実は難しい「白いTシャツ」を自由に楽しむコツ
「白いTシャツ」は永遠の定番アイテム。誰もが1枚は持っている。だからこそ、いい意味でも悪い意味でも、女としての歴史と志、覚悟が表れる怖いアイテムでもあると思う。苦手意識を持っている女性も意外と多いのではないだろうか? 私もそのひとり。白いTシャツを自由に楽しくコーデするコツを書いてみた。
■白いTシャツは一番緊張する
私がティーンエイジャーの頃だっただろうか。
「白のTシャツ+デニムだけで輝ける女性を目指そう!」というファッション雑誌の記事タイトルがあった。
なんてカッコいい考え方なんだろう! と思った私は、その言葉がずっと頭の片隅にあったのだと思う。
ごまかしの一切効かない服。自分という女の素材そのものも、自分の内面さえも、もろに表に出てしまうシビアなファッション。そう簡単に着ることはできないんだ───。そういう苦手意識のようなものが育ってしまった。
それでもまだ20〜30代の頃は、夏の休日に白いTシャツ+デニムだけで過ごしたこともあった。
子育て中にはじゃぶじゃぶ洗える白いTシャツをたくさん持っていた。
けれど、40代に入ると白いTシャツを着ることは途端に厳しくなった。
「がんばってる。必死」という感じが滲み出るようになったのである。
「今日は白いTシャツを着よう」と思う日が、一番緊張する日になってしまった。
襟ぐりが開き、袖もフレンチスリープ、ウエストがシェイプされているDoCLASSEのTシャツ。パイソン柄のバングルやステラマッカートニーのバッグで辛口に。そしてどこかにやはり「綺麗めな要素」を入れたくなるのが私流。首元にシルク100%のスカーフを。
プラスするものを何にするかで、まったく異なるコーデになる。
■白いTシャツとデニムで、無理しなくてもいいのでは?
子育てが一段落したころ、考えはまた変わった。
そんなに無理をしなくてもいいのでは?
モデルでもあるまいし、普通の主婦で、いたって普通の体型、普通の見た目。なのに「白いTシャツだけでサマになる自分」という理想を追いかけて、苦しい思いをしなくても。そう思うようになった。
もっと自由に白のTシャツを使いまわせばいいのでは、と。
今私が白いTシャツを着たり、デニムと合わせたりするときは、迷いなく「盛る」。容赦なく「盛る」。
それもまた白いTシャツの面白さだと思っている。
白いTシャツのように見える素材はニット素材のトップス。ほぼTシャツだと思ってコーデしている。
この場合、白いボトムスと合わせるのも面白い。普通の白いパンツだと、体操の先生のように見えてしまう恐れあり。うんと女らしい白いレースのスカートと合わせてみる。
バッグも白いクロスボディバッグにしてスポーティさをプラス。でも足元はヌーディなサンダルで。
「甘×辛ミックスコーデ」という考え方があるが、「スポーティ×ドレッシー」の掛け合わせのミックスコーデ。
白という色だからできるミックスワザ。これ、黒でやるとごちゃついたコーデになってしまう。
白いTシャツは他に何をどう重ねても清潔感が出やすいので、いろいろと冒険しやすいのである。
■気負わず自由に、白いTシャツを着よう!
カッコよく着なければ。シンプルに着なければ。おしゃれに見せなければ。
そんな呪縛からはもう解放されよう。
着ていて気持ちいいよね。合わせるアクセサリーでがらっと変わって楽しいよね。
そんな気楽な気持ちで、白Tシャツを再び。
ただし、ひとつだけ、絶対に手放してはいけないもの。それが心からの笑顔。
これさえ携帯すれば、いくつになってもどんな服と合わせても、白いTシャツは女を最高にヘルシーに幸せに清潔に見せてくれる。
だから笑顔で白いTシャツを着よう!