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セックスレス解消の体験談。カギは身近なところに

交際期間や結婚生活が長くなるにつれ、セックスレスに陥るカップルの割合は増えていきます。なかなか人には相談しづらいセックスの問題。みなさんどのように対処し、解消しているのでしょうか。その解消法は人によってさまざま。今回は、セックスレスを解消した女性の体験談を中心に、セックスレスの乗り越え方を紹介します。

セックスレス解消の体験談。カギは身近なところに

■セックスレスの解消法は千差万別

「もう一度ふたりにセックスを」

パートナーとセックスレスに陥ったとき、そう望む女性は多いはず。とはいえセックスレスは原因も中身もひとそれぞれ。解消法も千差万別です。

今回は、セックスレスの解消を実現した妻たちに、セックスレスを克服した体験談と効果があった方法&なかった方法をリサーチしました。妻たちはどうやってセックスライフを取り戻したのでしょうか?

■暮らしにセックスが戻ってきた! 妻たちの体験談

まずは辛くて長いセックスレスのトンネルを抜けた妻たちの体験談をのぞいてみましょう。

【Aさん(37)の場合】

記事中の写真はすべてイメージです

私たちはセックスレス4年の重度といえるセックスレス夫婦。きっかけは第二子の出産で、私は疲れていてしたくないと思っていたし、夫は「子どもが寝ている隣でセックスなんてできない」といって、そういう雰囲気にもなりませんでした。

セックスレスを解消しようと思ったきっかけは、私の性欲の復活です。第二子が入園して少しずつ心身共に余裕がでてきたとき、セックスしたいなって思えるようになったんです。でも夫は無理だと。だから子どもを実家に預けて、セクシーな下着とボディラインが出る部屋着を身に着けて、濡れ場が多いことで有名な某邦画をふたりで見たんです。すると夫のあれに変化が。そのままソファで久しぶりのセックスに。

終わった後にお互いのセックス観について話し合って、そこからは2週に一度の頻度でセックスが復活しました。セックスがある生活ってこんなに華やぐんだと今さらながら暮らしに潤いを感じています。

【Bさん(41)の場合】

セックスレス歴2年だった私たち夫婦は子どもは3人で、全員が小学生。セックスレスのきっかけは夫のEDでした。子どもが生まれてからも、定期的にセックスはあったものの、夫が40代に入った頃から中折れしてしまい、挿入しても勃起が持続せず射精は難しい状態。挿入できる時間が数秒で、セックスとはいえませんでした。それで夫はセックスしたがらなくなりセックスどころかディープキスも消えてしまいました。

セックスレスを解消できたきっかけは、夫の断酒です。健康診断で脂肪肝と肝臓系の値の悪化を指摘されたため、毎晩飲んでいたお酒を辞めました。すると1週間ほどで朝立ちが復帰したと夫から報告が。その晩、久しぶりに挑戦してみたところ30代前半を思い起こさせるような力強さでした。お酒が原因で性機能が低下していたことが、私たちのセックスレスの原因だったとは思いもしませんでしたよ。

【Cさん(45)の場合】

夫の両親と同居して10年。セックスレスも10年。新婚当初はふたりで暮らしていて、毎日のようにセックスを楽しんでいました。ところが夫の両親が二世帯住宅を建築したため、引っ越すことになり、そこからセックスレス。「父や母が同じ建物にいるとセックスはできない」というんです。たしかに音でセックスしていることがバレてしまうかもという不安はあるものの、だからといってセックスしてくれないなんて。ずっと諦めていましたが、このまま一生セックスしないかと思うといてもたってもいられなくなりました。

そこで2週間の海外旅行を計画。夫婦仲は悪くなかったので、夫も乗り気になってくれてふたりで長期休暇をとってイタリアに。すると1泊目の夜から……。環境が変わるだけでその気になってもらえるなら、もっと早く旅行を計画すべきでした。それからは月に3回は週末旅行プチ旅行と称してホテルに泊まって、失ったときを取り戻すようにむさぼり合っています。

【Dさん(34)の場合】

顔も見たくないし触りたくもない。私は夫のことを憎んでいて、セックスどころか会話も無理な状態でした。セックスレス歴はたぶん3年くらい。私が夫のことを受け入れられなくなったのは子どもを産んだ直後の夫のふるまい。眠らない新生児の授乳や寝かしつけ、おむつ替えに奮闘して、家のことはほとんどできなかった私を責めたり、嫌味を言ったりしていたんです。

子どもが成長してからは子育ては積極的に取り組むものの、家のことはなんにもしない状態。私だって働いているのに家事の負担はすべて私にふりかかっていました。だからセックスを迫られたら当然拒否ですし、会話も最低限。そんな私たちが夫婦仲を再構築してセックスレスを克服したきっかけは、夫に離婚届をつきつけたこと。夫はようやくことの深刻さを理解したのか、家事だけでなく育児にも積極的に関わるようになりました。「手伝ってやってる感」ではなく主体的に家事育児に取り組んでくれたんです。

家事・育児の負担が軽減して精神的なゆとりがもどってきた私は、少しずつ夫への憎しみも和らいできて会話も復活。そしてふたりで子どもを寝かしつけてビールを飲んだら、「していいかも」と思って夫に迫ったんです。そこからセックスが復活して、今では「ふたり目を作ってもいいかもね」といえるほどに。

■セックスレス解消に効いたこと、効かなかったこと

セックスレスに悩む妻たちは、あの手この手でセックスレスにアプローチしています。彼女たちの奮闘はいかに?

私はこれでセックスレスに別れを告げた

まずはセックスレス解消に功を奏した方法からご紹介!

夫がセックスに誘ってくれなくなってから1年。随分と悩みましたが、くよくよ悩んでいても解決できないなと自分からセックスに誘ってみました。とくに難しいことはしていなくて、寝ている夫に襲いかかってキスをして……という感じ。最初は驚いたようですが、すぐさま応じてもらえました。セックス=男性が誘うものっていう固定概念を拭い去ったのが勝因だと思います。パートナーから誘われるのを待っているだけじゃなくて、自分もアグレッシブになってみては?(39歳/女性)


ペットたちに見られたらその気が起こらないと言われてセックスレスになってから半年。犬たちをケージに入れたり、インコのカゴを別の部屋に移したりしたものの、隣の部屋で起きているペットたちの気配がするだけで無理だと言われました。そこでペットたちを一晩だけペットホテルに。インコは親に預かってもらいました。するとセックスに応じてもらえるように。とはいえ毎回ペットたちを預けるわけにもいかないので、少しずつペットがいる家でも性的な雰囲気になれるように奮闘を続けています。(36歳/女性)


週に2回はセックスをしたい私と、3カ月に一度でいいと考えている夫。セックスの価値観がまったくあわない夫婦でした。私はセックスレスの回数が足りなくて不満でも夫は満足。そこでふたりでとことん話し合いました。私がもっとセックスをしたいことを伝えると、夫は挿入は3カ月に一度でいいと考えているけれど性的なコミュニケーションは嫌いではないことが発覚。逆に私は挿入しなくてもいちゃいちゃすればOK。お互いのセックスに関する価値観が明らかになったことで、ふたりが満足できるセックスができるようになりました。(43歳/女性)

効かなかった方法

次にセックスレス解消に効果がなかった方法もチェックしておきましょう。

私たちのセックスレスは2年間継続中。夫は疲れているからとか、眠いからなどといって私より先にベッドに入り、私より早く起きて出掛ける毎日。避けられている感じでした。セックスレスを解消するためにありとあらゆる方法を試しましたが、どれもこれも効果がありません。裸になって迫ってみたり、寝ている夫の下半身に刺激を加えたり、直接したいと誘ってみたり。もう疲れました……。(39歳/女性)


夫にセックスを拒否され続けて1年半。アメリカのドラマみたいに寝室をキャンドルで飾ってみたり、かわいい下着を身に着けたり、ちょっとエッチな映画を見せてみたり。どの方法も効果がなく、夫はセックスしてくれません。もう私たちはだめなのかもしれない。カウンセラーやセラピストに相談しようかと本気で考えています。(41歳/女性)


私たち夫婦からセックスが消えてから10カ月。セックスをしたくて、夫に「どうしてセックスをしてくれないんだ」と詰め寄ったところ、「そういう話はしたくない」と逃げられてしまって。それからはセックスのことどころか、日常会話もちょっとよそよそしくなってしまいました。私が積極的すぎたのかな……。(43歳/女性)

■【専門家に聞く】夫婦のセックスレス、どう解消すれば?

カップルにはそれぞれの関係性があるため、ここまでに紹介した成功例・失敗例が誰にでも当てはまるわけではありません。とはいえ、解消に向けた具体的な方法は多く知っておきたいですよね。性に関する総合アドバイザーとして執筆や講演を行うラブライフアドバイザーのOliviA(オリビア)さんに、セックスレスを克服するためのポイントについて聞きました。

残念ながら「これをすればセックスレス問題は解決」という特効薬は存在しません。でも、セックスレスの原因を探ってきちんとアプローチすれば、セックスを再開できる可能性は十分にあります。ここではいくつかのポイントを紹介します。

1.女性のマインドを切り替える


「セックスは男性が誘うもの」「男性がリードするもの」という考えは未だに根強くあります。でも、女性が性欲を持つことや性的行為に関心を持つことは、恥ずかしいことでもはしたないことでもありません。もちろん女性から誘ってもいいし、セックスに積極的な態度を喜ぶ男性は想像以上に多いものです。「彼に誘わせる」という考え方は、女性のセックスへの関わり方を歪めているともいえます。女性から誘うことに抵抗がなくなれば、セックスはよりフラットで気軽なものになっていきます。

2.交際当初を思い出すようなデートを設定


付き合ったばかりの頃や新婚時代はセックスをしていたのであれば、昔を思い出すようなシチュエーションを作ってみるとよいかもしれません。当時聞いていた音楽を聞いて、当時訪れていたお店でご飯を食べる。その頃の写真を見るのもいいですね。新鮮な気持ちを呼び起こすのがマンネリ打破につながります。

3.日常と非日常のスイッチを切り替える


結婚前は「セックス=非日常」だったのに、同棲・結婚後はセックスが日常の一部と化します。すると、ムラムラするような性的な興奮を覚えにくくなります。日常の延長でセックスができるカップルは問題ないのですが、刺激が必要なふたりであれば、日常と非日常を意識的に切り替えることが大切です。おしゃれをして待ち合わせをする、外泊をしてみるなど、新鮮な刺激を取り入れてみると気持ちにも変化が起こるかもしれません。

4.性欲のレベル感や好きなプレイをすり合わせる


妻と夫の性欲の強さは必ずしも一致しません。もしお互いに性欲がなければセックスレスは問題にならないので、セックスレスを問題視しているということは、お互いのセックス観に乖離がある可能性が高いということです。

求めるセックスの頻度はどれくらい? 挿入が好き? それともセックス前のいちゃいちゃが好き? そういった部分をパートナーと話し合うことが大切です。挿入&射精だけがセックスではありません。性的なコミュニケーションがとれていて、お互いに望むスキンシップがとれていれば、それはセックスが成立しているといえます。

5.セックスの障壁を取り除く


セックスレスの主な原因が子どもや同居の親、ペットなどの場合、外的要因を解決するだけでセックスが復活することも。たとえば「子どもを実家に預けてデートを設定したらセックスが再開した」という事例もあります。セックスには精神状態が大きく影響するため、セックスの妨げとなる事柄がわかっているのなら、なるべく取り除くようにすると良いでしょう。

6.第三者の視点を取り入れる


「他の女性には興奮する」
「オナニーならできる」
こんな「妻だけED」に有効なのは、第三者の視点をいれること。「複数プレイをしろ」という話ではなく、たとえば友達夫婦と食事をするだけでも夫婦関係の刺激になります。カウンセリングで私のもとを訪れた夫婦が、相談後にセックスが再開した事例もあります。

7.焦らず段階を踏む


一言で「セックスレス」といっても、軽度から重度のものまで程度はさまざま。年単位でセックスがなく、相手の身体に触ることすら厳しいようなら、突然セックスに誘っても解決は難しいでしょう。「キスはOK」「手はつなげる」「服を着て抱き合うのはOK」など、どの程度スキンシップをとれそうかをお互いにすり合わせながら、少しずつ肉体的な距離を縮めていくのがベターです。


専門家プロフィール

OliviA(オリビア)
ラブライフアドバイザー。2007年より性生活の総合アドバイザーとして活動。カウンセリング・レッスンで「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著『セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ』(日本文芸社)他多数。

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北崎りょう

男女のあれこれについて、日々悶々と悩むバツイチライター。痩せたり太ったりを繰り返しながら、生涯の伴侶を探し続ける。ライター歴10年、ウェブメディアや書籍向けの文章を執筆。

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