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結婚する人生 しない人生 #2 すべての恋愛経験は結婚の決断材料になる

大人になると選択肢がタテ並びになり、ひとつを選ぶとほかは消えてしまう。結婚するときも同じで、選べるのはイエスかノーだけ。そのときに私たちは必ず“比較”をしていて、ものさしになるのが過去の恋愛経験なのである。

結婚する人生 しない人生 #2 すべての恋愛経験は結婚の決断材料になる

結婚するしないについて、あらかじめ方針を決めている人は少ないと思います。
「あの人とは結婚しなかったけれども、この人とは結婚できた」結果として、後からふりかえったときに、結婚をする人生を選んだ、と言えるだけです。

問題は、つねに具体的なのです。

「今つきあっているこの人と結婚すべきか。それとも、次に現れる人を待ったほうがいいのか?」

いったい何を基準に、結婚を決めたらいいのでしょうか?
私は、選択肢が「ヨコ並び」のときと「タテ並び」のときは、選び方、考え方が違うという話をしたいと思います。


たとえば「嵐」が5人、目の前にいて、恋人にするならマツジュンか、櫻井クンかと悩む瞬間を想起してみてください。なんて幸福なひとときでしょう。これが選択肢がヨコに並んでいる状態です。
高校生のときの恋人選びはこれに近い。クラスに20人、男子がいて、そのなかで誰が好きか、誰とつきあうかを自由に決められる。

■私たちは比較して、選択している

ところが大人になると、就職とか結婚とか、大事な分岐点ほど、選択肢が向こうから順番に、タテに並んで現れます。
いま目の前にあるコレを選べば、その後の選択肢はすべて消えてしまいます。そして、後の選択肢に望みを託して、コレを見逃せば、もう二度と取り戻すことはできないのです。

選択肢がタテに並ぶ場合、迷うことは楽しいどころか、むしろ追い込まれたみたいです。結婚は、この人と結婚するかどうか、イエスとノーしか選べません。

この場合、他との比較ではなく、自分のなかに判断基準があるかどうか。それで決めるしかないんです。
ところが私たちは、本当のところは、何かと「比較することでしか」ものごとを評価できません。

恋愛経験のない人は、両親や親戚の事例を見て、想像するしかない。風呂に入るときに、他人の表情を見て、熱いかぬるいかを判断するようなものです。
恋愛経験のある人は、過去にさかのぼって判断します。元カレ前カレと比較して、いい男かどうかと考える。いい男かどうかを量的に測定する単位はありませんが、この男とあの男とどっちがいいか、という比較ならできるのです。

■通り過ぎてきたすべての恋愛経験に価値がある

つまり過去の恋愛経験は、男性を測定する「ものさし」の目盛りになります。
恋愛経験が2回しかない人は、ものさしの目盛りが2個しかない状態です。目盛りが2個しかないものさしで、対象を測ることができるでしょうか?
目盛りが10個以上になれば、ものさしはだんだん客観的になり、正確になるでしょう。

しかし世間には「恋愛経験が増えるほど、女性の価値が傷つく」という価値観が、根づよく残っています。たしかに女性を傷つける恋愛経験はあります。そこをどう考えたらいいでしょうか。

思うに恋愛は、女性の価値を傷つけるものと、高めるものがあるんじゃないでしょうか。

終わってから振り返ると「なかったことにしたい」恋愛がある。女性がよく「事故」と言っているアレですね。そういうものは、女性の価値を傷つける。
しかし終わったあとで、「あの人に出会えてよかった。あの人がいつまでも幸せでありますように……」と祈りたい恋愛もあるはずです。そういう恋愛経験によって、あなたの人生は豊かになったのです。

さらによく考えると、「なかったことにしたい」恋愛だって、「あってよかった」価値ある恋愛を、それとわからせるために必要だったのです。ダメな恋愛を避けて、いい恋愛だけをすることは、できないものなのです。

Text=松岡宏行
スイスイ社ディレクタ。新卒で外為銀行に就職、朝が苦手で毎朝退職を考える。25歳で辞め、居場所を見いだせず5年間引きこもり。93年社会復帰のため仕方なく実家の2階で会社を設立。広告とキャラクターの制作会社に。得意分野はイラストとブランディング、著作権ライセンス。雑誌連載のべ900頁、著書は『できる男は不倫する』『タイツくん真実のコースター すぐれた仕事は紙ナプキンから始まる。』など9冊。北海道出身。https://twitter.com/higetch

DRESS編集部

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