますが、形態としては「不倫」ということになります。 奥さんのいる人との恋愛。

これを、いいとか悪い、という気はありません。 それについては、確かなスタンスを私は持たないので。

で、その「不倫」という名の「恋愛」が、 長く長く続いてしまったとします。

そうすると、ハッと気がつくと その婚活ワールドでの自分の市場価値は、グッと下がってしまうわけですよね。

そんなの10分の1のエリアの話だとは、思うんですが、 本当の愛って、10分の1の小さなエリアでも、その人に不利益になるようなことは 起こらないようにしてあげることではないでしょうか?

私は、たとえば、娘にはそういう気持ちでいっぱいです。 少しでもリスクを背負わせるのは、嫌なので、3.11直後は九州の野菜を食べさせる、とか、していました(ちょっと、違う? この比喩。でも、わずかなリスクも避けさせたいのは、愛だと思うんですよね)

もちろん婚活ワールドなんて、全人生の10分の1のエリアのことだし、 男の人が女の人とつきあってその責任取る、なんてすごく昔臭くて、ナンセンスな言い回しだし、 恋愛って、フィィティフィフティだし。 女性の方にも稼ぎがあれば、なおさら。 という気持ちもわかります。

男性にしたって、本当に、その女性を愛していたとしても、 その人の結婚適齢期、俺はその人といっしょにいていいんだろうか、と思わない人も たくさんいると思います。 だって、恋愛は自由意思だし(無理強いしているわけではないし) 女だって、結婚が、しあわせとは限らないから。

でも、私、愛って想像力だと思うんです。 相手が、どういう世界に住んでいるか。 どういう局面を迎える可能性があるか? 女性ってどういう生き物なのか。 自分とどう違うのか。

それをよく考えた時、 まっとうな男性なら、未婚女性との、「不倫」ということを長くは続けられないのではないか、と思います。

アラフォーって大人だと思うんですよね。 二十歳とは違う。 二十歳の頃は、思いだけでつっぱしってました。 二十歳の頃は、相手の色気だけに、クラクラとしました。 それが「恋」だと信じていたし。

でも、年齢を重ねると 人は、ちゃんとした「人間」になって来るんだと思います。 たくさんの時を生きていく中で、野獣のままじゃ(考えなし、ということ)、人間じゃないです。 相手が、「人間」として、信頼できるかどうかって、大きな鍵です。 そこを度外視した、恋愛を40過ぎてやる人って、ただのアホだと思うんです。

だから、そう。 マトモな人とつきあいたいね、という話です。

想像力のある人と(相手の気持ちや、状況を、考えられる人、という意味)。 常識の、社会性のある人と。 社会性って、想像力のことです、よね?

えと、もう、結婚市場において、だだ下りの年齢になってしまっていて、 私、もう結婚はないわ、と思って不倫をする例に関しては 今回の限りではありませんので。

それは、また、別の話。ですよね。 (45歳と55歳の不倫、とかね)。

でも、私、一個、思うのですが、 夫婦も長年やってると、セックスレスになるって言うじゃないですか? とすると、不倫も同じ人と長年やってると、セックスレスになったりはしないんでしょうか? その場合、そのふたりの関係は……それでも、不倫……?

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北川 悦吏子

脚本家。『ロングバケーション』『ビューティフルライフ』などの数々の恋愛ドラマのヒット作を生む。活動は多岐に渡り、作詞やエッセイでも人気を集める。映画『新しい靴を買わなくちゃ』では、脚本とともに監督も担当。

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