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肌に重ねる、冬の遊戯。ジョー マローン ロンドンふたつの香り。

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肌の上に香りを直接纏うと、肌自身が持つ香りや体温と混ざり合い、香水のキャラクターが活きてくる。さらに、自分好みの香りを組み合わせると、香りの遊びはもっと面白くなる。前田紀至子さんによる特集「溶かす、深まる、香り」への寄稿です。

肌に重ねる、冬の遊戯。ジョー マローン ロンドンふたつの香り。

鼻の頭を撫でる風がツンと冷たくなって、自然と肩のまわりに力が入り、肌がひりつく季節。寒さがつらくはあるけれど、この数カ月は、香水で遊ぶのがとびきり楽しい、香りにとってのゴールデンシーズン。

もちろん、初夏から夏にかけて、青々としたフレッシュな香りを纏うのも楽しいし、春や秋にぴったりな花々や穀物の香りを満喫するのも粋だと思う。だけれど、香りを自由自在に「ものにしよう」と思ったら、冬という時期こそお誂え向きかもしれない。

そういえば、私が香水に心を奪われるきっかけになったのもまた、ずっと昔のとびきり寒い冬の夜だった。ボーイフレンドの部屋のベッドサイドにさりげなく置かれた、薬瓶を思わせる見慣れないフレグランス。

ニューヨークで買ったのだというそれは、当時の私にはどうしようもなく成熟した官能的なものとして映った。彼が部屋から離れた隙にほんのワンプッシュだけ、その日着ていたヒートテックの中に吹き付けてはたまらなくドキドキしたことを覚えている。

■肌の上に纏う

そしてあれから随分経った今年の冬、いまやもう私にとってフレグランスは自分の一部のようになっていて、日々洋服や気分、天気や湿度、その日会う相手などのことをおもんぱかっては「さぁ、今日は何にしようか」と考えるのが無意識な日課なのだけれど、奇遇にもあの夜と変わらずに、私が心掛けているのは、服の上からではなく(できれば全裸で)肌の上に直接つけるということ。

当時は単に「こっそり香水を使ったことがバレてしまったら、バツが悪いな」と考えていただけだったけれど、結果としてそれは正解だった。服の上に吹きかけるのと肌の上に馴染ませるのでは、香り方は全くと言って良いほど変わってくるし、肌自身が持つ香りや体温と混ざり合うことでより一層キャラクターが生きてくる。

特に重要なのは、一度に纏う量。匂いの強弱やオーデコロンとオードトワレ、オードパルファムといった種類によっても変わってくるものの、一度に吹き付ける量は10〜15プッシュ。そうなると、必然的に「何を選ぶか」だけではなく「どう使うか」だって、少なからず重要になってくるように思う。「香害」なんて言葉もあるように、服の上からつけるのでは、どうしてもわざとらしく、そして過剰になってしまう。

そういった点でも、冬は冒険も実験もしやすい季節。ふんわり柔らかなコートやざっくりと編まれたセーター。その下に潜む肌のくびれの部分や、内腿、膝の下、くるぶし。首筋や、腕の内側、手首。なだらかなシルエットをなぞるように、自分の好きな香りを潜ませてゆく。せっかくならば下着の上にスリップやシャツ、ニットを重ねるがごとく、香りも組み合わせてゆけば良い。そう、それはどうしようもなく耽美で優雅な遊戯。

■好きな香りを組み合わせるワクワク感

そして、「香りを組み合わせる」という一見ハードルが高い試みを、プレイフルかつチャーミングな「フレグランス コンバイニング™」として確立したブランドこそが今やフレグランス界を代表するジョー マローン ロンドン。コロンとボディ クレームなど、異なる香りを組み合わせ、自分の好きな香りを作れるサービスである。

常時20種類が揃うコロンはブランド内の香りならどれとどれも組み合わせても不思議とよく合うから、自分自身の好みを見つけ出したり、個性を表現したりするのにぴったりで、一つひとつの香りを嗅いでいるうちに、ついつい時が経つのも忘れてワクワクしてしまう。

一通り試しているうちに、これが好き! とピンとくるものが出てきたら、次にするのは気に入ったもの同士を組み合わせてみること。1994年に創立者がシンプルな中にも意外性のある数種類の香りを作り出して以来、英国スタイルの代表として、世界中のファンを魅了しているブランドだけに、当然単品で使っても素敵なのだけれど、「フレグランス コンバイニング™」をすることで、まるで自分だけの、自分を表現するのにぴったりな、特別な香りのように感じられて、より一層香りに対するときめきが色濃くなるはず。

■憧れの組み合わせを纏う

ちなみに、限定品もふくめて、これまで数えきれないほどのジョー マローン ロンドンらしい洗練された香りに翻弄されてきたものの、冬場のせわしない日々を駆け抜けたい私にとって最強の組み合わせは、「154」と「ミモザ&カルダモン」のコンビネーション。

ブティックのロンドン1号店の番地に由来している「154」はハンサムなウッディ。そして、その名の通り砕いたばかりのカルダモンのフレッシュなスパイシーさと甘い黄金色のミモザの香りが、なんともエキゾチックな「ミモザ&カルダモン」。

「154」は少しも媚びがない香りであるがゆえ、女性が纏えば逆にフェミニンさが際立つと思うし、「ミモザ&カルダモン」はドライに見せかけつつも奥深くに官能がほのかに香る。

もしかすると一般的な「甘くて」「可愛らしい」「誰からも愛される」香りとはまた少し違うかもしれない。だけれど、このふたつを合わせた瞬間に生まれる雰囲気――たとえば、少しミステリアスでありながらも、どこかほっとする、甘美な佇まい――は、自分にとっての憧れそのもの。

それゆえ「人はこんな風に理想を追い求めるのね」としみじみ納得してしまうし、そういった意味でも香水は深くて、面白い。もしも自分を見失いそうになったときや自分らしさを見出したくなったときには、ジョー マローン ロンドンに足を踏み入れて、そのときの自分にうまくはまる香りを徹底的に追い求めてみるのも悪くない糸口になるかもしれない。

Text/前田紀至子

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DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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