職場の年下男性に恋。彼の心を開くために、36歳女性が努力したこととは
30代や40代になると、年下男性との恋がぐっと身近になります。人を好きになるのはどんなときも幸せだけれど、年齢差や価値観の違いなど、同世代との恋愛とはまた悩みが変わりますよね。恋愛不信の年下男性を好きになったある女性は、柔軟さを忘れずにいたことで男性の心を開きました。彼女はどんな努力を重ねてきたのでしょうか。
■浮気されて女性不信になった男性
仕事は真面目だけど、女性社員に対してはいつも一線を引いた接し方をしていて、最初は『女性が苦手なのかな?』と思っていたのですが、飲み会のときにたまたま隣になり『過去に女性関係で苦労でもした?』と訊いたら
『好きな人がいたのだけど、浮気されて別れてから女性不信になった』
と返ってきてびっくり。
私が年上だったせいか、ほかの女性ほど警戒されることはなくて、つまり恋愛対象ではないと思われたのが、親しくできるきっかけだったのかもしれません。でも、仕事熱心でわからないことはしっかり調べて質問する姿や、私に対しても先輩として立場を尊重してくれること、男性社員とは気さくに話して笑顔を見せる様子なんかを見ていたら、いつの間にか目が離せなくなっていたんです。
大きなプレゼンのあとで、気が抜けたみたいに缶コーヒーを飲んでいるのを見て『お疲れさま! 成功して良かったね』と思わず声をかけたら、『先輩やみんなのおかげですよ』ってふっと笑ってくれて、そのとき恋心を実感しました。私は彼にとって恋愛の対象外。だからほかの女性より仲良くしてくれる。頭ではわかっていても、男性社員と話すときのように表情が緩むのを目の前で見ていたら、どうすれば好きになってくれるのだろうとばかり考えるようになりました。
それで、まず彼が恋愛についてどう思っているのかを聞いてみようと思って、思い切ってお茶に誘いました。退社後に『いいお店があって』と言ったら頷いてくれて、うれしかったです。そこで聞いたのは、彼はとにかく裏切られるのが怖いこと、女性を信じたいけどどこを見ればいいのかわからなくなっていること、いいなと思う女性がいても自信を持って近づけないことなど、恋愛そのものに対して積極的になれない気持ちでした。
そのとき、『◯◯さんは以前から俺のことを気にかけてくださって、感謝しています』と言われました。あくまで先輩としてでも、信頼されているとわかったのはうれしかったです。年齢のことをさり気なく訊いてみたら、『実際の年より精神年齢のほうが大事ですね』と即答だったのですが、これは諦めなくてもいいということでしょうか?
彼に好かれるには、どうすればいいですか?」(36歳/営業)
好きな男性が年下で、しかも過去の交際でトラウマを抱えていて、自分は恋愛対象外。そんなとき、一番に見ないといけないのは「まず自分が彼に対して心を開けるか」です。
恋愛に臆病になっている相手に、こちらも中途半端な恋心で関わろうとすると、好意に気づかれたときに必ず相手は戸惑います。まっすぐ受け止めてもらいたいのなら、男性の傷や痛みと向き合う姿勢を忘れないこと。彼に向ける愛情を育てる努力も、良い関係を築くためには欠かせないのです。
■心を開くコミュニケーションを重ねる
こちらの女性は、彼が恋愛から逃げるのは「過去に浮気をされたことで、女性の言葉や態度を信じられない」ことが原因だとわかりました。
ですが、それを理解して「私は絶対に浮気しないし、信じてほしい」と彼に伝えたところで、すぐに信用されるはずがありません。
彼にどう接すれば、信じるに値する人間と思ってもらえるのか。それは、一朝一夕で完成するのではなく、日々のコミュニケーションを重ねることで、彼に自分を少しずつ知ってもらうしかありません。
仕事にとても真面目に取り組む彼は、彼女のことを「頼れる先輩」という目で見ていて、そのアドバンテージが警戒心を薄めることにつながっています。だからお茶も付き合ってくれるのであって、すでに恋愛以外での信頼はある、といえますよね。
そこから彼女自身に関心を持ってもらうには、仕事を離れた部分で魅力を知ってもらう機会が必要です。最初に彼の状態について正面から確認したのはとても良いきっかけで、彼にとっては「自分の恋愛観を話しても大丈夫な相手」ということ。それなら、もう一歩踏み込むには「そんなあなたを受け入れる」姿勢を見せることで、彼の心をあたたかく刺激するのが良い方法です。
「女性を信じたいけど、どこを見ればいいのかわからなくなっている」ことが恋愛に積極的になれない理由のひとつなら、彼を信頼する姿、性格や人間性をきちんと見て好意を持っている自分を知ってもらえれば、彼は「俺を理解しようとしてくれている」とポジティブな関わりを持とうとします。彼女は、
「報告書のまとめ方、すごく読みやすいけど時間がかかったでしょう。ありがとうね」
「男女関係なく自分から挨拶するところ、私も見習いたい」
「お弁当のゴミを分別しないで捨てる社員もいるのに、いつも気をつけてくれて助かる」
など、彼の言動を受け止める言葉を出し惜しみせずに使いました。実際に彼は几帳面で本当は人と関わることが好きなタイプ。自分に自信を持てていないだけなので、こうして「見てもらえている」実感を与えてくれる彼女は、自分では溜めることのできないエネルギーを満たしてくれる存在として、大きなものになります。
そうなれば、彼のほうも同じく彼女の言動に注目するようになり、
「いつも髪型がきまってますよね」
「字がきれいで羨ましいです」
など、彼女を認める言葉が出てきます。
人は鏡です。ポジティブな自分を教えてくれる人には、こちらも良いところを探して伝えたい。それが男性の心を開くコミュニケーションであり、信頼につながります。
■年下男性が相手でも恋愛感情は隠さない
年下男性と順調に距離を縮めていく彼女でしたが、
「もし好きだとばれたら、嫌がられるかもしれない」
という不安がありました。
そもそも年上だから気軽に話してくれる、と思いこんでいた彼女は、恋愛感情を持っていることが知られて男性に嫌悪される可能性をずっと気にしていたのですね。
ですが、こちらが愛情を持って男性と関わる以上、恋心を隠すのは男性にとって悩みの種になります。「こんなに俺を見てくれて、理解してくれて、俺のことが好きなのだろうか」という疑問は当然出るわけで、そのときに彼女がその可能性を否定してしまえば、そこで男性の気持ちはストップします。「じゃあ、どうして?」と戸惑いがあると、親しくなりたい気持ちの行き場がなくなるのですね。
恋愛感情は、隠さないのがベターです。感づかれたとしても、それをどう思うかは男性の問題。あれこれと不安を覚えて伝えることをやめてしまうのではなく、こちらにできるのは誠意を持って良い関係を築きたい姿勢を見せることだけ。その芯の通った姿こそ、男性が「信頼に値する女性」と確信する一歩になります。
彼女は、男性が自分を食事に誘いたがっている様子を見て、「良ければ、今度の週末ふたりで飲みに行かない?」と勇気を出して声をかけました。そしてこれが、男性の自分に対する恋心を垣間見る幸せな時間となりました。
■柔軟さを忘れないひとが愛される
彼女が意識して努力していたのは、「男性の変化を柔軟に受け止めること」です。
自分に向ける言葉や態度を受け取り、男性は彼女に対する接し方を変えることを思いつきます。でも、自信がないのでスムーズにはいかず、ぎくしゃくしたりときには拒絶したり、葛藤があったのは様子を聞いていてわかります。そんな男性の変化から逃げず、葛藤ごと受け入れる、柔軟に対応することで、男性の不安や不信感を取り除いてきたことが、予想より早く交際にたどりついた理由のひとつだと感じました。
まずは自分から心を開いて、愛情を隠さず伝えること。「そんなあなたを受け入れる」メッセージを送り続けること。そして、「信じたい」と願った男性の心の変化から逃げないこと。彼女は、
「年上なんだから、どんと構えていないとね」
と話していましたが、本当は「振られたらどうしよう、嫌われたら二度と元の関係には戻れない」という苦しみとも闘っていました。それでも、男性に向ける愛情を自分でしっかり育てる勇気があったことが、幸せな結末につながったのだと思います。人は鏡です。ポジティブなコミュニケーションがお互いの心を開くことを、忘れずにいたいですね。
※ この記事は2019年10月26日に公開されたものです。