映画『日日是好日』で樹木希林さん演じるお茶の先生が教えてくれる、“今を生きる歓び”とは?
人気エッセイスト森下典子さんが茶道教室に通った20年の日々を綴ったベストセラー原作『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』が映画化されました。主人公の典子(黒木華)と、典子のいとこの美智子(多部未華子)にお茶を教える武田先生を樹木希林さんが演じ、“今を生きる歓び”を教えてくれる感動作です。
◼︎”お茶”がテーマの究極の癒しムービー
DRESS読者のみなさん、こんにちは。
今回みなさんにご紹介したいのは、人気エッセイスト森下典子さんが茶道教室に通った20年の日々を綴ったベストセラー原作を映画化した『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』です。
茶道体験記という枠を超えて、幅広い読者の胸を打った原作本「日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」は"マインドフルネス本”と称されることもあるそう。
いま自分がいる空間そのものを、五感を使って全身で味わうという茶道の行為を通じ、”日日是好日”という言葉の本質を感じるーーそんな”お茶”を通じた究極の癒し映画が誕生しました。
◼︎『日日是好日』のストーリー
大学時代に、一生をかけられるような何かを見つけたいと思っていた典子(黒木華)は、母からの突然の勧めと、同い年の従姉妹の美智子(多部未華子)からの誘いによって、”お茶”を習い始めることになった。
はじめはまったく乗り気ではなかった典子だったが、近所で「タダモノじゃない」と噂の武田先生(樹木希林)の稽古に惹かれ、毎週土曜にお茶に通い続けることにするのだった。
大学を卒業し、貿易会社に就職を決めた美智子はお茶をやめてしまったが、志望の出版社に落ちて就職を諦めた典子は、出版社でアルバイトをしながらお茶に通い続けた。
時は流れ……典子がお茶を始めて十年が経った。
美智子は結婚し、ひとり残された典子は、中途採用の就職試験にも失敗し、お茶でもお点前の正確さや知識で後輩たちに抜かれてしまい……。
◼︎描かれるのは、お茶と過ごしたひとりの女性の人生
真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょい。
本作では、そんな主人公・典子が二十歳でお茶を習い始めてから45歳になるまでの歳月が描かれます。
雨の日は雨を聞く。雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを。冬は身の切られるような寒さを。就職の挫折、失恋、大切な人との別れ……。ひとりの女性が大人になっていく過程が、五感を使って全身でその瞬間を味わう”お茶”と共に丁寧に切り取られてゆきます。
◼︎樹木希林さんの名演はスクリーンで
典子にお茶の作法や道具についてだけでなく、お茶を通じて知ることができる”今を生きる喜び”をも教える武田先生は、まさに樹木希林さんにぴったりの役柄。
稽古初日、意味も理由もわからないお茶の所作にとまどう典子と美智子に、武田先生は「意味なんてわからなくていいの。お茶はまず『形』から。先に『形』を作っておいて、その入れ物に後から『心』が入るものなのよ」と説きます。
季節が巡り、時が流れても同じようにお茶を教えながら「私、最近思うんですよ。こうして毎年、同じことができることが幸せなんだって」と語る武田先生の姿から、典子は教室でみた掛け軸に描かれていた「日日是好日」という言葉の本質を自然と感じ取っていくのです。
「世の中には『すぐわかるもの』と『すぐわからないもの』の二種類がある」と典子は思います。
「すぐわからないもの」の代表のような茶道を通じ、典子が辿り着くのは、果たしてどんな心の境地なのでしょうか。
日本が誇る名優・樹木希林さんの演技はぜひスクリーンでご覧ください。
◼︎『日日是好日』公開情報
『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』
10/13(土)シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、渋谷シネクイント、イオンシネマほか全国ロードショー
脚本・監督:大森立嗣『まほろ駅前』シリーズ、『さよなら渓谷』、『セトウツミ』、『光』
原作:森下典子『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊)
出演:黒木華 樹木希林 多部未華子
配給:東京テアトル ヨアケ
上映時間:100分
公式サイト:http://www.nichinichimovie.jp/
(C)2018「日日是好日」製作委員会
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