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くせ毛との戦いには、美学がつまってる

DRESS連載『完璧になれない私の話』では、Twitterでフォロワー7万人以上を誇る恋愛コラムニスト、エマちゃんのちょっとだけ”かっこ悪い”お話しを綴っていきます。今回は湿気の季節にうなりを上げる「くせ毛」との戦いの日々について。

くせ毛との戦いには、美学がつまってる

長年くせ毛と戦っている。

私と会う人にこれを言うと驚く人が多い。

目の前にいる私はロングヘアで、キューティクルがツヤんとしていて、綺麗にカールされた髪を持っていて、それなのに「すごいくせ毛なんですよ〜」と言うもんだから、「え? どこがくせ毛? 髪綺麗じゃない!」とびっくりする。

私も私で、まるで「もとからこの美しさです」みたいな雰囲気を出している。
けれど実はこのロングヘアはクソほど手間と努力とお金をかけて手に入れたものなんですね。ほんとは「なにもしてないんです〜」と言いたいところだけれど、この連載は自分の現実と向き合う場。今からその手間暇かけた工程を全て説明させていただこうかと思ってるんです。聞いてください。

■ヘアケアの方法(私の場合)

まず半年に1回の縮毛矯正。
シャンプー前はブラッシングして髪の毛のほつれをとかして、ぬるま湯でしっかり予洗い。シャンプーはしっかりと泡立ててから髪にのせてる。

それから髪の毛の水分をなるべく絞ったあとに、お取り寄せした美容院のトリートメントクオリティのヘアパックを毎日使う。
ヘアパックを粗めのクシでとかしてなじませながら塗る。タオルドライでは決してこすらないように、パンパンと叩きながら拭き取る。洗い流さないトリートメントを塗ったら、また粗めのクシでコーミング。それから「復元ドライヤー」という、髪がつやつやになるドライヤーで、斜め上45度の角度から風を当てブロー。夜寝るときはないとシルクのナイトキャップをかぶって、 髪の摩擦を保護してる。

出かける前は、5万円ぐらいする高級ヘアアイロンで艶を出しながらカールヘアを作ってる。もしくはストレートアイロンで必ず熱を入れる。熱を加えることで艶が出るから、なにもせずお家を出ることはあまりない。

熱を入れないときでも、必ずシニヨンやヘアアレンジをしてる。
美容院では月一でトリートメントして、ヘアカラーも明るいと傷みやすいから、7トーンから9トーンの間で調整しながらダメージケアもしてる。

……と書き出すだけでも大変(読むのも大変だったと思います)。
これらの手間や暇がかかっていてナチュラルな(ように見える)ツヤツヤロングヘアを演出しているというワケなのです。

■「ごめんね……」と言いながらお金を渡してくれた父

くせ毛との戦いを始めたのは、中学生のとき。当時私たちの間で人気だった雑誌には榮倉奈々さんや北川景子さんが出ていて、彼女たちはみんなピンピンでペラペラのストレートヘア。とにかく真っすぐでサラサラな髪がトレンドだったんだよね。

一方トレンドとは正反対な、くせ毛で多毛な自分の髪。多感な時期だったこともあって「髪型がキマらななにもはじまらん!」と思う日々……もうね、気になってしょうがなかった。ということで、縮毛矯正をかけることに決めた。

クラスの誰よりも早く縮毛矯正をかけた私。その頃の女の子って良くも悪くも友だちの容姿が変わることにものすごく敏感。私がストレートヘアになったことで「垢抜けた!」「かわいくなった!」と大騒ぎ。なぜ髪をまっすぐストレートにすると容姿が洗練された感覚になるのか当時はなにも疑問に思わなかった。とにかくそれから縮毛矯正をかける女の子が続出したよね。

私のくせ毛は、完全にお父さんからの遺伝。母の髪は直毛で、ドライヤーをしないまま寝ても翌朝ツルツルでいられるような奇跡の髪。

だから中学生にとってめちゃくちゃ高額な縮毛矯正のお金をお母さんにねだったら「それはパパの遺伝だから、パパに請求して!」と言い放たれたの。 言われた通りお父さんに請求をしたら、多感な中学生の娘が自分の遺伝子で悩んでることを真摯に受けとめてくれたのか、ものすごく悲しそうに「ごめんね」とお金を渡してくれた(笑)。

■ありのままを愛すもよし! 努力して変化をするもよし!

今はもうストレートヘアだけがかわいい時代じゃないし、大流行しているわけでもない。だけど縮毛矯正は今でもかけ続けている。

私のくせ毛は放っておくと、根元がふわふわ立ち上がってしまい、そのせいで頭が大きく見えてしまう。頭のシルエットが卵型じゃなく、四角くなってしまうの。
頭がでかく見えると、どんなメイクをしても、どんなおしゃれをしても、なんだか垢抜けないのよね……。毎朝根元にだけストレートをかけるのもしんどいし、縮毛矯正は続行スタイルです。

理想としては、くせ毛と共存するナチュラルスタイルなんだけど、いまだにできそうにない。持ち前のくせ毛が役に立つときだってもちろんある。たとえばゆるふわアップのヘアアレンジとか作りやすいし、カールヘアもスプレーをせずともめちゃくちゃもちがいい。ストレートでちゅるんちゅるんの子はよく、かきあげ前髪ができないってよく言うけど、私は簡単にできる。 家族にも「そのくせ毛がかわいいんじゃん!」って言われてきた(素直に受け止められなかったけど)。だからくせ毛はダメだ、なんて言うつもりは微塵もない。

ただ、私の美の基準に、私のくせ毛はそぐわなかった。
だからずっと遺伝子と戦ってる。

ナチュラルであることが美しい、ありのままの姿がその人らしさだという基準を持った人もいるし、それもそれでひとつの価値観だと思う。

ただ、「頑張りすぎてないことが綺麗」とか「生まれ持った身体を愛そう」みたいなものが、どうしても自分にはしっくりこないときもあるよね。変化したいとか綺麗になりたいって気持ちがあって、それがお金や自分の努力次第で実現できるならどんどんやったらいいと私は思ってる。

人の容姿についてあれこれ口を出す時代は終わりつつあるんだけど、いまだに人の外見をからかったり、余計なアドバイスをしてくる人っているじゃない? 変化があったらあったでなにか言ってきたりして。でもこれからは、自分のやりたいように、なりたい容姿になっていいんだよ。それが幸せへの近道なんだって時代の変化が教えてくれてるよね。

ありのままを愛すもよし、努力して劇的な変化をするもよし、自分の美学を貫いていけばいいと、私は思うよ。 てことでこれからも手間暇かけさせてくれよな、Myヘアー。

『完璧になれない私の話』バックナンバー



#1 恋を失ったとしても、その先に自分だけの正解がある

#2 VIO脱毛体験記。あまりの激痛にめげそう

#3 くせ毛との戦いには、美学がつまってる

エマちゃん

小悪魔と呼ばれていた恋愛戦士も今や人妻。芸能芸術のお仕事をしています。

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