PATISSIER eS KOYAMA パティシエエスコヤマ
兵庫県三田市ゆりの木台5丁目32−1
http://www.es-koyama.com/
まるでテーマパーク? めくるめくコヤマワールドで、新作ショコラを試食してきました。
関西DRESS部 運営幹事 川上 マチです。 梅雨の晴れ関、世界的パティシエ(そしてショコラティエでもある)小山進さんのエスコヤマさんへ取材でお伺いいたしました。
2003年オープン。1,500坪の広大な敷地に広がるコヤマワールド。
広大な敷地には、案内図を示した看板がありません。
それは、スタッフさんが自分自身を〝生きた案内図〟だと思ってもらいたいから。
気の利く人間を育て、それを自分のオリジナリティにして欲しい。
そう小山さんは、思われたからだそうです。
エスコヤマは、お菓子を売るだけのお店でなく、物語を生んでお客さまに提供するためにもお客さまとスタッフさんが、接する場を作っておくのも大事だということですね。
スタッフさんそれぞれが主体性を持って仕事をするのがエスコヤマ流。
本店にある、大人気のコヤマロールは、1日1,600本、ショーケースに並ぶ間もなく売れるそうです。
そして、こちらのRozillaはチョコレート専門店。
小山さんが少年時代、大好きだった京都の「路地裏」と、男の子が好きだった「ゴジラ」を掛け合わせた造語で、テーマは〝大人が本気で作る秘密基地〟。
大人は立ち入り禁止? 子ども限定の“未来製作所”
常時60~80種コンフィチュールに加え、25種のマカロンのゾーンには、真っ白の壁に黒い蟻のモチーフが……。蟻は甘く美味しいものに群がるというイメージで。
美しいヴェネチアングラスのシャンデリア。シモーネの20歳の時の作品だそうです。
コダワリでいっぱいのショコラを試食
そして、いよいよショコラセミナーです。
今年のコンクールのために作られた、まだ商品化されていないショコラを6種、それぞれ完成までのストーリーを伺いながら試食させていただきました。
2~5月までの3か月はショコラ製作に打ち込まれるそうです。
160のアイディアを出し、65個まで絞る。
昨年は25個だったそうですから常に挑戦し続ける小山さん。
洋菓子は日本では全く召し上がらず、新しいヒントを探しに、お食事に1年のうち340日はお出かけされるそうです。そして、同業者ではなく、料理人さんとの交流が多いそうです。
絶妙な配合の具合であるとか、小山さんの舌の鋭敏さには目を見張ります。
日本ならではの素材や調味料であったり、料理をいただいての組み合わせであったり、たまたまの失敗が成功につながったり……。
ショコラが出来上がるプロセスを話される小山さんのお話にどんどん引き込まれていきました。
酒粕の熟成の期間とフランボワーズの絶妙なマリアージュや、コンクールで金賞を獲るようなキロあたり10万円もするような極上の抹茶とプラリネアマゾンのハーモニー。
今年はどれが商品化されるかとても楽しみです。
原材料にも、用途に応じて、それぞれの良さを引き出し、妥協せずコダワリを持っておられるので
ボンボンショコラの価格が高いのも納得でした。
試食後、小山さんの夢やビジョンはと伺うと、夢はない。今向かわないといけないこと、弱点を直すことが新しいことに繋がると。
そして、やらなくちゃいけないことで楽しむ。
美味しいことの分析、何故まずいかの分析をする。
まさにPDCAをしっかりと実践されておられます。
ご著書「心配性」だから世界一になれた ~先手を打ち続けるトップの習慣~でも、結果を出す極意は、「心を配る力」と「前始末」だと書かれています。
日々マルチタスクで動かれ、一生懸命頑張るけれど、苦しそうにではなく、楽しんで頑張る!
関西DRESS部 企画・運営幹事