添い寝フレンドは猫

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コミックエッセイ『ただいまみいちゃん』では、ひとりの女性と1匹の猫のささやかな日常をお楽しみいただけます。第8話となる今回は、ふわふわで、あたたかくて、気持ちの良いものが大好きなふたりの習慣について。ただ居心地が良いということだけが、一緒にいる理由になってもいいよね。

添い寝フレンドは猫

私がシャワーを浴びていると、みいちゃんはきまって追いかけてきてお風呂場の前で鳴いている。扉を開けて「大丈夫だよ」と声をかけて開け放ったままにしておく。みいちゃんは鳴きやんで、おすわりしたまま私を見ている。何かを待っているみたいに。何を待っているかは知ってる。まだ泡がついてるから待ってね。

シャンプーのついた髪を洗い流すのに目を瞑っては開けて、みいちゃんがまだいるか確認しているうちの何度目かでみいちゃんがいなくなっている。飽きちゃったのかな。寂しい気持ちになる。

蛇口をキュッと閉めて、お風呂場を出ると「ニャー」とまるきり猫のような声で鳴きながらみいちゃんが迎えに来る。早く早くと張り詰めたような表情をしている。私はみいちゃんが何を待っているのかわかる。みいちゃんと目を合わせてにやりと笑い、私はベッドのほうに駆け出す。みいちゃんも走り出す。走り幅飛びのごとく転がるようにしてベッドにダイブする。みいちゃんもダイブする。私は裸のまま、手を上に、足をベッド下にめいいっぱい伸ばしてグググ、弓なりになる。寝起きのみいちゃんみたいにグググ、弓なりになる。

みいちゃんはベッドをしっかり信頼してころんと倒れ、私の身体のカーブにぴったりと合わせる。私がお風呂に入ったときから、みいちゃんがこの瞬間を待っていたのを知ってた。あたたかいものに寄り添うのは気持ちいいもんね。私もみいちゃんのふわふわが好き。体温をあげて、ふわふわをもらう等価交換のような身体の触れ合い。居心地の良さがそのまま寄り添う理由になることはみいちゃんが教えてくれた。人間の添い寝フレンドじゃこうはいかないなと思いながら、みいちゃんの肉球を食んだ。

Text/佐々木ののか(@sasakinonoka
Comic・Illust/池田明久実(元ぱの)(@panoramango

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