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「陸前高田の佐藤さんと酔仙」

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4年目の「3.11」。みなさんはどのように過ごされたでしょうか?メディアでもたくさんの東日本大震災関連の特別番組が組まれていましたね。2月28日のTBS「報道特集」で、陸前高田の酒蔵「酔仙(すいせん)」のお酒「…

「陸前高田の佐藤さんと酔仙」

4年目の「3.11」。みなさんはどのように過ごされたでしょうか?
メディアでもたくさんの東日本大震災関連の特別番組が組まれていましたね。

2月28日のTBS「報道特集」で、陸前高田の酒蔵「酔仙(すいせん)」のお酒「多賀多(たかた)」の原料となるお米を作った、佐藤 直志さんのことを紹介していましたが、ご覧になられた方はいらっしゃいますか?

陸前高田市今泉町で、16歳から約60年間、地元の里山で“木こり”をされてきた佐藤 直志さん。2011年の震災時、近くの成田山に逃れ助かった佐藤さんですが、自宅が半壊し、消防団員だった息子さんを失いました。避難所にも仮設住宅にも行かず、震災のひと月後から、近くの塩害被害のあった森から住宅に適した木を伐採し、77歳の高齢でありながら自らの手で、自宅を新築しました。その1年半のストーリーが、池谷薫監督のドキュメンタリー映画『先祖になる』にもなっているのでご存知の方も多いかと思います。

佐藤さんは、震災前からずっとお米も作っていました。震災で田んぼも流されてしまったのですが、新しい土地を借り育てたお米から誕生したお酒作りを取材した、とても心に残る番組でした。

この佐藤さんというおじいちゃん。里山の知恵を熟知した賢者でありながら、謙虚で且つユーモア溢れる、なんとも言えないチャーミングな人柄が画像からも伝わってきました。震災でたくさんの大切なものを失いながらも、淡々と受け入れ、力強く生きている姿にたくさんの人が勇気づけられてきたのではと思います。
昔から“女きこり”に憧れていていた私としては、弟子入りしたい!と心から思う方です。

この映画、現在、DVDになっているので、まだ見ていない方はぜひご覧になってみて下さい! また自主上映会も常時受付しているそうです。

そしてこのお酒「多賀多(たかた)」を作っている陸前高田の酒蔵『酔仙(すいせん)』も 津波で全て流されたにも関わらず、奇跡的に支柱の瓦礫端に引っかかって残っていた一番樽の写真、覚えている方も多いかと思います。現在大船渡市に新工場を再建し、この一番樽のように、奇跡の復興を成し遂げています。

実は震災の年、私が代表を務めるNPOソーシャルコンシェルジュで実施した、いくつかの被災地支援プロジェクトの一つが、「酔仙を世界中から応援するプロジェクト」でした。

イギリスの名門「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LONDON School of Economic and Political Science)」の学生から、震災から数ヶ月後に連絡を受けたのですが、「日本酒好きで、被災地の酒蔵を支援したいという人が世界中にいる。その有志を募りボランティアに行きたい」という相談でした。そこで、NPOソーシャルコンシェルジュがコーディネーター役となり、当時、一時的に岩手県内陸の一関市の酒蔵を借り受け、醸造を開始したばかりの酔仙に連絡をとったところ、快くボランティアを受け入れてくださいました。

プログラムとしては、一関の酒蔵の視察、津波の被害を受けた陸前高田の跡地の視察、そして酔仙の金野社長とともに、「短期、長期的に酔仙を応援するために何ができるか?」という復興支援アクションプランのブレストを行うというもの。

“日本一のマーケッター”として知られる、ベストセラー作家にして経営コンサルタントの神田昌典さんにもこのプロジェクトに参加いただき、スペシャルファシリテーターとしてボランティアで関わっていただきました。

“SAKE SAMURAI”として活躍する方も含め、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの学生を中心に、中国、ニューヨーク、ロサンジェルスなど、世界中から約20名のボランティアが集結。大変意義深い時間をみんなでシェアすることができました。そして、あっという間に4年が過ぎました。

世界は今、日本酒ブーム。

きっとプログラムに参加した仲間たちは、それぞれの国で、それぞれの方法で、日本酒を広めてくれていることと思います。
いつか彼らと一緒に、ロンドン、ニューヨークなどの都市で、佐藤さんの映画『先祖になる』の上映会&「多賀多」のテイスティング会を実現したいです。
「これぞ日本の底力!」というものを、目と舌を通じて海外の人々に伝えたいです。

林民子




池谷薫監督のドキュメンタリー映画『先祖になる』オフィシャルサイト:
http://senzoninaru.com/index.html

陸前高田の酒蔵「酔仙(すいせん)」オフィシャルサイト:
http://suisenshuzo.jp/products/takata.html

 




「酔仙を世界中から応援プロジェクト」のボランティアメンバー、酔仙金野社長、神田昌典氏と一緒に。

 



復興支援アクションプランのブレストミーティングの風景。



酔仙金野社長から、被災した陸前高田の酒蔵跡地の説明を受けているボランティアメンバー達。

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林 民子

NPOソーシャル コンシェルジュ主宰。ジャンルを超え、社会貢献度の高いヒト、モノ、サービスをより魅力的により多くの人へ広めるための様々なプロジェクトをプロデュース。少数民族の貧困解決を目指し、上質のヤクという素材にフォーカス...

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