妊婦加算、批判・炎上から廃止検討へ
2018年4月に導入された、妊娠中の女性が病院で診察を受けると、診療費が上乗せされる「妊婦加算」。厚生労働省は13日、上乗せして徴収することをなくす方向で検討を開始し、制度自体も廃止に向けて抜本的に見直す方針を固めました。
妊娠中の女性が病院で診察を受けると、診療費が上乗せされる「妊婦加算」について、厚生労働省は13日、見直す方針を決めました。
当面、妊婦加算は残すものの、上乗せ部分の自己負担がゼロになるような手当を、時期や方法を含めて検討しています。
2018年4月から導入された妊婦加算は、妊娠中の女性が医療機関を受診する際、胎児への影響を考慮し、より丁寧な診療をする必要があるとして、診療費が上乗せされる制度です。
医療費の一部を妊娠中の女性が自己負担する形で、自己負担3割の場合、初診で230円、再診で110円、夜間や休日はさらに負担が増えます。
しかし、「少子高齢化対策に逆行する」との批判が集まっていました。
妊婦加算が批判を多く受け、見直されると報じる記事が出た後、産婦人科医の佐藤ナツさんは、「BuzzFeed」に寄稿。妊婦加算“炎上”に到るまでの流れや個人的な見解、妊婦加算が受け入れられるために必要なことなどを詳しく綴っています。
記事URLを添えたツイートでは、以下のように投稿(ツイッターでは「タビトラ」さん名義)。
このツイートに対し、1000を超えるリツイートがあり、「妊婦さんたち、それでも(妊婦加算がある現状でも)受診をためらわないで」との佐藤さんのメッセージが、多くの人たちへ広まっていることが伺えます。
ツイッターでは、以前妊娠していた女性たちからも、さまざまな声があがっています。
「妊婦加算なるものがあったなんて、知らなかった…!!妊婦には加算して、女子受験者には減点して、日本は女性に対してやる事がいちいちおかしいと思う」
「妊婦加算廃止とか…。払ったお金返して~」
など、妊婦加算が設けられた「丁寧な診察」との目的を疑問視する声も。
さらに、
自民党の小泉進次郎・厚労部会長は、「妊婦さんに自己負担を発生させることは容認できないというのが部会の総意だ」と述べています。今後も続報を注視したいトピックのひとつです。
画像/Shutterstock
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