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夏こそ「江戸の粋」が詰まった屋形船で大人の舟遊びに出かけよう

この夏、DRESSでは屋形船のイベントを開催します。前回も好評だったイベントを今年はさらにバージョンアップして、浴衣での撮影会や、船内で伝統芸の浪曲口演を楽しめる大人の夏遊びをテーマにした内容となっています。当日乗る船内の様子など、一足早くイベントで楽しめるポイントについてレポートします!

夏こそ「江戸の粋」が詰まった屋形船で大人の舟遊びに出かけよう

伝統芸能を見ていると、「舟のある風景」によく出会います。

それは今生の別れの船出であったり、任を受けて意気揚々と出かける船旅であったり、仲間内でわいわいと浮かれて出かける船遊びだったりと、目的もシーンもさまざまです。

ことに江戸時代の庶民が舟を楽しむ様子は、実に風情溢れるものがあり印象的です。

歌舞伎『名月八幡祭』で、深川芸者の美代吉が舟に乗って屋敷の前を涼やかに通り過ぎていくその色っぽさ。落語『船弁慶』で描かれるちょっとした贅沢としての舟遊びの様子……。

当時は鉄道のない時代ですから、人々にとって舟はもっと身近なものだったのでしょう。

江戸時代の舟あそびは、もともと大名や豪商が自前の舟を浮かべ、その大きさや装飾の豪華さを競い合うかのようにして遊んでいたことに始まるようです。

しかし身分制度もある時代、そんな豪華な舟に庶民は乗ることができません。

そこで考案されたのが、庶民でも乗ることのできる小型で質素な屋根付きの部屋を乗せた舟、つまり今の屋形船のようなもの。とりわけ江戸では、夏の暑い盛りに隅田川の上に船を浮かべて涼をとる……という楽しみ方が流行したようです。

国立国会図書館「錦絵で楽しむ江戸の名所」より『吾妻橋夕涼景』(三代目歌川豊国)

豪華船が手に入らないからといって諦めない!

江戸時代の庶民の遊びへの飽くなき探究心と知恵には、舌を巻いてしまいます。

■屋形船でいまの東京を楽しもう

さて、ご存知の通り、現代でも屋形船はちょっとした贅沢な遊びとして楽しまれています。

今回DRESSで開催するイベントは、浴衣で屋形船の雰囲気を楽しみ、さらに大人気の芸人さんをゲストにお呼びするという豪華な内容。

日頃東京に住んでいると、あえて屋形船に乗る機会も意外にないのではないでしょうか。

しかし、現代の東京の街並みを、昔の風情を残した屋形船から眺めると、普段とはまた違った東京の姿が見えてくるかもしれません。

屋形船と高層ビルのコントラストはまさに都会ならではの風景。

和文化部の部長が、実際にイベントで使用する舟の様子を見学してきました。

オススメしたいポイントをまとめてみましたので、屋形船に乗ったことがない方や久しく乗っていない方も、ぜひ屋形船の雰囲気を覗いてみてください。

まずは撮影ポイントの多さに圧倒

お邪魔したのは品川の老舗・船清さん。

船着場を目指していくと、ちょっとした旅館のようなエントランスが迎えてくれる(撮影:今村綾子)

品川というと、その巨大な駅ビルや駅前の高層ビルの印象が強く、なかなか屋形船のイメージはしづらいかもしれません。

ところが、鎌倉時代から江戸湾の港町として栄えた品川は、江戸時代には東海道第一の宿場町として、大変な賑わいを見せていたそうなんです。

屋形船といえば、このずらっと並んだ提灯。外から撮っても中から撮っても写真映えします(撮影:今村綾子)

今回のイベントでは、浴衣で参加してくださった方の特典として、プロのカメラマンによるポートフォリオ撮影を行います。

また途中お台場で長めに停泊しますので、晴れていればデッキに上がって撮影を楽しむこともできます。

乗船中だけでなく、舟に乗るまでも撮影ポイントがたくさんで、参加者さん同士で撮り合うのも、とても楽しそう!

こちらは待合室の一角

何艘もの舟が停まる船着場は橋のようになっていて、そこから見える屋形船と少し遠くに望む東京のビル群の風景は、まさに都会ならでは。

出航の17時はまだ外も明るい時間帯。帰航は19時半頃なので、屋形船で周遊する間に、夕暮れ時と夜の風景両方を楽しむことができます。

ご参加の方にはぜひ浴衣で来ていただいて、思いっきり屋形船の雰囲気を堪能して、撮影も存分に楽しんでいただきたいと思います。

浴衣を着たいけれど、着方がわからなかったり、お持ちでない方も、どうぞご安心を。船着場からほど近くにある、品川宿のレンタル着物ソレカラさんでの浴衣のレンタルや着付も可能です(別途費用がかかります)。

船内では伝統の語り芸を楽しめる

また、今回の目玉企画として忘れてはならないのが、プロの浪曲師による口演!

「浪曲(ろうきょく)」は落語・講談に並ぶ日本の語り芸で、普段は寄席や専用の小屋、ホールなどで上演されています。最近になって再び人気に火がつき始めた伝統芸の一つです。

浪曲の語りは「唸る(うなる)」とも表現され、啖呵と呼ばれるセリフ部分と独特の節まわしで構成されます。それに合わせて曲師が奏でる三味線が入るのが特徴です。

ゲストの玉川太福(たまがわ・だいふく)さんは今人気沸騰中の浪曲師

「浪曲って聴いたことがないから、楽しめるか心配……」という方もご安心ください! ゲストの玉川太福さんは、古典だけでなく新作を次々生み出している今大人気の浪曲師なんです。

太福さんの新作は現代の私たちにも親近感溢れる題材で、登場人物の掛け合いは愉快そのもの。難しい知識などはなくても、その語りぶりに思わず笑いがこぼれてしまうはず。

今回は新作と古典作品を一席ずつご披露いただけるとのこと。一度で二度美味しい内容になっています。

浪曲ならではの圧巻の声の迫力と、息のあった三味線の音色……船上で楽しめるこの機会にぜひ味わってみませんか?

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【番外編】船着場近くの品川宿さんぽで二倍楽しい

さて、ここまで実際に現場を見てみて、オススメしたいポイントをまとめました!

今回開催地となる場所は、先に軽く触れた通り「品川宿」という東海道の宿場町だった場所。品川の喧騒からすこし足を運ぶだけで、昔の風情を思わせる街並みが佇んでいます。

屋形船と合わせて、浴衣でそぞろ歩きするのもオススメの場所なんです。

今回ご協力いただく、キモノ時間ソレカラのご店主さんに品川宿の見所をご案内していただきました。その様子も一部ご紹介します!

大通りに面した釣り堀は、夜になると月がぽっかり映り込むそう(撮影:今村綾子)

船清さんから湾奥に少し歩くと、屋形船よりすこし小さな釣り船屋さんが並ぶエリアに入ります。

ここは映画『釣りバカ日誌』のロケ地として活用されたこともある場所だそう。

釣り堀が目の前にあるという、釣り好きにはたまらないロケーションに、撮影にも使われたという昔ながらの家屋がひっそりとありました。

現代のビルの谷間にひっそりと存在する家屋(撮影:今村綾子)

釣り堀にそって品川宿に向かって歩きます。小さな釣り船屋さんが立ち並んでいるエリアは待合所でもあるベンチが等間隔に。

天気の良い日は釣り好きで賑わっているのでしょうか(撮影:今村綾子)

鯨のモニュメントだけでなく、遊具までが鯨・クジラ!(撮影:今村綾子)

通りに沿って歩いていると突如現れるクジラの頭!

何かと言うと、こちらには「鯨塚(くじらづか)」という江戸を驚かせた「寛政の鯨」の骨を埋めた供養碑があるのです。

案内板によると、江戸後期に天王洲の浅瀬に身動きが取れなくなった大鯨が乗り上げます。
それを品川浦の漁師が捕まえると、その大きさから江戸中の評判に。多くの見物人で賑わったことで、果ては時の将軍・徳川家斉が上覧するまでの騒ぎとなった……という話。

この鯨塚は東京では現存する唯一の鯨碑なのだとか。

こちらが鯨塚碑。正面には谷素外の俳句「江戸に鳴る 冥加やたかし なつ鯨」と刻まれている(撮影:今村綾子)

この鯨塚のすぐそばには、小さな神社がありました。

利田神社と書いて「かがたじんじゃ」と読みます。鯨塚もこの神社の境内にあたるそうで、その昔はすぐ横は海だったのが今は埋め立てられすっかり陸地になっています。

もとは、江戸前期に沢庵和尚が弁財天を祀ったのが始まりとされ、「洲崎弁天」とも言われました。
歌川広重の浮世絵にも当時の様子が描かれており、品川が港町だったことが窺い知れます。

鳥居をくぐるとユニークな狛犬が待ち構えている(撮影:今村綾子)

さて、乗船所からほんの数百メートルほどの浦づたいのエリアをご紹介しましたが、品川宿の街道はずっと先まで続きます。街中に入ると、昔ながらの商店もあれば、かき氷ブームの前から開店していた有名なかき氷屋さん、新しくできたこぢんまりとしたカフェもあり、さまざまな楽しみ方ができる場所でした。

ぜひ屋形船のイベントとともに、品川宿のそぞろ歩きもお楽しみいただきたいと思います。

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下心のハルカ

舞台狂いが転じて、能にのぼせ上がる日々を送る会社員。 中学生の頃に、小面の能面の写真を見て心惹かれるものを感じる。社会人になってから「生きている小面が見たい」「美しいものを見たい」という一心から本格的に能楽を鑑賞しはじめ、...

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